61 / 226
第4章 追憶~過ぎ去った日~
9 禁忌を犯す者…ルリアーナside
しおりを挟む
一撃で終わらせるつもりだった。相手に対して慈悲はなく、とにかく早くこの争いを終わらせることに必死だった。
一度の跳躍で立ち尽くしている男の元まで迫り、鋭い爪を男の首目掛け振り下ろす。
そして前の二人と同じように倒せた――――はずだった。
「なっ!」
それは惜しくも男が持っていた剣によって阻まれてしまった。
剣を咄嗟にかざし妾の一撃を受け止めたのだ。そしてそのまま物凄い力で剣を薙ぎ払われ、寸ででその攻撃をかわすと一度後ろに下がり間合いを取った。
一瞬だけ、動揺した。この妾が。
こいつは他の二人とは違う動きをする。
理性がなく血を貪るだけの化け物。ヴァンパイアの成れの果て。
そのはずだが、この男はもしかしたらまだ少しだけ理性が残っているのかもしれないが、それでも本能の方が勝っている状態と言う事か。
本能が妾を危険と判断し、その身体を動かしているのか。
それにあの剣。
忘れていたが、あの剣身にはヴァンパイアの攻撃を跳ね返すという力。魔法がかかっているのだと聞いたことがある。
妾の攻撃が弾かれたのはその魔法の効力によるものなのだろう。剣さえなければあの男を容易く倒せるのだが。
剣だけを一瞬でいい、どうにか出来ればその隙に奴を仕留めることが可能だ。
剣に魔法がかかっていると言うなら、こちらも魔法で対処するのみだ。
魔法には魔法を。
多くの魔法を使える程得意ではないが、一瞬の隙をつくるくらいなら……。
チャンスは一度。それを逃せばクラウスがもたないからな。
彼は必ず助けるっ!どんな手段を使ってでもっ!!
大きく息を吸い込みゆっくりと吐き出す。左手を前にかざし、集中した。
男は剣を右手で持つと構えのような姿勢をとった。
今だっ!!
それを見た瞬間に妾は心の中で叫び走り出す。男も構えた剣を妾の首に目掛けて振り下ろそうとしていた。
あと少しで首に届く、その一瞬。
「レジスタンスっ!!」
素早く呪文を唱え、魔力の集まった左手を剣身に打ち込んだ。
妾が使ったのは剣と同じ効果を持つ、攻撃を跳ね返すと言う魔法だ。同じ効果を持つ魔法がぶつかり合ったらどうなるか。
答えは簡単。どちらも弾かれる、だ。
「くっ!」
思ったよりも強い力がぶつかり合い、その弾かれた時の衝撃も強かった。
だとしてもここで怯むわけにはいかない。
「ダブルシールドっ!」
相手に向けてではなく自分の背後、空中にシールドを二重にして素早く展開させる。
瞬時に体をひねって空中で後ろに一回転し、シールドを足場にするとそれを思いっきり蹴る。
男は弾みで体制を崩しており十分な隙が出来ていた。そこまで出来れば残り、狙うのは首だけ。
「これで終わりだっ!」
懐から取り出した短剣を男の首に向かって切り下ろした。感触はしっかりあり、これで終わりだと分かった。
体制を立て直し、片足で地面に着地し後ろを振り返って見ると、狙い通りに男は倒れていて動くことはなかった。
きっとすぐにでも灰になってしまうだろう。
それを確認した妾は、ぐったりとしたままのクラウスの元へと急いで近づくと、その場に膝をついて彼の名前を必死に呼んでいた。
「クラウス!クラウスっ!」
今にも泣きだしそうな震えた声が自分の口から無意識に零れた。それに気が付いた時にはもう涙は溢れてしまっていたのだが。
クラウスの顔を覗き込むと、目は薄っすらと開いていたが妾を認識することなく虚ろだ。
…………もう助からない。
その言葉が頭をついてしまい、途端に絶望してしまいそうになる。
そんな時だった。拳を固く握りしめていた手に温もりを感じたのは。
「……っ!」
ゆっくりと見ると、妾の手にクラウスがそっと手を重ねていたのだ。
もう目が見えていないのだろうに、力も入らないはずなのに、それでも手を伸ばしてくれていた。
泣くなと言われている気がしたが、どうしても涙は次から次へと溢れて止まらない。
だが妾はその手を空いていた手で握り返すと一つの決断を、ある覚悟を決めた。
この決断でクラウスが生きるか死ぬか決まるのだ。迷っていたが、今の彼を見てしまったら覚悟を決めるしかない。
それに必ず救うとも言った。ならば何でも良い、救える方法があるのならそれに縋ってやる。
そしてこれが最後の手段だ。
