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10日目/岡崎 優輝【ダメダメな報告】

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「明日退院か~」


病室の窓から外を見ながら呟いた。

昨日三神さん達が帰ってから、ずっといろいろ考え混んでいた。

面会で会った彩芽さんの事………それに霊?の彩の事………申請書の事………夕飯も何を食べたのか覚えてない程寝るまで考えていた。


多分だが彩は彩芽さんを妻にさせたいのだろう、「一緒にいたい」と彩芽さんに思わせる様にしたのか純粋にそう思ってくれたのかはわからないが………正直容姿は彩の若い頃はこんな感じだったのかな?と思う程どこか似ていた。


前の世界では俺は一途だったと思う………風俗が浮気に入らなければだが………

気持ち的にも彩とは死に別れたと言っても離婚したつもりも別れたつもりもない。婚姻中?とでも言えばいいのか………


それなのに妻?元妻?に次の妻を紹介された感じだし、浮気を勧められるし、隠子?いや堂々と沢山子供を作れと………


なんじゃこりゃ?


この世界の状況は何となくわかった………わかったが前の世界の常識がある俺としては、どうにもこの状況を『はい、そうですか』と受諾出来ないでいた。


妻を複数持つ事が許された世界………簡単に考えれば男にとって夢の様なんだよな?

でも現実な問題で養えればの話だよな?ん?確か国から男の子が産まれた場合月々20万支給されるなら可能なのか………


そんな風にこれからの事を考えていると、病室の扉をノックする音が聞こえた。


「優輝く~ん!起きてる?朝食持ってきたわよ~♪」


相変わらずの口調で武ちゃんが持って来てくれた。

これも明日の朝で終わりか~


「武ちゃん、ありがとうございました。いただきます。」


そうして朝食を食べ始めた。


「な~に~その言い方!まだ1日あるじゃない。それに退院するまで何があるかわからないわよ~」


はい?え?何が?いやいや普通あと1日に過ごせば退院するよ俺。


「や~ね~そんな顔して、わ・た・し・の勘よ。」


なんだただの勘か~って何それ?


「そ、その勘ってよく当たるの?」


「さぁ~どうかしらね~♪」


ニヤニヤした顔の武ちゃん………あんたそんなキャラでしたっけ?


そう思いながら朝食の牛乳を飲んでいると………廊下から足音?



そして突然扉が開いた。

誰?何事?

驚いて見ると入ってきのは………鈴鳴先生だった。目の下には見事なクマ………ボサボサの髪………徹夜明けかな?


「受精した!」


「ブゥフッ!」


メッチャ器官に入ってしまってむせてしまった。

いきなり何言ってるんですか~!?


「鈴鳴先生ま・た・徹夜で研究してたんですか?院長からも回診に差し支えるから止めるように言われてましたよね?」


呆れたように武ちゃんが鈴鳴先生を戒めた。

ま・た・?


「こ、今回は違うんだ。研究と言えば研究だが、私の採取しておいた卵子に優輝のをかけたら見事に受精して、分裂が始まったから過程を見ていたら朝になってたんだ。それより受精卵のグレードも信じられないぐらい良いいんだ!これなら私の作った着床薬を使い移植すれば妊娠率が6割………いや7割を超えるかもしれない、7割だぞ!これがどれだけ凄い事か、喜ばずにいられるか?」


必死に弁解?いや研究者が実験に成功したから報告?したいのかな?


でも………あんた何やってくれてるんですかー!


勝手に自分の卵子と俺とので受精卵作っちゃったりします?



呆れて鈴鳴先生を見ていたが、視界にいるもう一人………武ちゃんがプルプルと震えているのに気が付いて顔を見ると………あっ!鬼だ!鬼がいた!!!


「ス・ズ・ナ・リ・セ・ン・セ・イ………とうとうやりましたね?男性の許可も取らずに………今までもギリギリ犯罪に手を染めてなかったのに………今度ばかりは言い逃れできませんからね!」


おぉ~ヤバッすっげ~怖い………オカマっぽい人ってどうして怒ると普通の人の2倍3倍ぐらい怖いんだろ?

俺だけかな?


さすがに鈴鳴先生も青い顔で震えてるし………


「わ、わた、私と優輝君は子作りする事になったんだから、っも、問題はない………………はずだ。」


あれ?なんでもう知ってるの?三神さんからかな?

でも………ほほう、そう来たか………「ン~~~」一理あると言えばそうなんだけど………でもやっぱりそれは俺の許可が別に必要ですよね?

アウト?グレー?移植してないからセーフ?また微妙な所を………と目を瞑って考えていると、急に両肩を強く掴まれ揺らされた。誰?と驚いて目を開くと武ちゃんが


「ど、どういう事よ優輝君!子作りって!男性が自分からあれを出すなんてありえない!どんなに弱みや脅迫されたって書いちゃダメなのよ。わかってるの?!」


いや、ちょっとそんな揺らさないで!さっき食べてた物出ちゃうから!


「ちょ、ちょっと待ってストップ!ストップ!」

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