41 / 227
第3章 魔法の世界
8 紅の姫
しおりを挟む
唖然として見ていると少女が岩の上から飛び降りて私達の目の前に降り立った。
動作がやけに軽やかで背中に羽でも生えているのかと思うくらい。
そうそう魔法で飛ぶこと自体は出来ない事も無い。でもこの魔法はとにかくコントロールが難しい。だから好き好んで使う人はいない。空中で制御できなくなったら落ちちゃいますからね……。
あ、でもそれはあくまで人の場合で、ウルなどの精霊はまた話が別みたい。
ずっと飛んでいられるみたいだからちょっと羨ましい……。
そのウルは赤髪の少女を凝視。驚いているけど、どこか嬉しそうにも見える。知り合いってこと?
それに直感でしかないけどあの子、人間?
う~ん。考えてもわかんないけど、彼女は何者なんだろう。
「久しいな、ウルティナ」
唐突に声をかけられて、その言葉に私はウルを見上げた。
「本当に久しぶりね。まさかこんな所で会うなんてね」
おお!本当に知り合いのようね。
「ここは妾の庭も同然だ。妾がいてもおかしくはない。むしろお前がいる方が驚く」
「そう言われればそうね」
状況判断が出来ないまま二人の会話は続いていくけど分かったこともある。
赤髪の少女はウルを知っていて、口振りからも随分親しいようだし、それにさっきウルにお前って言っていたし、なんか凄いな。
いくら幼い容姿をしていると言っても精霊だからね、ウルは。それと自分のことを妾って言っていたよね。
位の高い人ってことなのかな?今までそんな言い方聞いたことないし、小説でしかないかもしれない。
「あ、そうだわ。紹介するわね、私のお友達のエルちゃんよ」
「えっ、あ、えっと…、エルシア・シェフィールドと言います」
ウルが急に顔を輝かせたかと思ったら突然話を振られて慌てる私。
「そうか」
そう言って赤髪の少女は今度は私を凝視してきた。それに私はぱちくりさせながら見返す。
暫くすると視線をそらして一人呟いた。
「……似ているな」
「そうでしょうね」
意味が分からず何も言えない私に代わってウルが答える。
「だから一緒にいるのか?」
「……どうかしら。自分でもよく分からないわ」
「そうか」
どこか遠い昔を思い返して惜しんでいるみたい。そんな二人の間に入れなくてどうしようかと戸惑っていると、
「ああ、そう言えば怪我はないか?」
思い出したように少女が私に声をかける。
「あ、はい。助けていただきありがとうございました」
私がそう言うとほっとした表情を見せた。
「ならば良かった」
「あの……」
名前も聞いていないからなんて呼べばわからなくて言葉に詰まっていると、それを察したようで少女があとを続ける。
「すまない、まだ名乗っていなかったな。妾は――」
「姫様!!こんなところにいたのですかっ!探しましたよ」
まるでタイミングを見計らったかのように少女の言葉を遮る声。その人物は酷く慌てた様子でこちらに駆け寄って来る。
少女が振り返って声の主を見たから私も同じように視線を移してみる。
視線の先には慌ててこちらに歩みよってくる一人の少年の姿があった。年はルカと同じくらいか少し年上くらいかな?髪は緑色で瞳は赤色。何となくそれだけで兄弟かと思ってしまう。
さっきの会話からそれは無いなと思うけど、姫様って何……?
