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血の解放
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ニコラスが二人を呼んだのは、気になることについて意見を聞きたかったからだ。
ようやく本題に入れると、数日前の出来事について話した。何をしていたかは伏せた上でだが。
ジュリアと一緒にいる時、血が騒ぐ感じがしたと同時に彼女を人目に触れない場所に閉じ込めたくなったと言うと、二人は分かりやすく引いている。
「お前、クリスよりヤバくないか?」
「僕はそれ程でもありませんよ」
カーティス侯爵はキャロル夫人のためなら、誰であろうと躊躇なく手にかけてしまえる男だ。人ごとのように言うミルズ公爵も、実は似たようなものだが。
そんな彼らに引かれる程なのかと、ニコラスは改めて自分の危険性を認識した。
「その時、ジュリアが俺を全面的に受け入れるようなことを言ったら、それが治まった」
「不思議ですねえ」
「それ以前にも何かあったか?」
呑気に聞いているカーティス侯と違い、考え込んでいたミルズ公が質問する。
「あった」
「いつ頃だ? 何をしていた時か知りたい」
そう言われてニコラスの眉が寄る。出来れば言いたくない。だが悪友が無意味な質問をするとも思えないので、最低限の話をすることにした。
「初めてジュリアを抱いた時」
「待った! お前の艶話は聞きたくない」
「違う! 誰が可愛い妻のそんな話をするか!! お前が何をしていたか訊いたんだろうが!!!」
頼まれても詳しい話なんてしない。
「それもそうだな。で? 話を戻すが、何があった?」
「身体中の血が沸騰するような感じがした後、急に意識が変わった感覚が」
それ以前にも、血が煮え滾り身体が熱くなることは何度かあった。戦場などで敵に囲まれた時がそうだ。でもその時は不快なだけだったのに、あの時は気分が良かった。
それに意識が変わっただけではない。その後からジュリアに触れると、何かが彼女に渡されているように感じる時がある。
それは身体を重ねる時だけではなく頭を撫でる程度でも起こり、その度に心が落ち着く。愛する者に触れる喜びだけではなく、こうしていれば彼女は大丈夫だと思える何かを感じるのだ。
そして数日前の出来事の後は、それが更に強くなった。
「血が何かしたんだろうな、多分」
初代ワイルド辺境伯夫人がグリフォンだったというのは、ワイルド家以外ではごく一部の高位貴族家だけが知る話だ。
彼女が人化した時に初代が惚れ込んで娶ったと伝えられているが、真偽の程は分からない。
「お前は夜目も鼻も利くからそれっぽくないよな」
「神獣だぞ。頭部が鷲の姿だからと言って、性能もそれと同じとは限らないだろう」
そう言いながらも、ニコラス本人も自信がない。文献が殆ど残っていないのだから。
「ニック殿はまだ空も飛べませんね」
「一体いつになったら翼が生えるんだろうな」
呑気な二人だが、話の方向性が明らかにおかしい。
「おい待て。先祖はどうであれ、俺自身は人間だってこと忘れてないか?」
「その身体能力では同じ人間とは思えない。体力もな。羨ましい限りだ」
不惑をすぎた今でも無尽蔵な体力のニコラスを見て溜め息をつくミルズ公は、年々衰えを感じている最中だ。
「マイク殿もお元気そうですが」
「若い頃と違って無理が利かない。三徹なんてしたら、しばらく使いものにならないぞ」
「そこまでか? 俺は十徹でも平気だけどな」
若かりし頃は平然と寝ずに働いていた悪友の発言に驚くニコラスだが、そもそも彼の基準がおかし過ぎる。
「それは若者でも無理なんですよ。夫人に無理させないで下さいね。彼女が倒れたら、キャロルがどうなることか」
「ここ数年、誰がジュリアの健康管理をしていたと思ってるんだ? ちゃんと寝かせて」
