脱サラニートになるつもりが、白魔導士の婚約者になりました

九条りりあ

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プロローグ

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――満天の星空。


風が吹き、ザザァと草や葉が擦れる音だけが耳に入ってくる静かな湖のほとり。数えきれないほどの星たちが輝く中を大きな真円を描いた月が、より一層輝きを放ち、湖の水面に映し出されていた。

そんな幻想的な夜景の中、月明かりに照らされた黄金色の髪を夜風になびかせ、夜空に浮かぶ月よりも眩しいほどの笑顔を浮かべて、“その男”は自身の左手を差し出しながら私に一言こう告げた。

『じゃあ、キミは今日から俺の“婚約者”だ』と。
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