赤松一族の謎

桜小径

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赤松政則、急死!

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1496年

当主・赤松政則の急死により、赤松義村が家督を継ぐ。政則と同じく浦上則宗ら守護代級の家臣たちのパワーバランスの要となるが、幼少のため実権は父と同じく則宗のものとなる。

1499年

則宗の独走に反発した同じく浦上氏の浦上宗国は、則宗に襲い掛かる。後継問題で義村後継に納得しない赤松氏の一族をいただいた村国が則宗に叛旗を翻す格好となる東西取合合戦が起こる。

このとき、赤松家中は大きく三派に分裂することになる。

一つは義村と則宗の旧重臣派、一つは赤松勝範と宗国、一つはめし殿(細川氏)と別所則治。

結局、東西取合合戦で一番いいくじを引いたのは別所だと私は思います。

合戦に直接参加しない上に、めし殿を通じて発言権を大きくしたので、政則から得たという東播磨守護代の権利をさらに強固なものにしたとがその理由です。後に別所氏が播磨を代表する「戦国大名」となるのは、政則、細川、めし殿の取り立てがあったからといえそうです。

この合戦に始まる三派による諍いもまた幕府朝廷により、落着することになりますが、結局、赤松の家政は徐々に、めし殿に牛耳られていくことになります。

浦上氏は、村国一派と宗則一派の戦いのため疲弊しますが、その隙をついて浦上に襲い掛かるのが備前の有力国人の松田氏です。山名と結んだ備前福岡城の攻防によって一旦は引いた松田氏ですが、領地の接する浦上とは常に一触即発の状態でした。権勢の落ち始めた則宗を支えたのが宇喜多能家(よしいえ)。

備前のいや戦国日本列島を代表する梟雄・宇喜多直家の祖父です。

能家は戦上手で何度も浦上の窮地を救うこととなる、浦上氏にとっては大忠臣です。

1502年

浦上則宗死去。播備作の屋台骨が沈みます。

彼の後継者は浦上祐宗、細川吉兆家の重臣・安富元家の子とされる人物です。

赤松と同じく、家中不安定のため幕府の庇護をうけて勢力を安定させようという腹があったのか。。。。。それとも安富氏と宗則の間には血縁があったのかもしれません。

則宗の死後、赤松家中を完全に牛耳ったのがめし殿、そして彼女を盛り立てた別所氏が東播磨において、西播磨以西の旧勢力とは一線を画した独立的動きを強めていきます。

この後、義村が成人するまでめし殿の支配が続くことになります。

浦上祐宗により纏められたはずの浦上氏ですが、浦上則宗の甥の子である村宗がいつの間にか当主となり浦上宗則の立場を継ぐことになります。

さらにややこしくなってきましたm(_ _)m
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