「よし分かった、みなまで言うな」
具体的な艶事の内容について話すとは思えないが、少しでもそれに関係しそうな話は避けておきたい。精神的な負担を避けるためにも。
腐れ縁の悪友の閨事情など知りたくもない。おまけにその夫人のことも、彼女が子供の頃から知っているのだから。
「結局のところお前の変化はいまいち分からんが、グリフォンは宝などを守る存在だ。それが影響している可能性はある」
ミルズ公が言うには、ジュリアを守りたいという願いが更に強くなった結果、暴走しかけていたのではないかということらしい。
だがジュリア自身が全てをニコラスに委ねる意思を見せた。そのおかげで落ち着いたと考えられるとのことだ。
「そもそも彼女が絡んだ時のお前は以前からおかしかった」
「それは言えてますね」
「俺のどこがおかしい」
納得していないニコラスだが、子連れの猛獣とミルズ公が表現した通り、彼はジュリアを守るためなら手段を問わない。
過去には王を脅しつけ、王弟を手にかけようとしたことすらある。
「夫人との縁談だって、初めて見舞いに行った後は態度が変わっていただろう」
元々は押し付けられた縁談だ。断ろうとしたものの、そうするとまだ幼い少女が悲惨な末路をたどる。それを阻止するために仕方なく受けただけだ。
ところが縁談が纏まってすぐに彼女を見舞った後からは、積極的に守ろうとしていた。
「お前だって何が何でも助けろって言ってただろうが」
ニコラスとの縁談への恐怖により高熱に魘される少女を見て、必ず救い出そうと決めた。話を聞いただけのミルズ公も怒りを覚える程に、ジュリアは怯えていたのだから。
「昔からお前は誰かを守るために動くことが多かった。それが辺境伯家の嫡男、又は当主としての生き様だと思っていたが」
「血が働きかけていた可能性もあるのですね」
そんなニコラスが元から守るべき対象として保護していたジュリアを、ただ一人の伴侶と決めた。それが齎した作用が、閉じ込めたいという願望につながったと考えれば一応は辻褄が合う。
「他に変わったことはないか? 以前とは違うことが出来るようになったとか」
「ない。元々、大したことが出来る訳でもないしな」
ニコラスは異常なまでの身体能力の高さと肉体年齢の若さ以外は、基本的に普通の人間と同じだ。
声を任意の範囲に届けることが出来るが、ただ届けるだけで、それが何らかの力を持つ訳でもない。
「夫人への『手当て』も以前と同じでしょうか?」
「ああ、痛みが消えるんだっけ?」
ニコラスはカーティス侯に言われるまで気にしていなかったが、今までは痛みが消えるだけだった筈の手当て。それが強化されている気がする。
閨事の最中、ジュリアはそれなりに声を張り上げているのに、喉を痛めた様子は今のところ一度もない。痛みが消えるだけでは、その効果は得られないだろう。
腰もそうだ。身体を動かす際に一切の違和感が見られないのは、そういうことだろう。何度達しても、最後まで意識はしっかり保ったままなのも不思議だ。
ただ確証はない上に、この話は口が裂けてもしたくない。これについては今後ゆっくり検証することにして、口を噤んでおいた。
「特に大きな変化はないようだな」
「今のところは、ですね」
「何かあると思うのか?」
「分かりませんが、ニック殿ならありそうです」
カーティス侯の意見に頷きながら、ミルズ公は悪友を見やる。
ニコラスが落ち着きのない様子なのは珍しい。彼は基本的には心の内を人に見せないのだから。
かつて婚約者に手酷い裏切りを受けた際も、荒れる内心を見事に押し隠し、誰にも悟らせなかった。
だからこそ悪友であるミルズ公ですら、彼が放蕩の限りを尽くしていることに気付くのが遅れた。その頃にはニコラスは既に、裏社会の者たちから遊興の顔なじみと認識されている程だったのだから、どれだけの時間が経過していたことか。
