赤松一族の謎

桜小径

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播磨国騒乱

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播備作・黒田官兵衛前史 第三章「赤松晴政 その6 天下人・三好長慶と官兵衛の誕生」

1543年 

赤松晴政は備前、天神山城の浦上宗景と小競り合いを起こし、お互いに相手の砦を攻め落とす。 この小競り合いで、宗景側として後に備前の梟雄といわれる宇喜多直家が初陣して活躍する。 

戦国時代に「梟雄」(残忍な英雄)と呼ばれているのは、出雲の尼子経久、安芸の毛利元就、そして宇喜多直家です。これは、暗殺・謀略・調略が冴え渡りすぎていることから言われていますが、逆に言うと戦争という庶民まで巻き込むような残酷な事態にせず邪魔者だけを殺すということでは平和的な手段なのかもしれません。

ですから彼らを残忍と感じるのは、身分的に彼らと同じレベルかそれより上位の支配者層ということになります。

残忍なイメージのある織田信長は、逆に上位者からは頼りにされてたのではないかと思います。

中央では、細川高国の家督を継いだ氏綱が和泉で挙兵する。 

1544年 

比較的騒乱もなく晴政の播磨の名目上の支配は続き、晴政名義で荘園の支配についての書状が確認される。 

1545年 

小寺政職が小寺家の家督を継ぐ。これによって官兵衛の父らはさらに小寺家内部での発言権をもつことになる。黒田職隆、八代道慶に代わって姫路城主となる。 

1546年 

小寺と別所の間で諍いが大きくなったのか、赤松晴政が両氏を和解させる。 

この年、黒田官兵衛が誕生する。 

中央政界では再び戦乱が巻き起こる。細川晴元と足利義晴の関係が悪化し、義晴が加担した氏綱側が勢力を復活させ摂津を奪い取る。義晴は四国を地盤とする細川晴元や三好長慶より摂津周辺に割拠していた細川氏綱を重視しはじめ摂津派と四国派で戦闘が繰り返されることとなる。 

義晴は将軍職を隠居し、義輝を将軍に就ける。 

一時期、優勢になっていた義晴・義輝・氏綱側は三好長慶の活躍により再び窮地に陥る。 

1547年 

細川晴元方として活躍した三好長慶は氏綱方を圧倒し、摂津周辺を確保、義晴・義輝の将軍親子もついに晴元と和睦を結ぶ。 

一時の安定を取り戻した晴元・長慶は将軍義輝を擁し、赤松晴政と播磨国人に対して臨時税ともいえる賦課を命令。 

晴元側は勝利の一方で、三好長慶と同族であり晴元の側近であつた三好政長の揉め事が始まり、晴元の屋台骨として動いていた三好一族は分裂の危機を迎えることとなる。 

1548年 

小寺政職が別所氏の家臣となっていた妻鹿氏を討伐という記録。 

中央では、三好長慶の勢いが益々盛んとなる。 

長慶は父の元長の敗戦(自害)を裏で操っていた政長のせいだという認識と、三好党掌握のために政長の隠居を晴元に懇願、晴元はその要請を受け入れ政長を隠居させ、政長は家督を息子に譲ることとなるが、晴元の側近としての立場は手放そうとはしなかったのである。 

1549年 

三好政長の処分を巡り、長慶は主君である細川晴元と決定的対立を起こす。将軍、管領を敵に回しても政長を討つと宣言し挙兵。 

義晴・義輝の将軍親子と管領・細川晴元は、長慶の敵である政長支援を決定。 

両軍は政長の居城である江口城で戦闘開始。 

長慶は将軍らの到着前に江口城を攻略、将軍親子らは近江へと退転することとなり、都は三好長慶の支配下となる。 

近江に下った将軍親子は陪臣である三好長慶の態度に怒り心頭。長慶への徹底抗戦を主張し銀閣寺近くに中尾城を築くことを決定する。 

この年、鉄砲が初めて日本国の戦争で実用される。この中尾城を巡る三好長慶と細川晴元の戦いがそれである。 

中国道では毛利両川体制といわれる毛利元就を中心とした養子縁組、婚姻による統一政策が進んでいるが、まだまだ安芸国周辺、中国道は大内、尼子の二大党派に分かれている状況。

やっと、黒田官兵衛が誕生し、戦国時代の象徴的将軍の足利義輝も即位しました。 
細かく見てみると、本当の戦国時代の幕開けが、最初の天下人とも言われる将軍の陪臣・三好長慶の表舞台への登場なのかもしれません。
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