174 / 179
出雲国譲りの基礎知識(おまけ)
武御雷
しおりを挟む
鹿島神社には「タケミカヅチノカミ」が祭られています。この神は古事記の「国譲り」の段でアマテラスオオミカミの使いとなって出雲のオオクニヌシ、コトシロヌシと直談判し、タケミナカタと戦い勝利した事で有名です。
タケミカヅチノカミはアマテラスの命をうけ高天が原から出雲のいなさの浜に降り立ちます。手にしていた剣を砂浜につきたて、葦原中津国つまり日本をアマテラスの子孫に譲る事をオオクニヌシに強要します。
オオクニヌシは自分の一存では判断できないとコトシロヌシとタケミナカタという自分の子に聞いてくれと答えます。コトシロヌシはこの要求をあっさりと認めますがもう一人の子タケミナカタは力比べをいどんできます。しかしタケミカヅチノカミはタケミナカタを打ち破ります。そして逃げ出したタケミナカタを出雲から遠く離れた長野の諏訪まで追いつめ降参させます。
これでオオクニヌシは国譲りという理不尽な要求を飲まなくてはいけなくなり、出雲大社を建ててもらう事と引き換えに幽界つまり死後の世界の王となったのです。このように国譲りにおいてタケミカヅチは大活躍します。
この活躍によってタケミカヅチは剣の神、戦勝の神といった武神として祭られる事になりました。
武神を東国常陸に置く事によって東北の蝦夷から大和朝廷を守る事にもなるのです。常陸の国は大和朝廷の東国支配に重要な位置でもあったのです。 鹿島神宮において祭祀されています。
またタケミカヅチノカミは中臣氏つまり藤原氏の氏神でもあります。藤原氏は常陸の出身なのでこの神を氏神としています。 最初は常陸の最高神であったタケミカヅチは中臣氏が大和朝廷に帰属したためアマテラスの使いとして国譲りの段に登場する事となったのでしょう。
中臣氏が大和入りする前の鹿島は香島と表記されていたようです。
大和では「春日大社」の主祭神とされています。
「常陸国風土記逸文」に「香島の天の大神」がいたと記されています。この神は常陸の国が大和朝廷の支配下に入ったころからタケミカヅチにその地位を奪われたのです。
天皇家の神の系譜に名を連ねるという事は、国そのものが大和朝廷の支配下に入った事を意味するのです。
万葉集にこんな歌があります。「霰降り 鹿島の神を 祈りつつ 皇御軍に 我は来にしを(あられふりかしまのかみをいのりつつすめらみいくさにわれはきにしを)」防人の歌なんですが、後世、「鹿島立ち」といわれる武人の出立の心得として広く知られる事となります。
鹿島大神は各地に勧請され、「武の神」として尊崇されています。
古事記の崇神天皇条には、オオタタネコの父神としてタケミカヅチの名が挙がっているが、別神と捉えられている。
タケミカヅチノカミはアマテラスの命をうけ高天が原から出雲のいなさの浜に降り立ちます。手にしていた剣を砂浜につきたて、葦原中津国つまり日本をアマテラスの子孫に譲る事をオオクニヌシに強要します。
オオクニヌシは自分の一存では判断できないとコトシロヌシとタケミナカタという自分の子に聞いてくれと答えます。コトシロヌシはこの要求をあっさりと認めますがもう一人の子タケミナカタは力比べをいどんできます。しかしタケミカヅチノカミはタケミナカタを打ち破ります。そして逃げ出したタケミナカタを出雲から遠く離れた長野の諏訪まで追いつめ降参させます。
これでオオクニヌシは国譲りという理不尽な要求を飲まなくてはいけなくなり、出雲大社を建ててもらう事と引き換えに幽界つまり死後の世界の王となったのです。このように国譲りにおいてタケミカヅチは大活躍します。
この活躍によってタケミカヅチは剣の神、戦勝の神といった武神として祭られる事になりました。
武神を東国常陸に置く事によって東北の蝦夷から大和朝廷を守る事にもなるのです。常陸の国は大和朝廷の東国支配に重要な位置でもあったのです。 鹿島神宮において祭祀されています。
またタケミカヅチノカミは中臣氏つまり藤原氏の氏神でもあります。藤原氏は常陸の出身なのでこの神を氏神としています。 最初は常陸の最高神であったタケミカヅチは中臣氏が大和朝廷に帰属したためアマテラスの使いとして国譲りの段に登場する事となったのでしょう。
中臣氏が大和入りする前の鹿島は香島と表記されていたようです。
大和では「春日大社」の主祭神とされています。
「常陸国風土記逸文」に「香島の天の大神」がいたと記されています。この神は常陸の国が大和朝廷の支配下に入ったころからタケミカヅチにその地位を奪われたのです。
天皇家の神の系譜に名を連ねるという事は、国そのものが大和朝廷の支配下に入った事を意味するのです。
万葉集にこんな歌があります。「霰降り 鹿島の神を 祈りつつ 皇御軍に 我は来にしを(あられふりかしまのかみをいのりつつすめらみいくさにわれはきにしを)」防人の歌なんですが、後世、「鹿島立ち」といわれる武人の出立の心得として広く知られる事となります。
鹿島大神は各地に勧請され、「武の神」として尊崇されています。
古事記の崇神天皇条には、オオタタネコの父神としてタケミカヅチの名が挙がっているが、別神と捉えられている。
2
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

【完結】風天の虎 ――車丹波、北の関ヶ原
糸冬
歴史・時代
車丹波守斯忠。「猛虎」の諱で知られる戦国武将である。
慶長五年(一六〇〇年)二月、徳川家康が上杉征伐に向けて策動する中、斯忠は反徳川派の急先鋒として、主君・佐竹義宣から追放の憂き目に遭う。
しかし一念発起した斯忠は、異母弟にして養子の車善七郎と共に数百の手勢を集めて会津に乗り込み、上杉家の筆頭家老・直江兼続が指揮する「組外衆」に加わり働くことになる。
目指すは徳川家康の首級ただ一つ。
しかし、その思いとは裏腹に、最初に与えられた役目は神指城の普請場での土運びであった……。
その名と生き様から、「国民的映画の主人公のモデル」とも噂される男が身を投じた、「もう一つの関ヶ原」の物語。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?


世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
【完結】月よりきれい
悠井すみれ
歴史・時代
職人の若者・清吾は、吉原に売られた幼馴染を探している。登楼もせずに見世の内情を探ったことで袋叩きにあった彼は、美貌に加えて慈悲深いと評判の花魁・唐織に助けられる。
清吾の事情を聞いた唐織は、彼女の情人の振りをして吉原に入り込めば良い、と提案する。客の嫉妬を煽って通わせるため、形ばかりの恋人を置くのは唐織にとっても好都合なのだという。
純心な清吾にとっては、唐織の計算高さは遠い世界のもの──その、はずだった。
嘘を重ねる花魁と、幼馴染を探す一途な若者の交流と愛憎。愛よりも真実よりも美しいものとは。
第9回歴史・時代小説大賞参加作品です。楽しんでいただけましたら投票お願いいたします。
表紙画像はぱくたそ(www.pakutaso.com)より。かんたん表紙メーカー(https://sscard.monokakitools.net/covermaker.html)で作成しました。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる