30 / 39
ティラノサウルス現る
しおりを挟む
門倉はロボット投入以前に飛ばしていたドローンの画像を見ていた。
山の南側の麓、いままで検索をかけてきた範囲とは違う林の中に巨大なティラノサウルスに見える個体を見つけた。
住宅街から見て北だ。
それは、林の陰でうずくまっている。寝ているのだろうか?
その場所から最初の被害者が出た民家までは一直線の生活道路がひかれている。
「こいつだな」
門倉は戦車のヌシに画像をみせた。ヌシは喜びの表情をみせた。
「ロボットで倒せるだろうか?」
と、門倉に聞いてきた。門倉は内心、そんな実験は先に試しておけよと言いそうになったが言葉を飲み込んだ。
「さあね。ラプトルの数倍の大きさだ。下手したらロボットごとひっくり返されるかもしれない。キャタピラ式だが倒れた場合、自力で立て直せるのか?」
「おそらく、アームの操作で立てるはずだ。」
「乗組員の衝撃は計算に入っているのか?」
戦車のヌシは口をつぐんだ。おそらく、そこまでの実験はやってないのだ。たおされればどれくらい乗組員に衝撃が伝わるのか?
「恐竜に噛まれたくらいではあのロボットは破壊されない。」
「乗組員が気絶してしまう可能性もあるわけだな?」
戦争の主はだまりこんだ。
門倉は戦車を侵入口に動かして、いざとなったら戦車で救出することを提案した。
ロボットと兵士は、すでにフェンスの中に侵入している。
戦車はゆっくりと、フェンス沿いに侵入口に移動を開始した。
「何もいないぞ!」
ロボットの乗組員から無線が入った。
「ドローンの解析では、お前達の前方、300メートルに巨大な恐竜がうずくまってる。それが起き出したら厄介だ。戦車も侵入させるから、その場で待機だ」
「そこまで行って先制攻撃したほうがよくないか?」
ロボットと行動している兵士から無線が入った。交戦的なやつだな、と門倉は思った。
「いや、戦車を待て。ロボットはともかくお前にはカバーがない。下手を打つと一口でやられるぞ。避難できる戦車が近づくまで待機だ。」
門倉はそう指示した。
そうこうしていると例の地響きがこだました。
ズシン!
ティラノサウルスが動きだしたのだ。最初に遅いかかった民家はおそらく奴にとっては縄張りなのだろう。そのあたりで人間の気配がしている。興味をもつのは当然だ。
ズシン!ズシン!!
だんだんと、ティラノサウルスは近づいてくる。
兵士とロボットは臨戦体制に入った。
兵士はティラノサウルスがやってくる方向にマシンガンを連射した。けたたましい音が響く。
ズシン!ズシン!!
ティラノサウルスはあゆみを早めたようだ。逆に刺激を与えてしまったようだ。
「戦車が入るまで待機しろと言ったろ!」
門倉は無線で叫んだ。
「とりあえずドローンを飛ばせ。赤外線カメラとライト付きの2台だ。目標は最初に襲われた民家、そのままドローンを道沿いに北上させろ」
闇を切り裂くライトを灯しているロボットはティラノサウルス迎撃の準備に入った。
ラプトルとは違い巨大な体躯だ。ロボットより遥かにでかい。それがスピードをあげながらロボットに近づいてきている。
マシンガンが、効かなければ、ロボットはびっくり返されるだろう。その前に兵士の命もあぶない。
兵士はティラノサウルスが歩きだしている方向に、マシンガンの狙いを定めた。
ティラノサウルスは10メートル以上。ロボットの3倍以上はある。
ドローンのライトは道を照らすが、その巨大はまだ映らない。
しかし、
ズシン!ズシン!!
と、近づく音は大きくなってきた。
門倉は平行する道路にドローンを移動させた。
いた!
