悪女令嬢に転生したので、ヒロインを破滅させてでも幸せになってみせる

りん

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序章

エピローグ

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「魔王、ね」

 全く失礼な話だが、実は当たらずとも遠からずである。
 実際、DLCパートでは第二の魔王扱いだったし。

 ともあれ、無事目的達成だ。
 二度目に影が削られた時は危うく魔力切れになるかと思った。
 念のためにゾンビを大量生産していたのが裏目になるところだ。
 何せ逃げられるのが一番困るからせっせと用意していたわけだが、意外と役に立って良かった。
 結局単独ではどうにもならなかったのは心残りだが、結果良ければ全て良し。

 後は洗脳の結果次第ではあるが、心配はいらない。
 浅黒い男については失敗してしまったが、あれは予定通りなのだ。いや、成功するならそれに越したことはなかったのだが、別にどちらでも良かった。
 生前のゾンビたちに洗脳魔法の練習を行っていたのだが、上手くいくときといかない時があった。
 色々試した結果、今から洗脳されるという意識が強いほど上手くいきやすいことが分かった。
 具体的には、目の前で洗脳魔法を使った後だ。
 恐らく、洗脳なんかされてたまるか、みたいな強い意志があると精神が壊れにくいのだと思う。ちょっと面倒だが、これも練度が上がれば成功率は上がると思う。

 そして、今回の手応えは、上手くいくときの手応えだ。

「ん、よし」

 手を放し、顔を包む影を外す。
 念のために縛るための影は外さない。

「おはようございます、おじ様。気分はいかがですか?」
「……あぁ、おはようございます。気分は快調です。えぇ、今までにないほどに」

 顔に敵意は感じない。
 見たところ、大丈夫そうに思えるが。

「ではおじ様、貴方の名前を教えて頂けますか?」
「クラウスと申します。そうお呼びください」
「そうですか。ではクラウス、私のことはエイラと呼びなさい」
「かしこまりました。エイラ様」

 態度も従順。
 ゾンビたちと影の縛りを外した。

「クラウス、命令です」
「はい、なんでしょうか」
「自害しなさい」
「はい、直ちに」

 自由になった両手で懐からナイフを取り出したクラウスが、迷いなく自身の喉を突いた。

「エイラ様、何故邪魔をなさるのでしょうか」

 切っ先を影で受け止めた私に、クラウスは不思議そうに問いかけた。
 ナイフには未だ力が込められている。私が影をどければ、今すぐにでもクラウスは死ぬだろう。

「クラウス、命令は取り消します」
「かしこまりました」

 クラウスがナイフを下ろし、懐にしまった。
 私に向けようとする様子はない。
 これなら、上手くいったと思って良いだろう。

「ではクラウス、貴方の主人は誰ですか?」
「エイラ様です」
「……あー、訂正します。元主人の名前と、目的は何ですか?」

 クラウスは雄弁に語り始めた。



「ふむ……」

 クラウスから話を聞く限り、凡そは私の予想通りだったようだ。
 主犯はこの国の高位の貴族。私は知らない名前だったが、多分無名ではないと思う。
 目的は婚約の破談だったそうなので、私と同年代の娘でもいるのだろう。
 現在は匿名で父と交渉中だそうで、クラウスは念のために私の様子を確認しに来たらしい。
 ちなみにアウラやあの夫婦のことは依頼外なので、ここの男たちが勝手にやったことだと、クラウスは言っていた。ちょっとイラついたので一発ビンタしたが、まあご愛嬌だ。

 聞きたいことは、まあ大体聞けたか。

「クラウス、私とアウラの帰宅の手配と、例の男の捜索を」
「かしこまりました。帰宅については、どのように」
「あー、そうですね。あまり騒ぎにはしたくないので、適当な木箱にでも包んで門の前に置いておいてください」
「……失礼ながら、かなり目立つかと」
「私が魔法で隠します。目立ちませんし、貴方も見つかりませんよ」
「そうでしたか、出過ぎたことを」
「いえ、これからも思ったことがあれば言いなさい。私も間違えることはあります」

 仰々しく跪くクラウスに命令しつつ、ゾンビたちに掛けた魔法を解いていく。
 別に維持するのに魔力が必要なわけでもないが、ゾンビが見つかるリスクを冒してまで残しておきたい戦力でもない。

「エイラ様、こちらの男は」
「それは放置しておいてください。どうせ、何もできません」

 浅黒い男には、何もしない。
 何もしなくても、放っておけば勝手に飢えて死ぬだろうし、たった一人を除いて、誰が見つけても治せない。
 何を思うこともなく、ただ消えていくだけだ。
 失敗するとき、そういう風に壊した。

「エイラ様が帰宅なされた後は、どのように」
「私の命令を最優先にしつつ、以前の通り、気付かれぬように元主人に仕えるフリを。怪しい動きがあればすぐ、無くても定期的に報告してください」
「報告の方法はどのように」
「自分の影に魔力を込めて話しかけなさい。それで私には聞こえます」
「かしこまりました」

