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第四章 ゲームなら、絶対悪質チーターです
70.ミハミズモスの鐘楼:失敗した狩り
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一行が魔獣の巣食っているとされる鐘楼に近づくと、一本の木に見慣れない猛禽類が止まっていた。
「見た事の無い鳥……魔獣ね」
「そのようだな」
アナスタシアはメテオーロの返答を受け、銃を取り出した。
「おい」
メテオーロが制止しようとした時、アナスタシアは既に引き金を引いていた。
乾いた空気に弾け飛ぶ様な発砲音が吸い込まれてゆく。それと同時に、その発砲音に驚いた仲間の猛禽類が一斉にと敏達。
「この馬鹿者めが!」
少し離れた場所で魔獣を捜索していたイロハはアナスタシアに罵声を浴びせながら、可能な限り広い範囲に小さな雷を張り巡らせる。
「落ちたものを屠れ!」
言いながら、離れた場所に居たトーマは狼に跨り、ジーナの足では間に合わない範囲まで走る。
「取り逃がした個体が居る……」
イロハは歯噛みする様に呟き、アナスタシアへと歩み寄る。
「音を立てれば鳥は逃げる、どうしてそんな簡単な事が分からないの?」
「はぁ? 仲間が居るなんて分らなかったのよ! 見えていたのはあの一羽だけ!」
「その割に、撃たれて落ちた鳥なんていないけど」
アナスタシアの狙いは外れ、弾丸は木の枝にぶつかっている。
「その撃ち損じた弾丸は痕跡になる……このギルドは非公認だと聞いたわ。そのギルドが勝手に鉄砲を撃ったとなれば、どうなる? 少しは弁えるべきよ」
「ちょっと、ギルドの正式な従業員でもないあなたに、どうしてそこまで言われる筋合いが有るのかしら。あくまでも私はこのギルドの正式な従業員であり、このギルドの仕事で生計を立てているわ。私の判断に不満があるというなら、今すぐ出て行ってちょうだい、さあ、早く!」
「やめろ」
「このギルドがお気に召さないというのなら出て行ってもらうのが筋でしょう? メテオーロ、あなたはこのギルドの頭領でしょう? 判断に従えない人間を同行させるなんて非合理な判断をしてはいけないわ! 私達には私達のやり方が有る、そうでしょう?」
メテオーロの制止を無視したアナスタシアは言ってオルドを見遣るが、オルドは困惑した表情を浮かべるばかりで答えない。
「アナスタシア」
「私達は命をかけてこの仕事をしていて、私達には私達の規律が有るわ。それが守れないなら、今すぐここから出て行って!」
「いい加減になさい!」
メテオーロの制止を聴かないアナスタシアに、吸血鬼の男は声を荒らげた。
「今の行いは明らかにあなたの誤りです。確かにイロハさんは部外者ですが、間違った事は言っていませんよ」
「アナスタシア。彼の言うとおり、お前さんは早とちりをし過ぎた。それに……そうやって俺達のやり方だと間違いを無理に通そうとするのは、そこら辺の破落戸上がりの成り上がり退治屋と対して変わらん」
メテオーロの破落戸という言葉に、アナスタシアはあからさまな不快感を表情に浮かべる。
「……アナスタシア、あんたは、狩りの基本を知らないんだな」
とどめを刺した一羽の怪鳥を手にしたジーナが言う。
「あんたは狩りをした事が無い、そうだろう? だから、獲物が捕らえられない。だったら今から覚えろ、あたしらはこれから、向こうばかりよく見えるこの平地と、石で出来たでっかい物見やぐらの様な場所で狩りをするんだ。下手を打てば食われる、それが嫌なら、正しい狩りをしなきゃならない」
アナスタシアの常識では考えられない様な原生林で実際の生活をしてきたジーナの言葉に、アナスタシアは押し黙る。