巨大なティラノサウルスが、一本東の道を南に向かってやってきている。
「東の道だ!」
門倉は指示を出した。ロボットと兵士は慌てて向きを変える。
山の南側の麓、いままで検索をかけてきた範囲とは違う林の中に巨大なティラノサウルスに見える個体を見つけた。
住宅街から見て北だ。
それは、林の陰でうずくまっている。寝ているのだろうか?
その場所から最初の被害者が出た民家までは一直線の生活道路がひかれている。
「こいつだな」
門倉は戦車のヌシに画像をみせた。ヌシは喜びの表情をみせた。
「ロボットで倒せるだろうか?」
と、門倉に聞いてきた。門倉は内心、そんな実験は先に試しておけよと言いそうになったが言葉を飲み込んだ。
「さあね。ラプトルの数倍の大きさだ。下手したらロボットごとひっくり返されるかもしれない。キャタピラ式だが倒れた場合、自力で立て直せるのか?」
「おそらく、アームの操作で立てるはずだ。」
「乗組員の衝撃は計算に入っているのか?」
戦車のヌシは口をつぐんだ。おそらく、そこまでの実験はやってないのだ。たおされればどれくらい乗組員に衝撃が伝わるのか?
「恐竜に噛まれたくらいではあのロボットは破壊されない。」
「乗組員が気絶してしまう可能性もあるわけだな?」
戦争の主はだまりこんだ。
門倉は戦車を侵入口に動かして、いざとなったら戦車で救出することを提案した。
ロボットと兵士は、すでにフェンスの中に侵入している。
戦車はゆっくりと、フェンス沿いに侵入口に移動を開始した。
「何もいないぞ!」
ロボットの乗組員から無線が入った。
「ドローンの解析では、お前達の前方、300メートルに巨大な恐竜がうずくまってる。それが起き出したら厄介だ。戦車も侵入させるから、その場で待機だ」
「そこまで行って先制攻撃したほうがよくないか?」
ロボットと行動している兵士から無線が入った。交戦的なやつだな、と門倉は思った。
「いや、戦車を待て。ロボットはともかくお前にはカバーがない。下手を打つと一口でやられるぞ。避難できる戦車が近づくまで待機だ。」
門倉はそう指示した。
そうこうしていると例の地響きがこだました。
ズシン!
ティラノサウルスが動きだしたのだ。最初に遅いかかった民家はおそらく奴にとっては縄張りなのだろう。そのあたりで人間の気配がしている。興味をもつのは当然だ。
ズシン!ズシン!!
だんだんと、ティラノサウルスは近づいてくる。
兵士とロボットは臨戦体制に入った。
兵士はティラノサウルスがやってくる方向にマシンガンを連射した。けたたましい音が響く。
ズシン!ズシン!!
ティラノサウルスはあゆみを早めたようだ。逆に刺激を与えてしまったようだ。
「戦車が入るまで待機しろと言ったろ!」
門倉は無線で叫んだ。
「とりあえずドローンを飛ばせ。赤外線カメラとライト付きの2台だ。目標は最初に襲われた民家、そのままドローンを道沿いに北上させろ」
闇を切り裂くライトを灯しているロボットはティラノサウルス迎撃の準備に入った。
ラプトルとは違い巨大な体躯だ。ロボットより遥かにでかい。それがスピードをあげながらロボットに近づいてきている。
マシンガンが、効かなければ、ロボットはびっくり返されるだろう。その前に兵士の命もあぶない。
兵士はティラノサウルスが歩きだしている方向に、マシンガンの狙いを定めた。
ティラノサウルスは10メートル以上。ロボットの3倍以上はある。
ドローンのライトは道を照らすが、その巨大はまだ映らない。
しかし、
ズシン!ズシン!!
と、近づく音は大きくなってきた。
門倉は平行する道路にドローンを移動させた。
いた!
巨大なティラノサウルスが、一本東の道を南に向かってやってきている。
「東の道だ!」
門倉は指示を出した。ロボットと兵士は慌てて向きを変える。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる