大陰史記〜出雲国譲りの真相〜

桜小径

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邪馬台国の滅亡

続々阿蘇に

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邪馬台国の女王の聖地、阿蘇にはどんどんと邪馬台国連合各地の有力者や天孫族の末裔が集まってきた。

主役の一人、アメノホヒはまだ阿蘇には到着してない。

立ち合いの狗奴国の代表団もまだだ。

みんなオモイカネとの面談を求めるが、オモイカネは個室に籠り拒否している。

なので、矢面に立つのは天孫族の長老で仮の邪馬台国王となっているクマノクスヒだ。

長老相手に怒りをぶつけるわけにはいかないが、苦情がみんなから挙げられる。

クマノクスヒは老齢なのに辛い立場だ。

中でも、吉野ヶ里に備蓄の食料と兵士を徴発されたことに対する不満と、この先の不安がクマノクスヒに訴えられる。

出雲族と邪馬台国連合の天孫族の関係は悪くはない。

伊都国のみが突出しすぎたのである。

それも火神子の死去である。暗殺だとしっているのはごく一部だ。

クマノクスヒにはオモイカネの左遷を願い出るものも多い。それは当然だろう。

暗殺が明るみにでれば処刑の対象にさえなるであろう。

邪馬台国首脳🟰伊都国首脳で長い間やってきたツケが回ってきている。

火神子暗殺時の阿蘇の噴火はおさまったが、被災地はほぼほったらかしだ。

そこへきて、吉野ヶ里籠城策である。

賛成するものはほとんどいない。それより次の火神子を決めなければという意見も多い。

出雲の伊都国、奴国進出を一時的なものと軽視している王族が多い。とくに離れている地域や復興に忙しい豊の国は出雲どころではないのだ。

クマノクスヒは言った。

「それぞれの国で方針を決めるしかあるまい。これ以上、オモイカネの言う事を諸君は聞けないであろう?」

「それはそうだ」

「でも、何かあった時、邪馬台国連合の助けは得られないってことですよね?」

「そうなる。新しく移動した本国さえ出雲の出方次第で危ういのだ。」

「出雲は総力戦だと息巻いていて、大国主直々の出陣だと聞く」

「送りこんたアメノホヒとワカヒコは何をやってる!」

いろんな意見というより憤りと苦情が溢れている阿蘇の旧国庁であった。
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