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邪馬台国の滅亡
タヂカラヲとアメノウズメ
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二人は、日向の狗奴国の前線基地を抜け出し、まずは人質交換した阿蘇へと向かうことにした。
阿蘇は邪馬台国の元の根拠地で、南西の守りの要だ。
ヒルコに用意してもらった馬を飛ばして、阿蘇へと旅だった。
数日後、着いた阿蘇の地は砦らしきモノは残っていたが、明らかに兵たちの人数、民衆の人数は減っていた。
吉野ヶ里に集められたのだろうか?
タヂカラヲは正面から、堂々と帰還し、その隙にアメノウズメは手薄なところから忍び込むことにした。
連れてきた巫女はタヂカラヲが連れてはいる段取りだ。
「荒れてますね」
巫女はタヂカラヲに話しかけた。
「うむ。火神子様がおられたときより明らかに廃れている。まあ良いお前の家族は残っているのかも問題だな。かなりの人数が吉野ヶ里に集中しているそうだ。そちらの開発に連れて行かれた可能性もあるな」
吉野ヶ里の近辺は、平地も多く耕作にも阿蘇や糸島よりも遥かに向いている。
ここに防衛機能のある環濠集落を作り、民衆や兵士を集中させているのだろう。
タヂカラヲは阿蘇の砦、火神子の聖地の砦でもあったところを警戒している兵士に声をかけた。
「開門せよ!我は邪馬台国の将軍、タヂカラヲである!役目を終えて帰還した。砦の門を開けよ!」
大声で、砦の中に向けて叫んだ。
しばらくすると、砦の上に兵士が何人か出てきた。タヂカラヲの顔見知りもいた。
「タヂカラヲ様!」
その兵士は泣きそうな顔してタヂカラヲの名をよび、周囲にタヂカラヲと女性一人しかいない事を確認し砦の門を開けた。
兵士はタヂカラヲ直轄の兵士の一人で名をサナヒコと名乗った。
タヂカラヲも彼の事を覚えていた。
「おおっサナヒコ、元気にしておつたか?」
「はい。この通り阿蘇の陣地は縮小され大半の兵士は吉野ヶ里に移動いたしました。ここの大将格もいないような状況で私がこの砦を守る役目を申し付けられました。タヂカラヲ様が帰ってこられて一安心でございます」
サナヒコは涙を浮かべながらタヂカラヲと巫女を砦の中へと案内した。
サナヒコもオモイカネによる三代目火神子であるトヨタマヒメ暗殺の現場を目撃したうちの一人だ。
「オモイカネ殿は吉野ヶ里に篭られたのか?」
「はい、環濠と砦を増強して吉野ヶ里を本国扱いにするそうです。そちらにかなりの人数が招集されております。」
「ふむ。そうか、ここはやがて撤退するつもりなのだろうか?」
「はい、そのようです。火神子様が亡くなられてから人民も不安がっております。自ら望んで吉野ヶ里に移住したモノも多数おります。あちらは開墾のしがいのある土地ですから。」
タヂカラヲがサナヒコと話しているうちにアメノウズメは手薄な所から忍びこんだ。
人質のハヤトを探すのだ。
砦の中は思ったより閑散としている。いずれここも引き上げる予定なのだろう。
アメノウズメは元々、祭りごとに使っていた屋敷にたどりついた。人質は移動されてなければここにいるはずだ。
屋敷に忍びこんだウズメはハヤトを探した。
屋敷内でかつての部下だった巫女と出くわした。
「ウズメさま?」
巫女は驚いて声をかけた。ウズメはニッコリと笑い、役目を終えて戻ってきたのだと説明した。巫女たちは喜び屋敷のあちこちから集まってきた。
再会の挨拶を交わし、現状を聞いた。
オモイカネは、噴火のあとつまり火神子暗殺のあと慌ててこの地を後にしたらしい。
「そういえば狗奴国のハヤトどのも吉野ヶ里かえ?」
と、ウズメは問いかけた。
巫女たちは、いやまだここにいると答えた。先程、朝の食事を届けたところで軟禁されているらしい。
ウズメはそこに案内をさせた。
阿蘇は邪馬台国の元の根拠地で、南西の守りの要だ。
ヒルコに用意してもらった馬を飛ばして、阿蘇へと旅だった。
数日後、着いた阿蘇の地は砦らしきモノは残っていたが、明らかに兵たちの人数、民衆の人数は減っていた。
吉野ヶ里に集められたのだろうか?