「そういう事だよ。何も武器は鉄砲だけじゃないんだ、少し考えてくれ」
メテオーロは溜息交じりに呟き、堕ちた怪鳥の回収に走ったトーマが帰るのを待った。
「見た事の無い鳥……魔獣ね」
「そのようだな」
アナスタシアはメテオーロの返答を受け、銃を取り出した。
「おい」
メテオーロが制止しようとした時、アナスタシアは既に引き金を引いていた。
乾いた空気に弾け飛ぶ様な発砲音が吸い込まれてゆく。それと同時に、その発砲音に驚いた仲間の猛禽類が一斉にと敏達。
「この馬鹿者めが!」
少し離れた場所で魔獣を捜索していたイロハはアナスタシアに罵声を浴びせながら、可能な限り広い範囲に小さな雷を張り巡らせる。
「落ちたものを屠れ!」
言いながら、離れた場所に居たトーマは狼に跨り、ジーナの足では間に合わない範囲まで走る。
「取り逃がした個体が居る……」
イロハは歯噛みする様に呟き、アナスタシアへと歩み寄る。
「音を立てれば鳥は逃げる、どうしてそんな簡単な事が分からないの?」
「はぁ? 仲間が居るなんて分らなかったのよ! 見えていたのはあの一羽だけ!」
「その割に、撃たれて落ちた鳥なんていないけど」
アナスタシアの狙いは外れ、弾丸は木の枝にぶつかっている。
「その撃ち損じた弾丸は痕跡になる……このギルドは非公認だと聞いたわ。そのギルドが勝手に鉄砲を撃ったとなれば、どうなる? 少しは弁えるべきよ」
「ちょっと、ギルドの正式な従業員でもないあなたに、どうしてそこまで言われる筋合いが有るのかしら。あくまでも私はこのギルドの正式な従業員であり、このギルドの仕事で生計を立てているわ。私の判断に不満があるというなら、今すぐ出て行ってちょうだい、さあ、早く!」
「やめろ」
「このギルドがお気に召さないというのなら出て行ってもらうのが筋でしょう? メテオーロ、あなたはこのギルドの頭領でしょう? 判断に従えない人間を同行させるなんて非合理な判断をしてはいけないわ! 私達には私達のやり方が有る、そうでしょう?」
メテオーロの制止を無視したアナスタシアは言ってオルドを見遣るが、オルドは困惑した表情を浮かべるばかりで答えない。
「アナスタシア」
「私達は命をかけてこの仕事をしていて、私達には私達の規律が有るわ。それが守れないなら、今すぐここから出て行って!」
「いい加減になさい!」
メテオーロの制止を聴かないアナスタシアに、吸血鬼の男は声を荒らげた。
「今の行いは明らかにあなたの誤りです。確かにイロハさんは部外者ですが、間違った事は言っていませんよ」
「アナスタシア。彼の言うとおり、お前さんは早とちりをし過ぎた。それに……そうやって俺達のやり方だと間違いを無理に通そうとするのは、そこら辺の破落戸上がりの成り上がり退治屋と対して変わらん」
メテオーロの破落戸という言葉に、アナスタシアはあからさまな不快感を表情に浮かべる。
「……アナスタシア、あんたは、狩りの基本を知らないんだな」
とどめを刺した一羽の怪鳥を手にしたジーナが言う。
「あんたは狩りをした事が無い、そうだろう? だから、獲物が捕らえられない。だったら今から覚えろ、あたしらはこれから、向こうばかりよく見えるこの平地と、石で出来たでっかい物見やぐらの様な場所で狩りをするんだ。下手を打てば食われる、それが嫌なら、正しい狩りをしなきゃならない」
アナスタシアの常識では考えられない様な原生林で実際の生活をしてきたジーナの言葉に、アナスタシアは押し黙る。
「そういう事だよ。何も武器は鉄砲だけじゃないんだ、少し考えてくれ」
メテオーロは溜息交じりに呟き、堕ちた怪鳥の回収に走ったトーマが帰るのを待った。
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