 私の影の一部を切り取ってクラウスに貼り付けているのだ。
 魔力で活性化させれば、私と繋がる影とも共鳴するだろう。
 ゲームでは登場しなかった使い方も、何故だか大量に思い付く。

「あぁ、丁度いい箱がありますね。これに入るので、配送を頼みます」
「……かしこまりました」
「あと、もう一つ、家に帰る前に寄ってほしい場所があります」



 衛兵が扉の横に立つ、物々しい雰囲気のある民家に、私は来ていた。
 どうやら、彼らのことは既に知れ渡っているようだ。

 魔法で私とクラウスを隠し、衛兵に気付かれぬように家に入った。
 便利なものだ。これがあの時あれば、何かが変わっただろうか。
 玄関にべったりと染み付いた血痕を見て、私はそう思った。

 実のところ、内装のことはよく知らないので、一部屋一部屋見て回り、寝室を見つけた。

「……」

 ここにも、べったりと血痕が残っている。
 遺体は既に片付けられたようだが、痕跡は消えるものではない。
 ふと、頬に触れてみた。
 私の手は子供のくせにひんやりと冷たくて、あの温かさは思い出せそうにない。

「クラウス」
「はい」
「ここの夫婦の墓の場所を、調べておいてください」
「かしこまりました」

 私の元の服を回収し、血や汚れを魔法で隠しておく。
 消えるわけではないが、認識できなくなれば無いのと同じだ。
 ぱぱっと着替えて、今まで着ていた服は畳んで懐にしまった。
 今となっては、彼らから貰ったものはこれだけだから。

「帰ります。今度こそ、配送を」
「かしこまりました」



 ◆



 エイラ・フォーレンス失踪事件は、貴族間ですら話題になることなく終結した。

 下手人の所在は既に判明していたが、その場所にあったのは夥しく悍ましい殺戮の跡と、正気を保っていない下手人の頭領と思われる男だけ。
 その男も、度重なる質問に一切答えることはなく、一切の食事や水を摂ることなく獄中にて枯れ死んだ。
 この事件に関わった者は誰一人生き残っておらず、故に真相は誰にも分かっていない。

 また、幸運にもというべきか、被害者であるエイラ本人も事件の際の記憶を一切覚えていなかったことも、真相を辿れぬ一因だろう。

 そのエイラだが、誰が彼女を救出したのかは未だ分かっていない。
 門兵によれば、気付けば門の前に木箱が転がっており、その中に眠るエイラと、既に亡くなったアウラが詰められていたそうだ。
 彼女らの名誉を重んじ、この失踪事件は初めからなかったこととし、アウラは暴漢に襲われた際、エイラを庇ったことが原因で亡くなった、ということになった。

 エイラの父であるフォーレンス卿は調査を続けるとしているが、それが意味を結ぶことがあるかは誰にも分からない。



 どうしてこうなったのだろうか。

「はあ、はあ」

 男は、逃げていた。
 誰からか、それは分からない。

 ほんの数日、拠点から席を外していたら、帰ったときには全てが終わっていた。
 見覚えのある顔に蛆が湧き、頼りがいのある頭領が正気を失った姿は、彼を恐怖で苛むには充分過ぎる破壊力があった。
 下手人が誰か分からず、故に誰に怯えれば良いのかも分からない。
 目に入る全ての人間が、自身と金を狙っているような気さえする。
 だから、彼らから受け取った、元主人の娘を売って手にした金貨だけが、今の彼の拠り所だ。

 きっと、今すぐにでもこの街から出て行くべきなのだろう。
 幸い、馬の扱いには自身があり、馬を買うだけの金もある。
 だが、そのためには今信じられる全てを手放さなければならない。

 馬は高い。おまけに、維持するための額も馬鹿にはならない。
 元主人のところに居た頃は、そんなこと気にしたこともなかったが、今となっては稼ぐあてもない以上、金は大切に使う必要がある。

「う、うぅ」

 どうしたら良いのだろうか。
 あの頭領に誘いを掛けられた時には、こんなことになるとは思わなかった。
 彼が元主人の娘を裏切ろうと思ったきっかけは、そう大したことではない。
 金が欲しかったのだ。
 念のために言っておくと、彼は御者として充分な給金を受け取っていた。
 それこそ、少々遊びに使おうと生活に困ることはまずない程度には。

 しかし、彼には悪い癖があった。
 財布が重くなると気が大きくなってしまうという癖が。
 お陰で給金を貰ってもすぐに財布が軽くなる。貯金など溜まろう筈がなく、彼は借金に手を出すことになった。
 それでも、大人しく働いていればすぐに返せたであろうことは疑いようもないが、そう簡単に性根が変わるなら、借金で身を持ち崩す者は居ないだろう。