彼の手を離すとそっと下ろし、次に自分の右手の手首に思い切り噛みついた。そこから溢れる血を自身の口に含む。
少しして手首から口を離すと溢れた血が滴り落ちて地面を赤く染めた。
それを気にする事なく血を口に含んだまま、反対の手で彼の頭を少し持ち上げしっかり支えると、ゆっくりと顔を近づけていった。
彼の少し開いたままだった唇に自身のものを合わせると、舌を使い押し込むようにして血を流し込んでいく。
暫くすると飲み込んだ音がして妾は唇を離した。そして付いてしまった血を指で拭ってやる。
改めて彼の顔を覗き込むと先程よりも穏やかな表情で眠りについたようだった。
それを見てひとまず安心した。これで助かる、はずだ。
妾が行ったのは人間をヴァンパイア化させる行為。方法は簡単で、ヴァンパイアが人間に己の血を与えれば良いだけ。
本来は禁忌とされている行為なのだ。一部の者を除いては。
人間同様、ヴァンパイアにも爵位と言うものがある。この禁忌の行為を特別に許されているのは王族と公爵の上位ヴァンパイアだけだ。
妾のような王族、そして王族から枝分かれした、公爵の階級を持つヴァンパイアは純血種と呼ばれ、一切人間の血が混ざっていない一族だ。
その上位な彼らに禁忌の行為が許されてはいるが、余程の事がない限り、自ら進んで血を差し出す事はしない。人間を嫌うものも多く、ヴァンパイアと人間のハーフを生み出そうという物好きもそうはいない。
それに上位のヴァンパイアの血は人間には強すぎる。一滴摂取しただけでも死に至ってしまう事も稀ではないのだ。
そう言った理由から行われなくなった方法。
それでも妾はこれに賭ける事にした。今のクラウスを助けられるのはこれしかない。ヴァンパイアの超再生、治癒能力しか彼の命を繋げる方法はない。
彼に血を分け与えた時、瀕死の彼には一滴では足りないと判断しいくらか多めに血を与えてしまった。後悔はないが、もうこれで妾に出来ることはない。ただ見守る事しか。
後は彼の体力、そして妾の血に適応出来るかどうか。だが妾は信じる。根拠はないが、クラウスならば乗り越えられると。
眠りについたクラウスを傷にさわらないようそっと抱き上げる。落ち着いて眠っている彼を早く安全な場所へと連れて行きたかったのだ。
村のこの惨事をそのままにしておくのは心苦しいが、もうすぐ城の者が来る。ここは彼らに任せるしかない。そしてあの剣も今は部下に任せよう。
そう思い剣も置いて、クラウスだけをしっかりと抱きかかえると城に急いで向かった。
次に彼が目覚めた時には彼はもう人間ではなくなっている……。そして無事に目が覚め事の結末を彼が聞いた時、もしも彼に恨まれる事があったとしても、妾は…………。
……妾は決してお前の傍を離れない、この先ずっとお前を守らせてほしい。傍に居ることをどうか許してほしい。
それだけを妾は願っている――――。
一度の跳躍で立ち尽くしている男の元まで迫り、鋭い爪を男の首目掛け振り下ろす。
そして前の二人と同じように倒せた――――はずだった。
「なっ!」
それは惜しくも男が持っていた剣によって阻まれてしまった。
剣を咄嗟にかざし妾の一撃を受け止めたのだ。そしてそのまま物凄い力で剣を薙ぎ払われ、寸ででその攻撃をかわすと一度後ろに下がり間合いを取った。
一瞬だけ、動揺した。この妾が。
こいつは他の二人とは違う動きをする。
理性がなく血を貪るだけの化け物。ヴァンパイアの成れの果て。
そのはずだが、この男はもしかしたらまだ少しだけ理性が残っているのかもしれないが、それでも本能の方が勝っている状態と言う事か。
本能が妾を危険と判断し、その身体を動かしているのか。
それにあの剣。
忘れていたが、あの剣身にはヴァンパイアの攻撃を跳ね返すという力。魔法がかかっているのだと聞いたことがある。
妾の攻撃が弾かれたのはその魔法の効力によるものなのだろう。剣さえなければあの男を容易く倒せるのだが。
剣だけを一瞬でいい、どうにか出来ればその隙に奴を仕留めることが可能だ。
剣に魔法がかかっていると言うなら、こちらも魔法で対処するのみだ。
魔法には魔法を。
多くの魔法を使える程得意ではないが、一瞬の隙をつくるくらいなら……。
チャンスは一度。それを逃せばクラウスがもたないからな。
彼は必ず助けるっ!どんな手段を使ってでもっ!!
