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番外編1『僕と“彼”の出会いの日』
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♢ ♢ ♢
――僕と“彼”が出会ったのは、10年前のとある冬の寒い日だった
♢ ♢ ♢
『わあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
12歳の僕の絶叫が、白銀の世界に響き渡る。見渡す限りの、白!白!
『く、来るなああああああぁぁぁぁぁ!!!!』
シャリシャリと雪を踏みしめる音。ハァハァという息遣い。
『ぼ、僕を食べても美味しくないからなあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
僕の背後に迫るのは、獰猛な一匹の野犬。
『……――っ!!!』
僕こと、ルーカス・クレメンスは絶対絶命中。今の状況を簡潔に述べてしまえば、野犬に追われているわけで……。ちらりと背後を見ると
『ひぃっ――……!!!』
ギロリと大きな黒い双眼と目が合うわけで。僕の背丈ほどの大きな野犬の一匹がものすごい形相で追いかけてくる。気が付けば、それから逃れれるために、僕は両手と両足を必死に動かしていた。
(どうしてこうなった……?)
この場所は『カトレア』の王都『ガルシア』にほど近い森の中。この日は、僕の通う学校で『ガルシア』近郊に生える珍しい薬草を取る実習の日だった。
冬の寒い日にしか採れないと言われる貴重な薬草を二人一組で探す実習。仲のいい友人と二人で探しに出たまではよかった。30分ほど歩いて探し回り、件の薬草を見つけた時までもよかった。ちょうど友人も僕とは反対の少し離れた場所にあるのに気が付いて、貴重な薬草をたくさん持ち帰ることができると思ったところまでもよかった。お互い見える距離だ。手分けして取りに行ったところまではよかったと思う。けれど、薬草を摘み取り振り返った瞬間そこにいたのは、友人ではなく、『ひぃ――……野犬!!』だったのである。よだれを垂らしながらこちらを見つめる双眼に耐え切れなくなり、僕はというと『ちょ、おい!!!ルーカス!!!待て!!!!』、友人の制止する声を無視して、気が付けば走り出していた。
そんな命がけの駆けっこをしながら、全力疾走することどれほど経っただろうか。雪が降り積もり走りにくいただでさえ走りにくい足場。そんな中を全力で走り
『もう……無理――……』
当然ながら体力の限界は近かった。息がすっかりあがっている。
(あぁ、お父様、お母様、そしてお姉様――……)
威厳ある父に、優しい母、そして落ち込んでいるときにいつも励ましてくれる自慢の姉の顔が脳裏を過った。
噛みどころが悪ければ、ショック死することだってある。例え、その場で助かったとしても、この雪だ。歩けなければ助けも呼べない。友人が助けに来てくれたとしても、この寒さ。間に合わず凍死してしまうかもしれない。
もちろん一通り魔法はならっている。けれども、僕が得意なのは何か物を強化する強化魔法(エンチャント)である。剣や弓があればまたどうにかできたかもしれないのに。けれども、詠唱だけで相手をどうにかできる魔法を僕は使えない。
(考えれば考えるほど絶望的だ)
……――けど、そうも言っていられない。一か八かだ。
『風よ!我に従い、舞い上がれ!』
踵を返して、僕は魔法陣を展開させた。僕を中心に魔法陣が輝き始めた。それに気圧されたかのように野犬はぴたりと足を止めた。
(今だ――……!!)
『突風魔法(エアレイド)!!!!』
魔力を集中させ、周囲の風を操った――……。
『あれ?』
『ガル?』
……――つもりだった。
野犬と僕が声を発したのはほぼ同時。僕が放った魔法はそよ風になり、野犬の体を撫でただけだった。
『ガルルルル』
つまり
『やっぱりこうなるかああああああああああぁぁぁぁ!!!』
『ガルルルル!!!』
……――駆けっこ続行。
僕は左右の腕、足を思いっきり振り回した。
『ちょっと、来るなああああああぁぁぁぁぁぁ!!!』
けれども、足を動かすたびにどんどん重くなっていくわけで……。
『わっ!!』
叫んだときは遅かった。体が前に倒れていく。つんのめってしまったんだと他人事のように思った。ガルルルルという野犬の鳴き声がすぐ近くまで迫ってくる。
『……――っ!!!』
(逃げなきゃ!!)
