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西遷の章
ヒルコへの手紙
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ドンガメは集落で船主に頼んでまわったが、良い返事は得られなかった。阿波へ直接人を渡すなど、途中で見つかると酷いめに会うのが目に見えているからだ。
ドンガメが途方にくれてると彼に声をかけるモノがいた。
「おい、阿波に行きたいって?そんなのは無理だろう」
「どうして?」
「いま、イリヒコって奴を捕獲するようお触れがでてるからな。もしかしてお前?」
「いや違うよ」
「おっこんな奴に構ってられない。ヒルコ様への報告書を書かなければ」
「ヒルコ様へ?」
「ああ、筑紫にいらっしゃるからな」
「オレの手紙もヒルコさまに手紙を書いて渡してもよいか?」
「お前が?」
「ああ。ヒルコ様の祠を守る村の者だ」
ドンガメはとっさに思いついた。こっちから行くのが無理ならヒルコから迎えてもらえれば、と思ったのだ。
「あの村の、、、手間は一緒だから、明日の朝までにここまで持ってきたら一緒に入れてやるよ」
役人のようなやつはドンガメと、約束してくれた。
ドンガメは慌てて村に帰り、イリヒコに相談する事にした。
何しろドンガメには文字なんて書けないのだから。
ドンガメが途方にくれてると彼に声をかけるモノがいた。
「おい、阿波に行きたいって?そんなのは無理だろう」
「どうして?」
「いま、イリヒコって奴を捕獲するようお触れがでてるからな。もしかしてお前?」
「いや違うよ」
「おっこんな奴に構ってられない。ヒルコ様への報告書を書かなければ」
「ヒルコ様へ?」
「ああ、筑紫にいらっしゃるからな」
「オレの手紙もヒルコさまに手紙を書いて渡してもよいか?」
「お前が?」
「ああ。ヒルコ様の祠を守る村の者だ」
ドンガメはとっさに思いついた。こっちから行くのが無理ならヒルコから迎えてもらえれば、と思ったのだ。
「あの村の、、、手間は一緒だから、明日の朝までにここまで持ってきたら一緒に入れてやるよ」
役人のようなやつはドンガメと、約束してくれた。
ドンガメは慌てて村に帰り、イリヒコに相談する事にした。
何しろドンガメには文字なんて書けないのだから。
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