「遅いぞクラウスっ!」
「申し訳ございません」
「足止めでもくらったのか?」
「はい。少々手間取りました」
私たちの目の前で何やら物騒なこと?を話している二人。
「あの……、御二人は一体……」
すっかり二人の世界に入ってしまった二人に恐る恐る話しかけると、それに気づいてクラウスさんが咳ばらいを一つしてこちらに向き直った。
「申し訳ありません。このようなところをお嬢さんに見られてしまうとは。失礼しました。私はクラウスと申します」
謝罪と自己紹介をしながら優雅にお辞儀をして、それから隣にいる少女を見て紹介するように、
「そしてこちらは我がアインフェルト王国を統治しておられる、ルリアーナ様でございます」
ニッコリと優しく微笑むクラウスさん。唖然とする私。
「それからウルティナ様も、お久しぶりでございます」
「ええ、久しぶり。クラウスちゃんも元気そうでなによりだわ」
少女からウルへ視線が移ったかと思ったら、さっきと同じような会話が繰り返される。
少女だけでなく少年とも知り合いのようで、久しぶりに会えた友達との再会をお互い嬉しそうにしていた。
少女と青年、そしてウルをただただ見返すばかりの私。でもさっきの言葉を思い返して、一歩遅れての一言、
「じょ、女王様……?」
一歩遅れてようやく出た一言がそれだった。驚くことばかり次々と起こって状況を理解するのに時間がかかった。
三人が知り合いってことにも驚いているけど、それよりも目の前の少女が王国を統治している人物で、所謂女王様ってことなわけで。
色々想定外すぎて何から言葉にすればいいのやら。だってまさかだもの。まさか女王様がこんなところにいるなんて思いませんよ。
そしてウルとはどう言った関係なのかも気になるし、会話も気になる。
私が誰かに似ている……?
「ルリアーナ・リーリス・アインフェルト。これが妾の名前だ」
改めて名乗りをあげる少女ーールリアーナ様。そこでようやく気づく。なるほど。
王家の方だったから何となく知ってるような、感じたことがあるような雰囲気があったのかと。
そう言えば私は自国の王子様と友人でした。王家独特の威厳を放つオーラ?そう言うの考えてみれば殿下にもあったかも。
と言うか私ってどうしてこうも王族の方々と関りを持ってしまうのでしょうか……。
「エルシアと言ったな。お前の着ているその服はエスワール魔法学院のものだな?」
「は、はい。御存じなのですか?」
「まあそれくらいは知っているさ。それでお前はそこの生徒なのだろう?」
「はい。おっしゃる通りです」
それから私はここに来るまでの経緯を簡単に女王様に話しそれを聞いた彼女は頷くと、
「なるほど、そうだったか。ではこのままお前をここで足止めしておくわけにはいかないな。また日を改めてお前を妾の城に招待しよう。構わないか?」
思わぬ方向に展開していく話に一瞬どうしたらいいのか分からなくなって返答に困る。
「は、はい」
でも女王様からの招待はさすがに断れない。
「そうか。ああ、そこに転がっている輩は後で妾の配下の者に片付けさせる。お前は気にせず帰るんだ。ウルティナ、彼女を頼むぞ」
「ええ、任せて」
「よし、行くぞクラウス」
「はい。それではエルシア様、ウルティナ様また後日に。失礼致します」
そう言い残し二人は元来た道を戻って行ってしまった。
後に残るのは理解が追いつかずポカーンとする私と、嬉しそうな表情のウルと、さっき倒して拘束魔法で拘束され、床に倒れている男達だけ。
暫くしてようやく落ち着いてきて、仕方がないから私達も宿へと戻って行った。
この時は混乱してて忘れては行けないことをすっかり忘れていて、そのことに気づいたのは宿へ帰ってからの話。
そして宿へ戻り、一人で行ったことをユキに怒られるのも少し後の話……。
動作がやけに軽やかで背中に羽でも生えているのかと思うくらい。
そうそう魔法で飛ぶこと自体は出来ない事も無い。でもこの魔法はとにかくコントロールが難しい。だから好き好んで使う人はいない。空中で制御できなくなったら落ちちゃいますからね……。
あ、でもそれはあくまで人の場合で、ウルなどの精霊はまた話が別みたい。
ずっと飛んでいられるみたいだからちょっと羨ましい……。
そのウルは赤髪の少女を凝視。驚いているけど、どこか嬉しそうにも見える。知り合いってこと?
それに直感でしかないけどあの子、人間?