地面に手をつき、どうにか体勢を整えようと起き上がろうと腕に力を入れた瞬間
『そのまま伏せてて!!!!』
『……――っ!!』
甲高い子どもの声が聞こえた。咄嗟に動くのをやめた。その刹那
『風よ!我に従い、舞い上がれ!突風魔法(エアレイド)!!』
その声に呼応したかのようにゴゴォーと音がした。それと同時にひんやりと気温が下がったような気がする。風で冷気が舞い上がったんだと思った瞬間、ばたりと何かが倒れる音がした。恐る恐る背後を見ようとしていると
『立って!』
ぐいっと腕を引っ張られた。
白銀の世界の中、その亜麻色の髪とエメラルドグリーンの瞳はひと際目を引いた。僕よりも小さな10歳ほどの子ども。もしかしたら、10歳も数えてないのかもしれない。背丈は僕の肩辺り。思わず口をぽかんと開け呆気に取られていると
『気絶させただけだから!早く!』
『わっ!』
思いの外強い力で引っ張り上げられた。瞬く僕をよそに彼は僕の腕を掴んだまま、引っ張った。
言われるがまま足を数歩動かし、わずかに後ろを向けば
『伸びてる――……?』
野犬が体を横たえ倒れていた。腕が引っ張られ、自然足もつられて歩いた。引っ張られている方を向けば、目の前で柔らかそうな亜麻栗色が動くたびにそよそよと動いていた。
♢ ♢ ♢
『……――ここまでくれば大丈夫かな』
そう言って彼が足を止めたのは、野犬が倒れた場所からだいぶ離れた場所。氷に覆われた湖があるその場所は開けていて、見通しがいい。それに、太陽の光に照らされ、白く光り輝いている。もし、野犬が来ても、すぐに発見できる。
『怪我はない?』
ぱっと僕から手を離して僕の方を見る彼は心配そうに顔を傾げていた。二重瞼の大きなエメラルドグリーンに、長いまつげ、そして透き通るような白い肌。幼いがかなり顔の造形が整っているということだけは見て取れた。
(完全に年下だ――……)
あどけないその顔を見て、つい心の中で思ってしまった。年下に助けられるなんて、情けない――……。
『何か?』
『え?あ――……、いやその――……』
ついまじまじと凝視してしまったようだった。不思議そうに首を傾げる彼に、僕は『な、何でもないよ。キミのおかげで、怪我もないし』と慌てて言いつくろった。『そっか、なら、よかった』と笑う彼に、『ありがとう』と僕はお礼を言った。
『僕もたまたま通りかかっただけだから』
『そっか、この近くに住んでいるの?』
わずかにエメラルドグリーンの瞳を細める彼にそう尋ねると、そうだと首を縦に振った。
『そっか、僕はここで採れる薬草を探してて――……、気が付いたら野犬に追われていたんだ。そしたら君が――……』
と言いかけて自らが名乗っていないことを思い出した。野犬から助けてくれた命の恩人だ。
『ごめん、名乗ってなかったね。僕は、ルーカス。ルーカス・クレメンス。君のおかげで助かったよ』
ありがとう、と笑って手を差し伸べると
『ルーカス・クレ……メンス?』
虚を突かれたかのように彼はそのエメラルドグリーンの双眼を大きく開いた。なぜこんなにも驚かれるのかと思わず目を瞬かせると
『もしかして、君はレナ姉――……エレナ・クレメンスの弟!?』
がしっと両手を掴まれた。
『え?そうだけど?姉さんを知っているの?』
対して彼を見るとコクコクと細かく何度も頷いた。それがまるで小動物のようで思わず微笑ましくなり思わず口元が緩みかかっていると
『僕は“エレナ・クレメンス”の婚約者で、“レイ・ガルシア”。キミとは長い付き合いになりそうだ』
にこりと笑いながら“彼”はとんでもないことを二つも口にして
『お姉様の……婚約者――……?レイ……ガルシア?』
僕は思わず顔を引きつらせた。
『ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』
白銀の世界に僕の絶叫が響き渡った。
【これが、僕と“彼”の衝撃的な出会いだった】
――僕と“彼”が出会ったのは、10年前のとある冬の寒い日だった
♢ ♢ ♢
『わあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
12歳の僕の絶叫が、白銀の世界に響き渡る。見渡す限りの、白!白!