その時のミルズ公の驚愕ぶりは筆舌に尽くしがたいものがあった。それまでのニコラスは品行方正な令息だったのだから尚更だ。
驚いているうちに彼はすっかり落ち着いてしまったのだが。
「ニック殿が愛する伴侶を得た今だから言えますが、婚約解消の真相を知った時は、心底驚きましたよ」
「世間では悲恋だと思われてるからな」
相手の家にどうしてもと懇願された結果、不貞を働いた元婚約者は病を得たことにし、婚約は解消された。それで終わったのだが、後日、彼女は本当に命を落としてしまう。
すっかり悲劇の婚約者に祭り上げられたニコラスは、大人しく悲嘆に暮れるふりをしていた。内心は面倒だと思いながらも。
「よくよく考えたら、世間から見るとニック殿は闘病中の婚約者を放置して遊んでいたということに……」
「コイツは上手く隠していたから大丈夫だ」
彼の遊蕩について知っていたのは裏社会の連中だけだ。だが彼らは婚約解消の真相も知っている。何も問題はない。
そんな二人の会話を聞き流しながらも、ニコラスは嫌な感覚に見舞われていた。
誰かがジュリアに近づこうとしている。危険な意思を持つ何者かが。
この二人を迎える少し前から、それを感じていた。
侍女や護衛たちを憚り近付けないでいるその者が、何らかの手段で彼女に危害を加えかねない。何とかしなければ。
それが彼女に近付くことを許してはいけない。
彼女に何かがあれば、その者を何百回地獄に叩き落とそうと赦せるものではない。
直ちに危険を排除しよう。
「どうしたニック?! おい!!」
「これは……」
ニコラスの身体から金の光が噴き出し、その後どこかへ飛び立つ。
呆気にとられてそれを見送った二人が振り返った時、ニコラスは金に光る目を見開き、カーティス侯爵邸の方角を睨みつけていた。
~~~~~~~~~~
メガホンみたいなマークがついていて調べたら、エールを下さったと分かりました。
ありがとうございました。
ブクマや評価もそうですが、投稿した話に反応があるのは、とても嬉しく励みになります。
続き、頑張って書きますね。
ようやく本題に入れると、数日前の出来事について話した。何をしていたかは伏せた上でだが。
ジュリアと一緒にいる時、血が騒ぐ感じがしたと同時に彼女を人目に触れない場所に閉じ込めたくなったと言うと、二人は分かりやすく引いている。
「お前、クリスよりヤバくないか?」
「僕はそれ程でもありませんよ」
カーティス侯爵はキャロル夫人のためなら、誰であろうと躊躇なく手にかけてしまえる男だ。人ごとのように言うミルズ公爵も、実は似たようなものだが。
そんな彼らに引かれる程なのかと、ニコラスは改めて自分の危険性を認識した。
「その時、ジュリアが俺を全面的に受け入れるようなことを言ったら、それが治まった」
「不思議ですねえ」
「それ以前にも何かあったか?」
呑気に聞いているカーティス侯と違い、考え込んでいたミルズ公が質問する。
「あった」
「いつ頃だ? 何をしていた時か知りたい」
そう言われてニコラスの眉が寄る。出来れば言いたくない。だが悪友が無意味な質問をするとも思えないので、最低限の話をすることにした。
「初めてジュリアを抱いた時」
「待った! お前の艶話は聞きたくない」
「違う! 誰が可愛い妻のそんな話をするか!! お前が何をしていたか訊いたんだろうが!!!」
頼まれても詳しい話なんてしない。
「それもそうだな。で? 話を戻すが、何があった?」
「身体中の血が沸騰するような感じがした後、急に意識が変わった感覚が」
それ以前にも、血が煮え滾り身体が熱くなることは何度かあった。戦場などで敵に囲まれた時がそうだ。でもその時は不快なだけだったのに、あの時は気分が良かった。
それに意識が変わっただけではない。その後からジュリアに触れると、何かが彼女に渡されているように感じる時がある。