大きく息を吸い込みゆっくりと吐き出す。左手を前にかざし、集中した。
男は剣を右手で持つと構えのような姿勢をとった。
今だっ!!
それを見た瞬間に妾は心の中で叫び走り出す。男も構えた剣を妾の首に目掛けて振り下ろそうとしていた。
あと少しで首に届く、その一瞬。
「レジスタンスっ!!」
素早く呪文を唱え、魔力の集まった左手を剣身に打ち込んだ。
妾が使ったのは剣と同じ効果を持つ、攻撃を跳ね返すと言う魔法だ。同じ効果を持つ魔法がぶつかり合ったらどうなるか。
答えは簡単。どちらも弾かれる、だ。
「くっ!」
思ったよりも強い力がぶつかり合い、その弾かれた時の衝撃も強かった。
だとしてもここで怯むわけにはいかない。
「ダブルシールドっ!」
相手に向けてではなく自分の背後、空中にシールドを二重にして素早く展開させる。
瞬時に体をひねって空中で後ろに一回転し、シールドを足場にするとそれを思いっきり蹴る。
男は弾みで体制を崩しており十分な隙が出来ていた。そこまで出来れば残り、狙うのは首だけ。
「これで終わりだっ!」
懐から取り出した短剣を男の首に向かって切り下ろした。感触はしっかりあり、これで終わりだと分かった。
体制を立て直し、片足で地面に着地し後ろを振り返って見ると、狙い通りに男は倒れていて動くことはなかった。
きっとすぐにでも灰になってしまうだろう。
それを確認した妾は、ぐったりとしたままのクラウスの元へと急いで近づくと、その場に膝をついて彼の名前を必死に呼んでいた。
「クラウス!クラウスっ!」
今にも泣きだしそうな震えた声が自分の口から無意識に零れた。それに気が付いた時にはもう涙は溢れてしまっていたのだが。
クラウスの顔を覗き込むと、目は薄っすらと開いていたが妾を認識することなく虚ろだ。
…………もう助からない。
その言葉が頭をついてしまい、途端に絶望してしまいそうになる。
そんな時だった。拳を固く握りしめていた手に温もりを感じたのは。
「……っ!」
ゆっくりと見ると、妾の手にクラウスがそっと手を重ねていたのだ。
もう目が見えていないのだろうに、力も入らないはずなのに、それでも手を伸ばしてくれていた。
泣くなと言われている気がしたが、どうしても涙は次から次へと溢れて止まらない。
だが妾はその手を空いていた手で握り返すと一つの決断を、ある覚悟を決めた。
この決断でクラウスが生きるか死ぬか決まるのだ。迷っていたが、今の彼を見てしまったら覚悟を決めるしかない。
それに必ず救うとも言った。ならば何でも良い、救える方法があるのならそれに縋ってやる。
そしてこれが最後の手段だ。
彼の手を離すとそっと下ろし、次に自分の右手の手首に思い切り噛みついた。そこから溢れる血を自身の口に含む。
少しして手首から口を離すと溢れた血が滴り落ちて地面を赤く染めた。
それを気にする事なく血を口に含んだまま、反対の手で彼の頭を少し持ち上げしっかり支えると、ゆっくりと顔を近づけていった。
彼の少し開いたままだった唇に自身のものを合わせると、舌を使い押し込むようにして血を流し込んでいく。
暫くすると飲み込んだ音がして妾は唇を離した。そして付いてしまった血を指で拭ってやる。
改めて彼の顔を覗き込むと先程よりも穏やかな表情で眠りについたようだった。
それを見てひとまず安心した。これで助かる、はずだ。
妾が行ったのは人間をヴァンパイア化させる行為。方法は簡単で、ヴァンパイアが人間に己の血を与えれば良いだけ。
本来は禁忌とされている行為なのだ。一部の者を除いては。
人間同様、ヴァンパイアにも爵位と言うものがある。この禁忌の行為を特別に許されているのは王族と公爵の上位ヴァンパイアだけだ。
妾のような王族、そして王族から枝分かれした、公爵の階級を持つヴァンパイアは純血種と呼ばれ、一切人間の血が混ざっていない一族だ。
その上位な彼らに禁忌の行為が許されてはいるが、余程の事がない限り、自ら進んで血を差し出す事はしない。人間を嫌うものも多く、ヴァンパイアと人間のハーフを生み出そうという物好きもそうはいない。
