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第4章 追憶~過ぎ去った日~
7 切なる願い…ルリアーナside
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「何故っ……!」
寄りにもよって何故あの村に……っ!甘かった。もっとしっかり監視していなかった妾の責任だ……。とにかく急いで向かわないとあいつが……!!
事は数時間前に遡る――。
獣すら寄り付かない深い森の中。そこには広大な敷地を誇る城が天に向かいそびえ立っている。周りからその姿を隠すかのように樹木が立ち並び、外から来たものを阻んでいるかのような不気味な雰囲気の城。
その城に妾は住んでいた。
城の一室――。
広い部屋だが、天井まで届きそうな大きな本棚が壁に沿って並べられているため、その分の圧迫感が感じられる。
そんな部屋の一番奥。そこには机と椅子だけが置かれ、その机の上には朝届けられたばかりの新しい書類が山積みに置かれていた。
そして今まさに妾はその書類に目を通し、署名をしている真っ最中だった。
忙しいこの光景ももう見慣れたものだ。妾にとっては普段と何ら変わらない一日と同じで、変わらない日々、変わらない平和な日常なのだ。
だが平和は長くは続かない。時に現実は残酷だと言う事を改めて思い知らされる事になる。
「失礼いたしますっ、姫様っ!緊急事態です!」
いつもならノックをして入ってくる礼儀正しい部下が、慌てた様子で妾の部屋へと入ってくると慌てて声を上げた。
これが事の始まりだった。
「何事だ」
慌てる部下に対して妾は冷静に答え、それに部下は蒼褪めたような顔で先を話した。
「……捕えていたヴァンパイアが逃げ出しました!」
それを聞いて部下の表情に納得がいく。
城には地下牢があり、そこには凶悪なヴァンパイア達が収容され、同じヴァンパイアである看守が収容者を逃がさないよう厳重に監視の目を光らせている。看守は妾が自ら選び、任命した者達。その看守は妾に忠実であり、実力ともに優秀なヴァンパイア達だ。
その優秀な看守の目を盗み収容者は逃走した。それはどういった理由が在れ、看守の失態になり罰を与えなければならなくなる。
つまり部下は失態を晒してしまった屈辱と、妾からの罰に恐怖を抱き蒼褪めた表情をしているわけだ。
蒼褪める部下にそれでも妾は問いかける。
「地下牢の奴らか。数は?」
「……三人です」
……三人。捕えていたヴァンパイアが逃げ出してしまった。何と言う事だ……。
地下牢にいるヴァンパイア達が捕らえられている理由は様々だが、その多くは力の暴走によるものだ。
ヴァンパイアという生物はこの世界において、力だけを見れば頂点に君臨する存在。千年、二千年と、とても長い時間を生きることが出来、不老不死とも呼ばれる事もある。
人間とは反対に闇を生きる存在。とは言っても見た目は人間と何ら変わりはなく、そのため人間の中で隠れて暮らす連中もいるのだ。
人間と同じ食事も取ることが出来、不自由はないように見える我々だが、必要不可欠なものが一つだけある。
それは人間の血だ。これはヴァンパイアであれば誰もが欲するもの。
ヴァンパイアの世界にも位階と言うものがあり、その位階や強さによっても変わってくるが、妾の場合は渇きに慣れているため数か月に一度、数滴摂取することが出来れば血液は十分足りる。が、それに比べて下位のヴァンパイアは数日、或いは毎日でも血液を摂取しなければ乾いて正常な状態でいられない者もいる。
この血液摂取により力を更に高めることが出来るのもヴァンパイアの特徴の一つ。
しかし、人間の血液はヴァンパイアにとって好物であり、それと同時に弱点でもある。
摂取すれば力が手に入るが、摂取しなければただの化け物と成り果てる。
初めの内は吸血衝動と呼ばれる軽いものから始まり、そこから更に悪化していくと徐々に理性が無くなっていき、最終的には血を求めるだけの化け物と化す。
そうなってしまってはもう救いはない。ヴァンパイアであろうが人間であろうが無差別に殺し、血を貪る事しか考えられなくなるのだ。
だがそれは一部のヴァンパイアを除いて、の事だがな。
とにかく脱走した三人はそんな連中だった。
「そいつらはロストだな?」
「……はい」
「よりにもよって、か……」
血液を摂取せず、最終的に化け物となった者。それを我らは堕ちた者――ロストと呼んでいる。
そんな連中が三人も逃げたとなれば事は一刻を争う。
「そいつらが逃げた方向は分かるか?」
「はいっ」
それが分かれば幸いと思い問うと、部下は部屋の壁に貼られた地図を見て指を指した。
「この方角へ向かったと見張りが言っていました。恐らく目的はこの村かと、思われます……」
「……ここはっ」
恐らくと言って部下が指し示したその先には、妾も一度訪れた事のある、あの小さな村があった。
「今からこの村へ妾は向かう。お前は他の看守と後から来い。いいな!」
それだけ命令すると返事も聞かずに早々と城を飛び出した。背後からは焦った部下の声がしていたが、正直今はそれどころではなかった。冷静ではいられなかった。
あの村は……、あの場所だけはっ……!
