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進学先を間違えた話

1.進学に失敗したと思った件

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 まずは私の後悔について触れておきます。
 完全に進学先を間違えて、辞めるに辞められなかった地獄の思い出。

 って、何で進学を選んだかって?
 そりゃ、クソを煮詰めたゴミの様な中学校(公立)を目の当たりにしたんで、ちょっと心理学の世界に興味を持ちましてね……私立の大学に臨床心理学科があったので、其処に行ってしまったんですよ。

 大失敗でした。

 まぁ、元々進学前提の普通科高校(公立)に進んで、周りのレベルが低すぎると勉強以前の問題だからと無理して、主に公立狙いの文系進学クラスに進みました。そうすると、大学受験は当たり前の流れでしたし、ド底辺でも理系と並んだ優秀クラス卒が名乗れました。
 ただ、行った先の大学はミッション系でこそなかったものの福祉系なので、選挙権を貰うと同時に政治思想が右に振り切った私にとっては地獄でした。
 ほら、往々にして優しい世界を作るのは革新派のお仕事でしょ……でも、だからと言って母国をdisる様な講義にはうんざりしましたし、日本神話を曲げて自分の所属する福祉団体をageたどっかの理事長には反吐が出る思いでしたし、医療と福祉こそ尊ぶべきとして凝り固まった思考をお持ちの偉い先生のご発言にも反吐が出る思いをしたというか、呆れかえって途中退席してやりたかったレベルでした……いや、ホント二年生の後半にはマジで酷い目に遭いました。

 そりゃ体壊すわ。

 加えて、進路には臨床心理の専門職を考えていたものの、学費の問題以上に、倫理要綱の解説を聞いてなんじゃこりゃと思ったのがトドメでした。
 二十歳の小娘がおかしいだろうって思う様な倫理要綱で、崇高な職業だと言われても、そんなの無理だし意味分かんないし。
 唯一分かったのはカウンセラーと呼ばれる人間は、結局のところその倫理に縛られて、上手い事立ち回れなければ保身に走ってしまうんだろうなという絶望だけでした。
 勿論、それを乗り越えた優秀な臨床家が社会の縁の下を支えているのですが……当たり外れが凄まじいのも無理はないと思ったのです。
 この時に学校なんて辞めりゃよかったんですが、初孫の方に愛着が強く折り合いの良いとは言えない父方の祖母が保証人になっていて、振袖代を入学金として貰ったという事もあり、退学にあたっての署名捺印など貰えるはずも無く、私のメンタルは壮絶な闇に吸い込まれていく事になったのです……。
 
 ただ、それでも心理学の実験は楽しかったですし、模擬論文みたいな感じのレポートもしっかり書いていました。統計学も簡単な統計ながら、文系で過ごしてきた私にはとても新鮮な物でした。
 そう、私にとって唯一楽しかった統計と実験の授業の経験が、何もかもを超越した卒論執筆に役立つ事になったのです。
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