それに上位のヴァンパイアの血は人間には強すぎる。一滴摂取しただけでも死に至ってしまう事も稀ではないのだ。
そう言った理由から行われなくなった方法。
それでも妾はこれに賭ける事にした。今のクラウスを助けられるのはこれしかない。ヴァンパイアの超再生、治癒能力しか彼の命を繋げる方法はない。
彼に血を分け与えた時、瀕死の彼には一滴では足りないと判断しいくらか多めに血を与えてしまった。後悔はないが、もうこれで妾に出来ることはない。ただ見守る事しか。
後は彼の体力、そして妾の血に適応出来るかどうか。だが妾は信じる。根拠はないが、クラウスならば乗り越えられると。
眠りについたクラウスを傷にさわらないようそっと抱き上げる。落ち着いて眠っている彼を早く安全な場所へと連れて行きたかったのだ。
村のこの惨事をそのままにしておくのは心苦しいが、もうすぐ城の者が来る。ここは彼らに任せるしかない。そしてあの剣も今は部下に任せよう。
そう思い剣も置いて、クラウスだけをしっかりと抱きかかえると城に急いで向かった。
次に彼が目覚めた時には彼はもう人間ではなくなっている……。そして無事に目が覚め事の結末を彼が聞いた時、もしも彼に恨まれる事があったとしても、妾は…………。
……妾は決してお前の傍を離れない、この先ずっとお前を守らせてほしい。傍に居ることをどうか許してほしい。
それだけを妾は願っている――――。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
若輩当主と、ひよっこ令嬢
たつみ
恋愛
子爵令嬢アシュリリスは、次期当主の従兄弟の傍若無人ぶりに振り回されていた。
そんなある日、突然「公爵」が現れ、婚約者として公爵家の屋敷で暮らすことに!
屋敷での暮らしに慣れ始めた頃、別の女性が「離れ」に迎え入れられる。
そして、婚約者と「特別な客人(愛妾)」を伴い、夜会に出席すると言われた。
だが、屋敷の執事を意識している彼女は、少しも気に留めていない。
それよりも、執事の彼の言葉に、胸を高鳴らせていた。
「私でよろしければ、1曲お願いできますでしょうか」
◇◇◇◇◇
設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
それを踏まえて、お読み頂ければと思います、なにとぞ。
R-Kingdom_4
他サイトでも掲載しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
悪妃の愛娘
りーさん
恋愛
私の名前はリリー。五歳のかわいい盛りの王女である。私は、前世の記憶を持っていて、父子家庭で育ったからか、母親には特別な思いがあった。
その心残りからか、転生を果たした私は、母親の王妃にそれはもう可愛がられている。
そんなある日、そんな母が父である国王に怒鳴られていて、泣いているのを見たときに、私は誓った。私がお母さまを幸せにして見せると!
いろいろ調べてみると、母親が悪妃と呼ばれていたり、腹違いの弟妹がひどい扱いを受けていたりと、お城は問題だらけ!
こうなったら、私が全部解決してみせるといろいろやっていたら、なんでか父親に構われだした。
あんたなんてどうでもいいからほっといてくれ!
今日も聖女は拳をふるう
こう7
ファンタジー
この世界オーロラルでは、12歳になると各国の各町にある教会で洗礼式が行われる。
その際、神様から聖女の称号を承ると、どんな傷も病気もあっという間に直す回復魔法を習得出来る。
そんな称号を手に入れたのは、小さな小さな村に住んでいる1人の女の子だった。
女の子はふと思う、「どんだけ怪我しても治るなら、いくらでも強い敵に突貫出来る!」。
これは、男勝りの脳筋少女アリスの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる