甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

Love gauge:30 楽し過ぎる夜

＊9＊

*****

ろうそくを立てたりはしなかったけれど、デザートまで食べ終わるとトキに『誕生日って何するんだ？』と聞かれた。『ご飯を食べたり、写真を撮ったり、ゲームしたり？』と答えると、『写真撮るか。』という意外な言葉が返ってきた。

ダイニングで向かい合わせに座った状態で棚の上にセットした私のスマホで写真を撮った。『送りましょうか？』と言ってから、彼の仕事用のメールアドレスと電話番号しか知らないことに気がつく。『・・・いや、いい。』と言われて少し寂しくなるものの、一緒に写真を撮ってくれただけでもありがたいと思った。

『・・・ゲーム、こっちでするか？』と言ってくれ て、リビングのテレビで一緒にゲームをすることになった。

私が後片付けをする間にゲームをセットしてくれようとするトキに念の為『翻訳は進めないんですか？』と聞くと『今日はもう仕事はいいよ。俺だけの誕生日ならどうでもよかったけど。』と答えてくれたのでホッと胸を撫で下ろす。『仕事に戻る。』などと言われたらきっとしゅんとしてしまったと思う。