クズの異世界転生

中二病

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第3章

第25話 前日の夜

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「この間、あなたと話して私なりに考えたのですが、アレス君、貴方は一人で全てをなそうとするからダメなんだと思います、仲間を集めてはどうでしょう?」


教会に行く前日の夜に天使が急にそんなことを言ってきた。


「は……?急にどうしたの?あー…、仲間…ね……現時点ではこの世界には奴隷がいるらしいからそれを買って仲間にするつもりだよ?現時点では……」


天使から僕に対してそう提言されたから、そう現時点での予定を伝えた。


「は?なぜ奴隷を買おうとしているのですか?そこは志を同じくするものを集めて世直しとか………魔王討伐とかあとじゃ……、……いえ、やっぱり何でもありません……、とにかく志を同じくするものを集めるべきです」


じゃ?その言葉の続きってもしかして邪神か?もしかして今後邪神をどうにかしなければならない可能性があるのか?神とやりあうとか冗談じゃないぞ?ここは気づかなかったふりをすべきか……。

「は?聞いてませんよ?魔王なんてのがいるんですか?」


僕は天使の発言に対してそう聞いた。


「ほっ……、行っていませんでしたか?魔王が約十数年後に復活します。だからこそ人間を無理やり戦わせたりするのではなく同士を集め共に戦うべきなのです!」


あと十数年後に魔王が復活するのか……ということはその後に邪神が復活するのか?あるいはもう邪神は復活しているのか?まぁいい…僕一人で考えたところで答えは出やしないとりあえず面倒なこいつをどう黙らせるかだな……。


「そうか……魔王が十数年後に復活するのか…とはいえ僕が戦うべき、警戒すべき敵は必ずしも魔王やその配下だけではない……そのあたりは理解しているな?」


説得するために天使に僕を取り巻く状況を一から説明することにした。


「そうなのですか?魔王や魔王の配下以外に敵対する可能性のある者とはどのような者でしょうか?」


ズコッ!

は……?そこから説明しないとダメなの?もしかして僕に対する嫌がらせか?まぁいい……仕方がないから説明するか……。


「敵対する可能性のある者ってのは人間だよ、人間……ぁ…あと魔物もか?」


天使の質問に対して僕はそう端的すぎるくらい端的に説明した。


「え?魔物はわかりますがなぜ人間と敵対する可能性があるのですか?」


は……くっそ……あまちゃんかよこいつは……。


「あ……、共和国は建国にあたって一次被害、二次被害とか……ま~言葉の意味はよくわからんが共和国の独立時のてんやわんやのせいで平時であれば防げた魔物被害、共和国の独立扇動者である転生者が自分や自分の子孫だけが貴族を名乗ることを許可したことに反発した独立時に転生者の民主化、反王侯貴族に賛同した一部の元貴族や豪商、豪農、その他一部の町民や職人、農民に貧民などが反乱を起こしたことにより転生者が元貴族や豪商、豪農の反乱首謀者のことごとくを殺害し、そのせいでさらに国内の政情が不安定化した、確かに首謀者以外は一部しか死刑にはなっていないが大半が捕まり牢屋送りか奴隷落ち一部は無罪になったらしいがそれでも無罪になった人間がとても少なかったかはわかりきったことだ。他にもいろいろあったらしいが転生者が生きている間に出た国民の被害は想像を絶するものだっただろう、共和国の公式発表では国民全体の内、三~四割が死んだらしい。共和国はあの反乱を正義の反乱だと言っているらしいが正直な話、これにより被害にあった人間の総数は三~四割どころではない甚大な被害が出ただろう……、それのことに関して良かっただ悪かっただなんて話をするつもりわないけどさ……まぁそんな話をしたところで仕方がないっていうのもあるけど……今回僕がこの話をしたのは同じことを王国で起こさせるわけにはいかないということだよ、王侯貴族の制度の良い点は地位の順位付けが明確に決まっているから比較的速やかに軍とか内政の方向性を決定できそして実行できることだ、対して悪い点は地位の順位が動きづらく地位の低い有能が上にいきづらいことだ、そして無能が上にのさばる可能性があることもそうだな。そして独裁になりやすいのも悪い点だ。民主主義の良い点は民衆が自分で考え政治家を選べる点そして悪い点はゆえにこそ僕個人としてはこの世界での民主化はあまり賛同できない、もし民主化するにしても急激に民主化をおこなうのではなく段階的に民主化をおこなうべきだ、僕がもっともやってはいけないと思うのは事実上、異分子であり部外者の我々転生者が極度にどちらかに肩入れすることだ、ゆえにこそ極端な選択に走ろうとする転生者がいるのならその転生者を止めるための行動を僕は実行する。あ~、話が脱線してしまったね、話を戻そう。僕は内通者を用いての他国の民主化を推し進めようとする共和国の動きはどうしても賛同できない、もっというのなら僕の恩人である、ゲオールギアー家の人間やその人間の治める領地の領民の生命や財産、安全のためにも共和国の動きは認められない、ゆえにこそ人間も敵対者になりえると考えて行動している」