 そんな折に、男に声が掛かったのだ。
 男はすぐさま頷いた。
 金が欲しかったのも大きな理由だが、もう一つ。
 あの家庭教師とかいう女が気に食わなかった。

 元々、彼女の送迎を担っていたのは男だった。
 それ自体は面倒だが、異論はなかった。仕事が増えればその分給金は増えたからだ。
 だが、送迎の度、男は彼女に見下されているように感じていた。
 実際のところを言えば、それはただの勘違いである。そもそも彼女はたかだか御者に気を払っていない。眼中にない、という意味では確かに見下されているようなものかもしれないが。
 ともかく、男はそれが不快だったのだ。
 だからこそ、男は頭領からの誘いを受けた。

 計画は一切の瑕疵なく上手く進んだし、無事に金も貰い、おまけに気に食わない女で楽しむことまでできた。
 全て、上手くいっていた。

 どうしてこうなったのだろうか。

「みぃつけた」

 蹲る男の耳に、幼く、それ故に甲高い、聞き覚えのある声が届いた。

「ぇ」
「久しぶり、というほどでもないけれど、しばらくぶりね」

 目線を合わせるためにしゃがみ込む、優しく微笑む少女を、男は知っている。

「お、お嬢様」
「ふぅん……まだ、私をそう呼ぶの。とっくに見限られたのだと思っていたわ」

 思っていたよりもずっと棘のある返答に、男は二の句が継げなかった。

「まあ、何でもいいけれど。別に、お話しに来たわけじゃないし」

 呆れたような溜息と同時、身体が動かなくなった。

「え、あ?」
「貴方の事情は、大体聞いたわ。くだらない理由で裏切ってくれたものね」

 優しい微笑みはどこへやら。
 目を細め、不快そうに吐き捨てた少女は、その見目に似合わぬ貫禄を備えている。

「動機が何であれ、許すつもりはなかったけれど……ここまでだとは思わなかった」

 そう言って、少女は男の懐に手を入れ、金貨をしまった財布を盗っていった。

「そ、れは!」
「なに? 泥棒とでも訴えてみる? 別に心配しなくても、持って行ったりはしないわよ」

 つまらなそうに財布を開き、少女が中を検める。
 硬貨のこすれる音が、周囲に響く。

「思ったより少ないわね。使ったの?」
「……いや、あいつらに貰った金は、使って、いません」
「それでこれ? ……流石に足元見られすぎでは……?」

 後半部分は聞こえなかったが、馬鹿にされていることだけは男にも伝わった。
 ぐっと睨みつければ、少女は目を逸らした。

「や、ともかく、とっくに街から出て行ったと思っていたのに、どうしてまだこんなところに居たの?」
「……」

 押し黙る男に何を思ったのか、少女は再び溜息を吐いて財布を男の懐に戻した。

「さて、さっきお話に来たわけじゃないと言ったけれど、何をしに来たのかは言っていなかったわね」

 そう言われ、確かにと男は思った。
 何故、彼女はわざわざ男の元を訪ねたのだろうか。
 そんな疑問を脳内で咀嚼し、それからさあっと顔を青褪めさせた。

「あら、意外と察しは悪くないのかしらね?」
「お、わ、私を、どうするつもりで……」
「殺すわよ。理由に関しては、自分が一番分かっているでしょう?」

 どこまでも冷静に、冷徹に殺害を宣言した少女はゆっくりと立ち上がった。
 動けない男を見下ろす少女は、男の知る少女とはまるで別物だ。
 男の知る少女は、博愛的ではなかった。けれど、差別的でもなく、平民の男ですら馬鹿にしていたようには見えなかった。
 こんな、こんな冷ややかな目をする少女を、男は知らない。

「どうやって貴方を殺すか、少し考えたの」

 まるで夕飯の相談でもしているかのように、少女は語る。

「特にむかついた奴は、ちょっとだけ特別な方法で殺していてね」

 指折り数え、少女は語る。

「一人は首を絞めて、苦しくて窒息する寸前に首を裂いた」

 語る。

「もう一人は、できるだけ痛いようにして精神を壊した」

 語る。

「そして、貴方はその三人目」

 語る。

「貴方たちのお陰で知ったのだけれど、お腹が空くって苦しいのね」

 腹部をさすり、少女が沈痛に目を閉じた。

「だから、貴方はそれにした」

「貴方を縛っている魔法は特別でね」

「私が近くに居なくても、使ったままにできるの」

「その分、使える影は減るし、魔力も減り続けるから、あまりやりたくはないのだけど」

 人差し指を唇にあて、少女は妖艶に笑う。

「貴方は、特別よ?」



 それから一月後、とある人気のないスラムの路地裏で、糞尿に塗れた男の死体が発見された。
 身ぐるみは剝がされていたため、誰かの特定には至っていないが、がりがりに痩せた死体の状態から、飢えて死んだものと思われる。
 だが、その割に乾いた様子はなく、水分だけは補給できていたようだ。


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