う~ん。考えてもわかんないけど、彼女は何者なんだろう。
「久しいな、ウルティナ」
唐突に声をかけられて、その言葉に私はウルを見上げた。
「本当に久しぶりね。まさかこんな所で会うなんてね」
おお!本当に知り合いのようね。
「ここは妾の庭も同然だ。妾がいてもおかしくはない。むしろお前がいる方が驚く」
「そう言われればそうね」
状況判断が出来ないまま二人の会話は続いていくけど分かったこともある。
赤髪の少女はウルを知っていて、口振りからも随分親しいようだし、それにさっきウルにお前って言っていたし、なんか凄いな。
いくら幼い容姿をしていると言っても精霊だからね、ウルは。それと自分のことを妾って言っていたよね。
位の高い人ってことなのかな?今までそんな言い方聞いたことないし、小説でしかないかもしれない。
「あ、そうだわ。紹介するわね、私のお友達のエルちゃんよ」
「えっ、あ、えっと…、エルシア・シェフィールドと言います」
ウルが急に顔を輝かせたかと思ったら突然話を振られて慌てる私。
「そうか」
そう言って赤髪の少女は今度は私を凝視してきた。それに私はぱちくりさせながら見返す。
暫くすると視線をそらして一人呟いた。
「……似ているな」
「そうでしょうね」
意味が分からず何も言えない私に代わってウルが答える。
「だから一緒にいるのか?」
「……どうかしら。自分でもよく分からないわ」
「そうか」
どこか遠い昔を思い返して惜しんでいるみたい。そんな二人の間に入れなくてどうしようかと戸惑っていると、
「ああ、そう言えば怪我はないか?」
思い出したように少女が私に声をかける。
「あ、はい。助けていただきありがとうございました」
私がそう言うとほっとした表情を見せた。
「ならば良かった」
「あの……」
名前も聞いていないからなんて呼べばわからなくて言葉に詰まっていると、それを察したようで少女があとを続ける。
「すまない、まだ名乗っていなかったな。妾は――」
「姫様!!こんなところにいたのですかっ!探しましたよ」
まるでタイミングを見計らったかのように少女の言葉を遮る声。その人物は酷く慌てた様子でこちらに駆け寄って来る。
少女が振り返って声の主を見たから私も同じように視線を移してみる。
視線の先には慌ててこちらに歩みよってくる一人の少年の姿があった。年はルカと同じくらいか少し年上くらいかな?髪は緑色で瞳は赤色。何となくそれだけで兄弟かと思ってしまう。
さっきの会話からそれは無いなと思うけど、姫様って何……?
「遅いぞクラウスっ!」
「申し訳ございません」
「足止めでもくらったのか?」
「はい。少々手間取りました」
私たちの目の前で何やら物騒なこと?を話している二人。
「あの……、御二人は一体……」
すっかり二人の世界に入ってしまった二人に恐る恐る話しかけると、それに気づいてクラウスさんが咳ばらいを一つしてこちらに向き直った。
「申し訳ありません。このようなところをお嬢さんに見られてしまうとは。失礼しました。私はクラウスと申します」
謝罪と自己紹介をしながら優雅にお辞儀をして、それから隣にいる少女を見て紹介するように、
「そしてこちらは我がアインフェルト王国を統治しておられる、ルリアーナ様でございます」
ニッコリと優しく微笑むクラウスさん。唖然とする私。
「それからウルティナ様も、お久しぶりでございます」
「ええ、久しぶり。クラウスちゃんも元気そうでなによりだわ」
少女からウルへ視線が移ったかと思ったら、さっきと同じような会話が繰り返される。
少女だけでなく少年とも知り合いのようで、久しぶりに会えた友達との再会をお互い嬉しそうにしていた。
少女と青年、そしてウルをただただ見返すばかりの私。でもさっきの言葉を思い返して、一歩遅れての一言、
「じょ、女王様……?」
一歩遅れてようやく出た一言がそれだった。驚くことばかり次々と起こって状況を理解するのに時間がかかった。
三人が知り合いってことにも驚いているけど、それよりも目の前の少女が王国を統治している人物で、所謂女王様ってことなわけで。
色々想定外すぎて何から言葉にすればいいのやら。だってまさかだもの。まさか女王様がこんなところにいるなんて思いませんよ。
そしてウルとはどう言った関係なのかも気になるし、会話も気になる。
私が誰かに似ている……?