焦る気持ちをどうにかして抑え込む。
この城から一番近く、そしてそれなりの人間が住んでいる村。ロストにとって、こう言っては何だが餌が大量に転がっているようなものだ。しかも理性がなく、本能で行動しているとなれば……。
最悪な光景が脳裏に浮かびそれを振り払うように頭を振る。
……今はただ、村に向かう事だけを考えよう。そう思いなおして先を急いだのだった。
「…………」
村に着くなり、目に入ったその光景に唖然とする。
目の前には村人の死体、それから飛び散った血。
そして今にも子どもの首に噛みつこうとしているロストの男。そいつは妾の姿など目に入らないのか気にすることもなく、ただ血を飲むことしか頭にないようだ。その隙を見逃さずにすぐさま跳躍した妾は、男の首目掛けて思い切り足を振るう。
手加減が一切ない蹴りは、受け身を取らなかった男の首を綺麗に切り飛ばした。
治癒が優れているヴァンパイアであろうと、首を飛ばされれば終わりだ。それが分かっていれば狙うのは首だ。
力をなくした男の身体はゆっくりと崩れていく。男に近づいた妾は、素早くその手から子どもを掠め取るともう一度跳躍し距離を取る。
……良かった、生きている。
すぐに抱いている子どもの顔を見て生きているか確認するが、顔は青白いが息もあり、どうやら気絶しているだけのようだった。
それを見て一度は安堵したものの、このままここに置いていくわけにもいかず、かといって連れて行けば足手まといになるため連れて行くことは出来ずに妾は困惑した。
どこか安全な場所はないかと、荒れ果ててしまった辺りの店を見回した。すると店の前に良さそうな籠が転がっているのが目に入る。
この子どもの身体を入れてすっぽりと隠せるほどの大きさ。それにここなら見つからないだろう。気絶しているだけならば意識が戻れば自力で出て行けるだろうし。
そう思いその子をそっと籠の中に下ろして、上から軽く蓋をしその姿を隠した。
……すまない。
声には出さず心の中でそう呟くと、すぐに立ち上がり踵を返す。そして漂う血の匂いを追って駆け出した。
ヴァンパイアは鼻が良く、特に血の匂いに関しては敏感だ。こんな能力、あったところで何の役にも立たないと思っていたが……、まさかこんなところで役に立つとはな……。
辺りは血の匂いが充満していて、妾でもおかしくなりそうだ。
……無事でいてくれ。
不安はなくなるどころか増すばかり。だが、今はそれだけを願い彼の元に急ぐほかなかった。
寄りにもよって何故あの村に……っ!甘かった。もっとしっかり監視していなかった妾の責任だ……。とにかく急いで向かわないとあいつが……!!
事は数時間前に遡る――。
獣すら寄り付かない深い森の中。そこには広大な敷地を誇る城が天に向かいそびえ立っている。周りからその姿を隠すかのように樹木が立ち並び、外から来たものを阻んでいるかのような不気味な雰囲気の城。
その城に妾は住んでいた。
城の一室――。
広い部屋だが、天井まで届きそうな大きな本棚が壁に沿って並べられているため、その分の圧迫感が感じられる。
そんな部屋の一番奥。そこには机と椅子だけが置かれ、その机の上には朝届けられたばかりの新しい書類が山積みに置かれていた。
そして今まさに妾はその書類に目を通し、署名をしている真っ最中だった。
忙しいこの光景ももう見慣れたものだ。妾にとっては普段と何ら変わらない一日と同じで、変わらない日々、変わらない平和な日常なのだ。
だが平和は長くは続かない。時に現実は残酷だと言う事を改めて思い知らされる事になる。
「失礼いたしますっ、姫様っ!緊急事態です!」
いつもならノックをして入ってくる礼儀正しい部下が、慌てた様子で妾の部屋へと入ってくると慌てて声を上げた。
これが事の始まりだった。
「何事だ」
慌てる部下に対して妾は冷静に答え、それに部下は蒼褪めたような顔で先を話した。
「……捕えていたヴァンパイアが逃げ出しました!」
それを聞いて部下の表情に納得がいく。
城には地下牢があり、そこには凶悪なヴァンパイア達が収容され、同じヴァンパイアである看守が収容者を逃がさないよう厳重に監視の目を光らせている。看守は妾が自ら選び、任命した者達。その看守は妾に忠実であり、実力ともに優秀なヴァンパイア達だ。
その優秀な看守の目を盗み収容者は逃走した。それはどういった理由が在れ、看守の失態になり罰を与えなければならなくなる。
つまり部下は失態を晒してしまった屈辱と、妾からの罰に恐怖を抱き蒼褪めた表情をしているわけだ。
蒼褪める部下にそれでも妾は問いかける。
「地下牢の奴らか。数は?」
「……三人です」
……三人。捕えていたヴァンパイアが逃げ出してしまった。何と言う事だ……。
地下牢にいるヴァンパイア達が捕らえられている理由は様々だが、その多くは力の暴走によるものだ。