それは身体を重ねる時だけではなく頭を撫でる程度でも起こり、その度に心が落ち着く。愛する者に触れる喜びだけではなく、こうしていれば彼女は大丈夫だと思える何かを感じるのだ。
そして数日前の出来事の後は、それが更に強くなった。
「血が何かしたんだろうな、多分」
初代ワイルド辺境伯夫人がグリフォンだったというのは、ワイルド家以外ではごく一部の高位貴族家だけが知る話だ。
彼女が人化した時に初代が惚れ込んで娶ったと伝えられているが、真偽の程は分からない。
「お前は夜目も鼻も利くからそれっぽくないよな」
「神獣だぞ。頭部が鷲の姿だからと言って、性能もそれと同じとは限らないだろう」
そう言いながらも、ニコラス本人も自信がない。文献が殆ど残っていないのだから。
「ニック殿はまだ空も飛べませんね」
「一体いつになったら翼が生えるんだろうな」
呑気な二人だが、話の方向性が明らかにおかしい。
「おい待て。先祖はどうであれ、俺自身は人間だってこと忘れてないか?」
「その身体能力では同じ人間とは思えない。体力もな。羨ましい限りだ」
不惑をすぎた今でも無尽蔵な体力のニコラスを見て溜め息をつくミルズ公は、年々衰えを感じている最中だ。
「マイク殿もお元気そうですが」
「若い頃と違って無理が利かない。三徹なんてしたら、しばらく使いものにならないぞ」
「そこまでか? 俺は十徹でも平気だけどな」
若かりし頃は平然と寝ずに働いていた悪友の発言に驚くニコラスだが、そもそも彼の基準がおかし過ぎる。
「それは若者でも無理なんですよ。夫人に無理させないで下さいね。彼女が倒れたら、キャロルがどうなることか」
「ここ数年、誰がジュリアの健康管理をしていたと思ってるんだ? ちゃんと寝かせて」
「よし分かった、みなまで言うな」
具体的な艶事の内容について話すとは思えないが、少しでもそれに関係しそうな話は避けておきたい。精神的な負担を避けるためにも。
腐れ縁の悪友の閨事情など知りたくもない。おまけにその夫人のことも、彼女が子供の頃から知っているのだから。
「結局のところお前の変化はいまいち分からんが、グリフォンは宝などを守る存在だ。それが影響している可能性はある」
ミルズ公が言うには、ジュリアを守りたいという願いが更に強くなった結果、暴走しかけていたのではないかということらしい。
だがジュリア自身が全てをニコラスに委ねる意思を見せた。そのおかげで落ち着いたと考えられるとのことだ。
「そもそも彼女が絡んだ時のお前は以前からおかしかった」
「それは言えてますね」
「俺のどこがおかしい」
納得していないニコラスだが、子連れの猛獣とミルズ公が表現した通り、彼はジュリアを守るためなら手段を問わない。
過去には王を脅しつけ、王弟を手にかけようとしたことすらある。
「夫人との縁談だって、初めて見舞いに行った後は態度が変わっていただろう」
元々は押し付けられた縁談だ。断ろうとしたものの、そうするとまだ幼い少女が悲惨な末路をたどる。それを阻止するために仕方なく受けただけだ。
ところが縁談が纏まってすぐに彼女を見舞った後からは、積極的に守ろうとしていた。
「お前だって何が何でも助けろって言ってただろうが」
ニコラスとの縁談への恐怖により高熱に魘される少女を見て、必ず救い出そうと決めた。話を聞いただけのミルズ公も怒りを覚える程に、ジュリアは怯えていたのだから。
「昔からお前は誰かを守るために動くことが多かった。それが辺境伯家の嫡男、又は当主としての生き様だと思っていたが」
「血が働きかけていた可能性もあるのですね」
そんなニコラスが元から守るべき対象として保護していたジュリアを、ただ一人の伴侶と決めた。それが齎した作用が、閉じ込めたいという願望につながったと考えれば一応は辻褄が合う。
「他に変わったことはないか? 以前とは違うことが出来るようになったとか」
「ない。元々、大したことが出来る訳でもないしな」