「ルリアーナ・リーリス・アインフェルト。これが妾の名前だ」
改めて名乗りをあげる少女ーールリアーナ様。そこでようやく気づく。なるほど。
王家の方だったから何となく知ってるような、感じたことがあるような雰囲気があったのかと。
そう言えば私は自国の王子様と友人でした。王家独特の威厳を放つオーラ?そう言うの考えてみれば殿下にもあったかも。
と言うか私ってどうしてこうも王族の方々と関りを持ってしまうのでしょうか……。
「エルシアと言ったな。お前の着ているその服はエスワール魔法学院のものだな?」
「は、はい。御存じなのですか?」
「まあそれくらいは知っているさ。それでお前はそこの生徒なのだろう?」
「はい。おっしゃる通りです」
それから私はここに来るまでの経緯を簡単に女王様に話しそれを聞いた彼女は頷くと、
「なるほど、そうだったか。ではこのままお前をここで足止めしておくわけにはいかないな。また日を改めてお前を妾の城に招待しよう。構わないか?」
思わぬ方向に展開していく話に一瞬どうしたらいいのか分からなくなって返答に困る。
「は、はい」
でも女王様からの招待はさすがに断れない。
「そうか。ああ、そこに転がっている輩は後で妾の配下の者に片付けさせる。お前は気にせず帰るんだ。ウルティナ、彼女を頼むぞ」
「ええ、任せて」
「よし、行くぞクラウス」
「はい。それではエルシア様、ウルティナ様また後日に。失礼致します」
そう言い残し二人は元来た道を戻って行ってしまった。
後に残るのは理解が追いつかずポカーンとする私と、嬉しそうな表情のウルと、さっき倒して拘束魔法で拘束され、床に倒れている男達だけ。
暫くしてようやく落ち着いてきて、仕方がないから私達も宿へと戻って行った。
この時は混乱してて忘れては行けないことをすっかり忘れていて、そのことに気づいたのは宿へ帰ってからの話。
そして宿へ戻り、一人で行ったことをユキに怒られるのも少し後の話……。
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。

隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。

異世界で温泉はじめました 〜聖女召喚に巻き込まれたので作ってみたら魔物に大人気です!〜
冬野月子
恋愛
アルバイトの帰り道。ヒナノは魔王を倒す聖女だという後輩リンの召喚に巻き込まれた。
帰る術がないため仕方なく異世界で暮らし始めたヒナノは食事係として魔物討伐に同行することになる。そこで魔物の襲撃に遭い崖から落ち大怪我を負うが、自分が魔法を使えることを知った。
山の中を彷徨ううちに源泉を見つけたヒナノは魔法を駆使して大好きな温泉を作る。その温泉は魔法の効果か、魔物の傷も治せるのだ。
助けたことがきっかけで出会った半魔の青年エーリックと暮らしながら、魔物たちを癒す平穏な日々を過ごしていたある日、温泉に勇者たちが現れた。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています

私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

薬屋の少女と迷子の精霊〜私にだけ見える精霊は最強のパートナーです〜
蒼井美紗
ファンタジー
孤児院で代わり映えのない毎日を過ごしていたレイラの下に、突如飛び込んできたのが精霊であるフェリスだった。人間は精霊を見ることも話すこともできないのに、レイラには何故かフェリスのことが見え、二人はすぐに意気投合して仲良くなる。
レイラが働く薬屋の店主、ヴァレリアにもフェリスのことは秘密にしていたが、レイラの危機にフェリスが力を行使したことでその存在がバレてしまい……
精霊が見えるという特殊能力を持った少女と、そんなレイラのことが大好きなちょっと訳あり迷子の精霊が送る、薬屋での異世界お仕事ファンタジーです。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる