甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

Love gauge:30 楽し過ぎる夜

＊5＊

「だからその、に、新妻っぽくてそそるな、と思ったんだよ・・・悪いか！？」

「・・・にに、にいづま！？そそる！？・・・な、な、そそそんな、なんでキレてるんですか。」

「キレてねえし。」

「キレてますよ。」

「キレてねえから。」

「キレてます。」

照れてトマトのように真っ赤になり、むきになっているトキが子どもっぽくて可愛らしく、また彼に負けず劣らず照れてしまってむきになっている自分もおかしくて笑いが込み上げてくる。

「「ぷぷっ！」」

二人同時に笑いだし、しばらく笑ってからトキが『や、暑いからアイスでも食おうと思って。』と言った。

「・・・あ、ああの、夕食は・・・？」

「冷凍のお好み焼きかたこ焼きかな。」

「粉ものの気分なんですか？」

「別にそーいうわけでもないけど。」

「あ、あの、あの・・・。」

「・・・何？」

「えっと、今日ってお誕生日・・・ですよね？」

「？・・・あ、そうだった。」

トキはキッチンカウンターの上に置かれたカレンダーを見て日付を確認してなんてことないように言った。

「まぁ、だからって特に特別なことはないっていうか、飯も冷食でいいけど。」

「！」

───そっか、そういうタイプなんだ。やっぱり余計なことしちゃったな。

しゅんとしていると冷蔵庫の方にやってきた彼は私の目の前の料理を見て目を見開いた。