僕は天使の質問に対してそう答えた。


「なら尚更奴隷ではなく、平民や武官や文官、王族や貴族の仲間が必要でしょう!?なぜなんの関係もない、力もないそして断ることもできない奴隷にそのような命がけのことを無理やり協力させようとするのですか!貴方おかしいですよ!?」


言うに事欠いて天使はそんなことをのたまいやがった。


「はっ……、チィ………、だからこそだよ……、無関係で自分の意志ではなにも決定する権利が無い奴隷だからこそ仲間にするんだよ、もしも僕が政争や武力で負けた場合なんの罪もない奴隷だったらこそ僕の悪逆非道ぶりを喧伝できる!だからこそ!十中八九、奴隷であればまともな環境で生かされるだろう!逆に、僕の仲間が貴族や王族、武官や文官、平民だった場合、貴族や王族であれば本人や周りの人間に多少の危険があるだけだけだ、だが平民や文官、武官は当人やその周りの人間も消されるかもしれないんだぞ!そうならなくともろくな未来はないそこらへんわかってんのかテメーは!!」


イライラあまり天使を怒鳴りつけてしまった。


「そっ、そんなことは言ってないですけど……しかし……仲間がいなければどうしようも……」


天使があまりに寝ぼけたことをのたまうので天使に怒鳴り散らしたくなったが、ここで天使と話した話は家族にバレたくないので怒鳴らないで………いや……普通にさっき怒鳴りあいしていたような……大丈夫か?


「さっきから怒鳴り合ってたけど家族が起きてきてこの話が聞かれたりしないよな?」


少し青くなりながら天使にそう聞いた。


「えっ?大丈夫ですよ?できる限りの遮音結界を張ってるので盗聴の魔法があっても適当な音が流れますし、外からはなんの音も聞こえませんから……しかし壊れたものが直るわけではないので物に傷をつけないでくださいね?」


その言葉を聞いた瞬間安堵のあまり崩れ落ちてしまった。

ただそうか……物は直らないか……物にあたったり怒鳴ったりしないように気おつけよう……。


「遮音結界を張ってくれてありがとう、感謝する。わかった。物にはあたらない」


天使の言葉に対して僕はそう答えた。


「さっきまではなんの話を……?あぁ………!志を同じくする者がいれば一時、協力することもあるかもしれないがそれ以外は基本的に奴隷以外では仲間を作るつもりはない、アテナ殿に関しては……まぁ……そうせざるをえなくなったから仕方なく仲間にしたが基本、仲間は作れない」


天使の言葉に僕は冷静にそう話した。


「そう……ですか……、それでは貴方の身に危険が迫る可能性が高いのではないのですか?」


僕の言葉に対して天使がそう聞いてきた。


「はっ………?……別にいいんじゃね?僕が死んでも、他者を巻き込むよりかマシだろう?」


天使がなにを言いたいのかわからなかったからそんな歯切れの悪い答えになってしまった。


「えっ……?それでは誰が魔王を倒すのですか?それに貴方が死んだら悲しむ人がいるのになにを考えているのですか?」


僕の言葉に対して天使はそんなことを聞いてきた。


「えっ……?魔王なんて君らの大好きな僕以外の転生者にやらせりゃいいでしょ?それに僕が死んでも誰かが悲しむわけがないだろう?」


僕は天使からの答えのわかりきった質問に対してそう答えた。


「えっ……?いや………?魔王に関しては今後どうするか話し合うにしても、貴方が死んでも悲しむ人がいない?いるに決まってるじゃないですか?私とか、もっというのならヴァイゼ様とか……絶対に………」


いや(苦笑)、僕が姉上や姉上の家族が洗脳じみたことをされたてその結果として引き取られたと知らないからあんなに親しみを持って接してくれているが洗脳じみたことをされているとバレたら嫌われこそすれ好かれるわけがないだろう?なぜかこないだから距離が近すぎて少し怖いがこれは別に今回の話となんの関係も無いだろうからおいておくとして、こいつはなにを言っているんだろう?


「はっ………?なに言ってるの?君に関してはよくわからないけど、姉上に関してはそんなわけないだろう?」


天使の質問に対して僕はそう率直に言った。


「はっ……?貴方こそなにを言っているのですか?」


僕の言葉に対して天使はそんなわけのわからないことを言ってきた。


「はっ……?」


そう僕は呟いた。


「えっ……?」


クーストーディアもそう呟いた。










話が堂々巡りになりそうだったし特に話すこともなくなったから話し合いとしては中途半端な感じだったがそんな感じで話し合いは終わった。
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