クズの異世界転生

中二病

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第3章

第29話 屋敷に帰宅

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城の敷地に帰ってきてすぐに僕は自分の部屋へ戻るように言われた。

そして城の敷地……正確には馬車の中と言ったほうが表現としては正しいだろうが……とにかく城の敷地内に帰ってから、なぜ城に帰ったらすぐに自分の部屋に戻るようにと言われたのかの説明を屋敷内に入る前に馬車の中でされた。


城に帰ってすぐに自分の部屋に戻るように言われた理由としては、まずは行きの馬車の中で天使が話した会話で僕の精神状態に問題があったとわかったかららしい。

僕の精神状態に異常があったって言われたがどこに異常があったんだ?とは思うし、仮に僕の精神状態が正常じゃなくとも貴族というのは平民の餓鬼が死んだからなんだ?と、そういう考えの集団だと思っていたのだがもしかして違うのか?


次の理由としてはアテナを僕の従者にするか?という話し合いをできるだけ早くしたいから、らしいもしかしてアテナを平民ごときの僕の従者にはしたくないから僕を外して話し合っているのか?いや……まさかな……この家の名誉のためにもアテナのためにもアテナが公的に裁かれないようにしないといけないのだから神の加護を持つ僕の従者にするのはいろいろと合理的なはずなんだが……とりあえずアテナを僕の従者にしないという選択をお祖父様たちが選ばないことを祈っておこう。


そして最後に僕を帰宅してからできるだけ早く自分の部屋に戻らせたのはウソみたいな……というか明らかにウソとしか言いようがない理由だった。

こんなテキトウな話を僕が信じるわけが無いのになんでこんなテキトウな話を僕に理由として説明したんだろう?まぁいい、僕の頭ではどうせ理由なんて見当がつかないだろうからウソをついた理由なんて考えたところで意味のないことだろうからな……とにかく……今はアテナを僕の従者にする許可が出ることを祈ろう、未来のことなんて考えたところでどうせ答えなんてでないだろうし現状僕にできることなんて無いだろうからな……。




「………あの……アレス様……いえ…暁君、私は貴方がそんなに疑心暗鬼によって孤独な戦いを強いられているとは思いませんでした。これからはできうる限り貴方の考えに寄り添い良き仲間であれるよう努力します」


え………?こいつは何を言っているんだ?あの発言はあくまで神に敵視されないための方便であって少なくとも僕に想定しうる限りの最悪の事態が起きても文官長やこの領の領軍程度であればある程度どうにかできるのはわかりきったことだろう?そうじゃなくとも天使を僕の下に送ったのは僕が人間から殺されるのをできうる限り避けたかったのもあるだろう?

ゆえにこそ神さえ敵に回さなければ僕や兄上、姉上に関してはどうとでもなるだろう?

え?もしかしてこいつさっきの僕の話を真に受けたん?冗談だろ?

まぁ、最悪神から命令されれば僕のことを殺すだろうけどこれは天使が天使であるからこそ仕方がないだろう……。今はとにかく天使が何を考えているか探ろう。


「は………?」


たぶんこの言葉が一番適切だろう、この言葉なら良い意味でも悪い意味でも驚いているように聞こえるから現状では一番適切な言葉選びだろう、必要以上に喋り過ぎたらボロがでそうだからね……。


「やはり貴方は誰の事も信用できないような心理状態になっていたのですね………よくよく考えればそれはそうでしょうね……なにせ死んだと思ったらわけもわからない世界に飛ばされていて現状の理解さえ追いついていないのにいつの間にか貴族家に引き取られたのですから自分の状況を理解できず疑心暗鬼になってしまいますよね………?私は貴方の境遇をしっかり知っていますし理解もしているつもりです……だからこそ私を信じてください、私個人としては貴方の敵になるつもりはありません」


そう天使が言ってきた……が、別にそこまで現状に悲観していないし人をすぐに信じないのは別に普通のことだろ?逆にすぐに人を信じる人間がいるのならもう少し人を疑えと言われるだろう、僕の今の歳でなにも考えずにすぐに人を信じていたらそれはそれで問題あるだろう?

そして最後の言葉、ようは神に命令されたらすぐにでも僕の敵になるということだろう?

とりあえず天使の発言に合わせて臨機応変に対応しよう。


「あぁっと……貴女は僕のことを嫌っていると思っていたのでその言葉を言われて驚きました。ただ…そうですね…ありがとうございます、感謝します、とだけ言わせてください」


天使の言葉に対してそう答えた。


「………っ……たしかに貴方の言動に問題はありますが私は貴方の敵ではありません、味方です、信じてください」


天使は悲痛そうな表情でこちらを見て、そしてまるで僕を励ますために言葉をかけるように話しかけてきた。


「………ありがとうございます……そうですよね……貴女は神から送られてきた方ですからね……親切な言葉ありがとうございます」


そう言って僕は天使を抱きしめた。


「…………そうですよ……貴方が神の使徒としてあまりにもふさわしくない行動さえとり続けなければ神も貴方に不審感を抱くことはないのです」


そう言ってギュッと優しく抱きしめて頭を撫でてくれた。

個人的な本音を言うのなら神の逆鱗がどこにあるのかわかりづらいんだからそこら辺はどうしようもないよね?とは思うが、まぁいいどちらにしろ神を敵に回すわけにはいかないのだから最大限神の顔色をうかがいながら僕は行動するつもりだよ……。
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