タヂカラヲは正面から、堂々と帰還し、その隙にアメノウズメは手薄なところから忍び込むことにした。
連れてきた巫女はタヂカラヲが連れてはいる段取りだ。
「荒れてますね」
巫女はタヂカラヲに話しかけた。
「うむ。火神子様がおられたときより明らかに廃れている。まあ良いお前の家族は残っているのかも問題だな。かなりの人数が吉野ヶ里に集中しているそうだ。そちらの開発に連れて行かれた可能性もあるな」
吉野ヶ里の近辺は、平地も多く耕作にも阿蘇や糸島よりも遥かに向いている。
ここに防衛機能のある環濠集落を作り、民衆や兵士を集中させているのだろう。
タヂカラヲは阿蘇の砦、火神子の聖地の砦でもあったところを警戒している兵士に声をかけた。
「開門せよ!我は邪馬台国の将軍、タヂカラヲである!役目を終えて帰還した。砦の門を開けよ!」
大声で、砦の中に向けて叫んだ。
しばらくすると、砦の上に兵士が何人か出てきた。タヂカラヲの顔見知りもいた。
「タヂカラヲ様!」
その兵士は泣きそうな顔してタヂカラヲの名をよび、周囲にタヂカラヲと女性一人しかいない事を確認し砦の門を開けた。
兵士はタヂカラヲ直轄の兵士の一人で名をサナヒコと名乗った。
タヂカラヲも彼の事を覚えていた。
「おおっサナヒコ、元気にしておつたか?」
「はい。この通り阿蘇の陣地は縮小され大半の兵士は吉野ヶ里に移動いたしました。ここの大将格もいないような状況で私がこの砦を守る役目を申し付けられました。タヂカラヲ様が帰ってこられて一安心でございます」
サナヒコは涙を浮かべながらタヂカラヲと巫女を砦の中へと案内した。
サナヒコもオモイカネによる三代目火神子であるトヨタマヒメ暗殺の現場を目撃したうちの一人だ。
「オモイカネ殿は吉野ヶ里に篭られたのか?」
「はい、環濠と砦を増強して吉野ヶ里を本国扱いにするそうです。そちらにかなりの人数が招集されております。」
「ふむ。そうか、ここはやがて撤退するつもりなのだろうか?」
「はい、そのようです。火神子様が亡くなられてから人民も不安がっております。自ら望んで吉野ヶ里に移住したモノも多数おります。あちらは開墾のしがいのある土地ですから。」
タヂカラヲがサナヒコと話しているうちにアメノウズメは手薄な所から忍びこんだ。
人質のハヤトを探すのだ。
砦の中は思ったより閑散としている。いずれここも引き上げる予定なのだろう。
アメノウズメは元々、祭りごとに使っていた屋敷にたどりついた。人質は移動されてなければここにいるはずだ。
屋敷に忍びこんだウズメはハヤトを探した。
屋敷内でかつての部下だった巫女と出くわした。
「ウズメさま?」
巫女は驚いて声をかけた。ウズメはニッコリと笑い、役目を終えて戻ってきたのだと説明した。巫女たちは喜び屋敷のあちこちから集まってきた。
再会の挨拶を交わし、現状を聞いた。
オモイカネは、噴火のあとつまり火神子暗殺のあと慌ててこの地を後にしたらしい。
「そういえば狗奴国のハヤトどのも吉野ヶ里かえ?」
と、ウズメは問いかけた。
巫女たちは、いやまだここにいると答えた。先程、朝の食事を届けたところで軟禁されているらしい。
ウズメはそこに案内をさせた。
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