ヴァンパイアという生物はこの世界において、力だけを見れば頂点に君臨する存在。千年、二千年と、とても長い時間を生きることが出来、不老不死とも呼ばれる事もある。
人間とは反対に闇を生きる存在。とは言っても見た目は人間と何ら変わりはなく、そのため人間の中で隠れて暮らす連中もいるのだ。
人間と同じ食事も取ることが出来、不自由はないように見える我々だが、必要不可欠なものが一つだけある。
それは人間の血だ。これはヴァンパイアであれば誰もが欲するもの。
ヴァンパイアの世界にも位階と言うものがあり、その位階や強さによっても変わってくるが、妾の場合は渇きに慣れているため数か月に一度、数滴摂取することが出来れば血液は十分足りる。が、それに比べて下位のヴァンパイアは数日、或いは毎日でも血液を摂取しなければ乾いて正常な状態でいられない者もいる。
この血液摂取により力を更に高めることが出来るのもヴァンパイアの特徴の一つ。
しかし、人間の血液はヴァンパイアにとって好物であり、それと同時に弱点でもある。
摂取すれば力が手に入るが、摂取しなければただの化け物と成り果てる。
初めの内は吸血衝動と呼ばれる軽いものから始まり、そこから更に悪化していくと徐々に理性が無くなっていき、最終的には血を求めるだけの化け物と化す。
そうなってしまってはもう救いはない。ヴァンパイアであろうが人間であろうが無差別に殺し、血を貪る事しか考えられなくなるのだ。
だがそれは一部のヴァンパイアを除いて、の事だがな。
とにかく脱走した三人はそんな連中だった。
「そいつらはロストだな?」
「……はい」
「よりにもよって、か……」
血液を摂取せず、最終的に化け物となった者。それを我らは堕ちた者――ロストと呼んでいる。
そんな連中が三人も逃げたとなれば事は一刻を争う。
「そいつらが逃げた方向は分かるか?」
「はいっ」
それが分かれば幸いと思い問うと、部下は部屋の壁に貼られた地図を見て指を指した。
「この方角へ向かったと見張りが言っていました。恐らく目的はこの村かと、思われます……」
「……ここはっ」
恐らくと言って部下が指し示したその先には、妾も一度訪れた事のある、あの小さな村があった。
「今からこの村へ妾は向かう。お前は他の看守と後から来い。いいな!」
それだけ命令すると返事も聞かずに早々と城を飛び出した。背後からは焦った部下の声がしていたが、正直今はそれどころではなかった。冷静ではいられなかった。
あの村は……、あの場所だけはっ……!
焦る気持ちをどうにかして抑え込む。
この城から一番近く、そしてそれなりの人間が住んでいる村。ロストにとって、こう言っては何だが餌が大量に転がっているようなものだ。しかも理性がなく、本能で行動しているとなれば……。
最悪な光景が脳裏に浮かびそれを振り払うように頭を振る。
……今はただ、村に向かう事だけを考えよう。そう思いなおして先を急いだのだった。
「…………」
村に着くなり、目に入ったその光景に唖然とする。
目の前には村人の死体、それから飛び散った血。
そして今にも子どもの首に噛みつこうとしているロストの男。そいつは妾の姿など目に入らないのか気にすることもなく、ただ血を飲むことしか頭にないようだ。その隙を見逃さずにすぐさま跳躍した妾は、男の首目掛けて思い切り足を振るう。
手加減が一切ない蹴りは、受け身を取らなかった男の首を綺麗に切り飛ばした。
治癒が優れているヴァンパイアであろうと、首を飛ばされれば終わりだ。それが分かっていれば狙うのは首だ。
力をなくした男の身体はゆっくりと崩れていく。男に近づいた妾は、素早くその手から子どもを掠め取るともう一度跳躍し距離を取る。
……良かった、生きている。
すぐに抱いている子どもの顔を見て生きているか確認するが、顔は青白いが息もあり、どうやら気絶しているだけのようだった。
それを見て一度は安堵したものの、このままここに置いていくわけにもいかず、かといって連れて行けば足手まといになるため連れて行くことは出来ずに妾は困惑した。
どこか安全な場所はないかと、荒れ果ててしまった辺りの店を見回した。すると店の前に良さそうな籠が転がっているのが目に入る。
この子どもの身体を入れてすっぽりと隠せるほどの大きさ。それにここなら見つからないだろう。気絶しているだけならば意識が戻れば自力で出て行けるだろうし。
そう思いその子をそっと籠の中に下ろして、上から軽く蓋をしその姿を隠した。
……すまない。
声には出さず心の中でそう呟くと、すぐに立ち上がり踵を返す。そして漂う血の匂いを追って駆け出した。
ヴァンパイアは鼻が良く、特に血の匂いに関しては敏感だ。こんな能力、あったところで何の役にも立たないと思っていたが……、まさかこんなところで役に立つとはな……。
辺りは血の匂いが充満していて、妾でもおかしくなりそうだ。
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