ニコラスは異常なまでの身体能力の高さと肉体年齢の若さ以外は、基本的に普通の人間と同じだ。
声を任意の範囲に届けることが出来るが、ただ届けるだけで、それが何らかの力を持つ訳でもない。
「夫人への『手当て』も以前と同じでしょうか?」
「ああ、痛みが消えるんだっけ?」
ニコラスはカーティス侯に言われるまで気にしていなかったが、今までは痛みが消えるだけだった筈の手当て。それが強化されている気がする。
閨事の最中、ジュリアはそれなりに声を張り上げているのに、喉を痛めた様子は今のところ一度もない。痛みが消えるだけでは、その効果は得られないだろう。
腰もそうだ。身体を動かす際に一切の違和感が見られないのは、そういうことだろう。何度達しても、最後まで意識はしっかり保ったままなのも不思議だ。
ただ確証はない上に、この話は口が裂けてもしたくない。これについては今後ゆっくり検証することにして、口を噤んでおいた。
「特に大きな変化はないようだな」
「今のところは、ですね」
「何かあると思うのか?」
「分かりませんが、ニック殿ならありそうです」
カーティス侯の意見に頷きながら、ミルズ公は悪友を見やる。
ニコラスが落ち着きのない様子なのは珍しい。彼は基本的には心の内を人に見せないのだから。
かつて婚約者に手酷い裏切りを受けた際も、荒れる内心を見事に押し隠し、誰にも悟らせなかった。
だからこそ悪友であるミルズ公ですら、彼が放蕩の限りを尽くしていることに気付くのが遅れた。その頃にはニコラスは既に、裏社会の者たちから遊興の顔なじみと認識されている程だったのだから、どれだけの時間が経過していたことか。
その時のミルズ公の驚愕ぶりは筆舌に尽くしがたいものがあった。それまでのニコラスは品行方正な令息だったのだから尚更だ。
驚いているうちに彼はすっかり落ち着いてしまったのだが。
「ニック殿が愛する伴侶を得た今だから言えますが、婚約解消の真相を知った時は、心底驚きましたよ」
「世間では悲恋だと思われてるからな」
相手の家にどうしてもと懇願された結果、不貞を働いた元婚約者は病を得たことにし、婚約は解消された。それで終わったのだが、後日、彼女は本当に命を落としてしまう。
すっかり悲劇の婚約者に祭り上げられたニコラスは、大人しく悲嘆に暮れるふりをしていた。内心は面倒だと思いながらも。
「よくよく考えたら、世間から見るとニック殿は闘病中の婚約者を放置して遊んでいたということに……」
「コイツは上手く隠していたから大丈夫だ」
彼の遊蕩について知っていたのは裏社会の連中だけだ。だが彼らは婚約解消の真相も知っている。何も問題はない。
そんな二人の会話を聞き流しながらも、ニコラスは嫌な感覚に見舞われていた。
誰かがジュリアに近づこうとしている。危険な意思を持つ何者かが。
この二人を迎える少し前から、それを感じていた。
侍女や護衛たちを憚り近付けないでいるその者が、何らかの手段で彼女に危害を加えかねない。何とかしなければ。
それが彼女に近付くことを許してはいけない。
彼女に何かがあれば、その者を何百回地獄に叩き落とそうと赦せるものではない。
直ちに危険を排除しよう。
「どうしたニック?! おい!!」
「これは……」
ニコラスの身体から金の光が噴き出し、その後どこかへ飛び立つ。
呆気にとられてそれを見送った二人が振り返った時、ニコラスは金に光る目を見開き、カーティス侯爵邸の方角を睨みつけていた。
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メガホンみたいなマークがついていて調べたら、エールを下さったと分かりました。
ありがとうございました。
ブクマや評価もそうですが、投稿した話に反応があるのは、とても嬉しく励みになります。
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