『く、来るなああああああぁぁぁぁぁ!!!!』
シャリシャリと雪を踏みしめる音。ハァハァという息遣い。
『ぼ、僕を食べても美味しくないからなあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
僕の背後に迫るのは、獰猛な一匹の野犬。
『……――っ!!!』
僕こと、ルーカス・クレメンスは絶対絶命中。今の状況を簡潔に述べてしまえば、野犬に追われているわけで……。ちらりと背後を見ると
『ひぃっ――……!!!』
ギロリと大きな黒い双眼と目が合うわけで。僕の背丈ほどの大きな野犬の一匹がものすごい形相で追いかけてくる。気が付けば、それから逃れれるために、僕は両手と両足を必死に動かしていた。
(どうしてこうなった……?)
この場所は『カトレア』の王都『ガルシア』にほど近い森の中。この日は、僕の通う学校で『ガルシア』近郊に生える珍しい薬草を取る実習の日だった。
冬の寒い日にしか採れないと言われる貴重な薬草を二人一組で探す実習。仲のいい友人と二人で探しに出たまではよかった。30分ほど歩いて探し回り、件の薬草を見つけた時までもよかった。ちょうど友人も僕とは反対の少し離れた場所にあるのに気が付いて、貴重な薬草をたくさん持ち帰ることができると思ったところまでもよかった。お互い見える距離だ。手分けして取りに行ったところまではよかったと思う。けれど、薬草を摘み取り振り返った瞬間そこにいたのは、友人ではなく、『ひぃ――……野犬!!』だったのである。よだれを垂らしながらこちらを見つめる双眼に耐え切れなくなり、僕はというと『ちょ、おい!!!ルーカス!!!待て!!!!』、友人の制止する声を無視して、気が付けば走り出していた。
そんな命がけの駆けっこをしながら、全力疾走することどれほど経っただろうか。雪が降り積もり走りにくいただでさえ走りにくい足場。そんな中を全力で走り
『もう……無理――……』
当然ながら体力の限界は近かった。息がすっかりあがっている。
(あぁ、お父様、お母様、そしてお姉様――……)
威厳ある父に、優しい母、そして落ち込んでいるときにいつも励ましてくれる自慢の姉の顔が脳裏を過った。
噛みどころが悪ければ、ショック死することだってある。例え、その場で助かったとしても、この雪だ。歩けなければ助けも呼べない。友人が助けに来てくれたとしても、この寒さ。間に合わず凍死してしまうかもしれない。
もちろん一通り魔法はならっている。けれども、僕が得意なのは何か物を強化する強化魔法(エンチャント)である。剣や弓があればまたどうにかできたかもしれないのに。けれども、詠唱だけで相手をどうにかできる魔法を僕は使えない。
(考えれば考えるほど絶望的だ)
……――けど、そうも言っていられない。一か八かだ。
『風よ!我に従い、舞い上がれ!』
踵を返して、僕は魔法陣を展開させた。僕を中心に魔法陣が輝き始めた。それに気圧されたかのように野犬はぴたりと足を止めた。
(今だ――……!!)
『突風魔法(エアレイド)!!!!』
魔力を集中させ、周囲の風を操った――……。
『あれ?』
『ガル?』
……――つもりだった。
野犬と僕が声を発したのはほぼ同時。僕が放った魔法はそよ風になり、野犬の体を撫でただけだった。
『ガルルルル』
つまり
『やっぱりこうなるかああああああああああぁぁぁぁ!!!』
『ガルルルル!!!』
……――駆けっこ続行。
僕は左右の腕、足を思いっきり振り回した。
『ちょっと、来るなああああああぁぁぁぁぁぁ!!!』
けれども、足を動かすたびにどんどん重くなっていくわけで……。
『わっ!!』
叫んだときは遅かった。体が前に倒れていく。つんのめってしまったんだと他人事のように思った。ガルルルルという野犬の鳴き声がすぐ近くまで迫ってくる。
『……――っ!!!』
(逃げなきゃ!!)
