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邪馬台国の滅亡

アメノホヒとオモイカネ

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オモイカネはいよいよ打つ手が少なくなってきた。

以前、偵察に送ったサグメを使いアメノホヒに使いを出した。

はっきり言って降伏宣言にも等しい。

邪馬台国出身のアメノホヒの情に訴えるつもりだ。

簡単に言うと邪馬台国は吉野ヶ里近辺だけにするから見逃してくれといった内容だ。

大国主としては、念願でもあった邪馬台国併呑の成功も意味する。

ただフツヌシは納得しない。

何しろ伊都国からの精鋭部隊がそのまま温存されているのだ。戦わずに負けを認めるなどできない。

伊都国の精鋭部隊や移住者もそのつもりである。玉砕とまでは考えてないが、戦う事を求めている。

そのために故郷糸島から吉野ヶ里まで撤退してきたのだ。

倭国に例を見ないほどの環濠も完成している。籠城しても耐えられるほどの蓄えもあるのだ。

オモイカネは迷いに迷っている。

アメノホヒの親戚になるニニギ一族は、和睦ができると思っている。その条件はオモイカネの追放だ。

伊都国色を薄めれば、なんとかなると能天気でさえある。


狭い吉野ヶ里の砦の中はいろんな考えが渦巻いている。暗黒の坩堝である。



そんなオモイカネを見切っているアメノホヒは、まず二人で会談することを望んでいる。

今や、出雲大国主の片腕とはいえ、元々は邪馬台国の出身である。オモイカネが期待している情がないわけではない。

ますます混乱を見せてきた邪馬台国問題。

倭国では連合は消滅していくことは間違いないという理解は広がっている。

邪馬台国本体を残すのかどうか?

それが問題なのである。







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