地面に手をつき、どうにか体勢を整えようと起き上がろうと腕に力を入れた瞬間
『そのまま伏せてて!!!!』
『……――っ!!』
甲高い子どもの声が聞こえた。咄嗟に動くのをやめた。その刹那
『風よ!我に従い、舞い上がれ!突風魔法(エアレイド)!!』
その声に呼応したかのようにゴゴォーと音がした。それと同時にひんやりと気温が下がったような気がする。風で冷気が舞い上がったんだと思った瞬間、ばたりと何かが倒れる音がした。恐る恐る背後を見ようとしていると
『立って!』
ぐいっと腕を引っ張られた。
白銀の世界の中、その亜麻色の髪とエメラルドグリーンの瞳はひと際目を引いた。僕よりも小さな10歳ほどの子ども。もしかしたら、10歳も数えてないのかもしれない。背丈は僕の肩辺り。思わず口をぽかんと開け呆気に取られていると
『気絶させただけだから!早く!』
『わっ!』
思いの外強い力で引っ張り上げられた。瞬く僕をよそに彼は僕の腕を掴んだまま、引っ張った。
言われるがまま足を数歩動かし、わずかに後ろを向けば
『伸びてる――……?』
野犬が体を横たえ倒れていた。腕が引っ張られ、自然足もつられて歩いた。引っ張られている方を向けば、目の前で柔らかそうな亜麻栗色が動くたびにそよそよと動いていた。
♢ ♢ ♢
『……――ここまでくれば大丈夫かな』
そう言って彼が足を止めたのは、野犬が倒れた場所からだいぶ離れた場所。氷に覆われた湖があるその場所は開けていて、見通しがいい。それに、太陽の光に照らされ、白く光り輝いている。もし、野犬が来ても、すぐに発見できる。
『怪我はない?』
ぱっと僕から手を離して僕の方を見る彼は心配そうに顔を傾げていた。二重瞼の大きなエメラルドグリーンに、長いまつげ、そして透き通るような白い肌。幼いがかなり顔の造形が整っているということだけは見て取れた。
(完全に年下だ――……)
あどけないその顔を見て、つい心の中で思ってしまった。年下に助けられるなんて、情けない――……。
『何か?』
『え?あ――……、いやその――……』
ついまじまじと凝視してしまったようだった。不思議そうに首を傾げる彼に、僕は『な、何でもないよ。キミのおかげで、怪我もないし』と慌てて言いつくろった。『そっか、なら、よかった』と笑う彼に、『ありがとう』と僕はお礼を言った。
『僕もたまたま通りかかっただけだから』
『そっか、この近くに住んでいるの?』
わずかにエメラルドグリーンの瞳を細める彼にそう尋ねると、そうだと首を縦に振った。
『そっか、僕はここで採れる薬草を探してて――……、気が付いたら野犬に追われていたんだ。そしたら君が――……』
と言いかけて自らが名乗っていないことを思い出した。野犬から助けてくれた命の恩人だ。
『ごめん、名乗ってなかったね。僕は、ルーカス。ルーカス・クレメンス。君のおかげで助かったよ』
ありがとう、と笑って手を差し伸べると
『ルーカス・クレ……メンス?』
虚を突かれたかのように彼はそのエメラルドグリーンの双眼を大きく開いた。なぜこんなにも驚かれるのかと思わず目を瞬かせると
『もしかして、君はレナ姉――……エレナ・クレメンスの弟!?』
がしっと両手を掴まれた。
『え?そうだけど?姉さんを知っているの?』
対して彼を見るとコクコクと細かく何度も頷いた。それがまるで小動物のようで思わず微笑ましくなり思わず口元が緩みかかっていると
『僕は“エレナ・クレメンス”の婚約者で、“レイ・ガルシア”。キミとは長い付き合いになりそうだ』
にこりと笑いながら“彼”はとんでもないことを二つも口にして
『お姉様の……婚約者――……?レイ……ガルシア?』
僕は思わず顔を引きつらせた。
『ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』
白銀の世界に僕の絶叫が響き渡った。
【これが、僕と“彼”の衝撃的な出会いだった】
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