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9日目/岡崎優輝【運命の面会⑤】
しおりを挟む「え?いや証明とか出来るの?」
「ん~どうやって証明しよっかな?」
顎あごに人差し指をあてながら悩んでいる。
もうその仕草だけで彩とわかった気がするんだけど………
「そうだ!私とゆう君しか知らない事を言えばいいんだ!ん~~~」
今度は目を瞑つむり、先程と同じく顎に人差し指をあてて「ん~~~」と唸っている。
二人しか知らない事となれば色々思い出が浮かび上がってくる。出会いから初デート…結婚式に新婚旅行など沢山ある。
不妊治療はストレスとの闘いと言っても過言ではないほどキツイ。
その為にあまりお金がかからない程度で、車での旅行をして気分転換などをしていた。
その旅先での出来事など沢山思い出があった。
どんな思い出の話が出てくるんだろう?
俺はある意味期待………待て!期待?俺の知っている彩なら期待の斜め下が来るに決まってる。
いい思い出より何か弱味的な……
そんな事を考えていたら、彩芽さんのお母さんに乗り移った彩が
「初エッチは11回!」
「………ぐふっ」
まさか精神的なダメージで漫画なんかで出る台詞セリフが自然に自分の口から出るなんて……
「いや~あの時は流石に私も腰とアソコ痛かったな~」
「ふ、普通に今言うなよ!」
と勿論ツッコミを入れた。
そりゃ~若かったし好きな女を初めて抱くとなれば普通テンションも上がるよね?
「あっ!あとチャイナとナース服のコスプレ好き!」
「…げふっ」
心をえぐられると血を吐きそうな気分になった。
俺は早々に諦めた………早く認めなければ死んでしまう。
「彩!認めるから………間違いなく彩だ!証明終わりにしてくれ!」
俺は両手をあわせて頭を下げてお願いした。彩も理解してくれたようで両手を腰にあて胸を張って「どんなもんよ!」みたいな顔をしていた。
「まだまだあったんだけどな~♪」
あ、危なかった。これ以上恥ずかしい話を出されたら悶絶死してしまう。誰かに聞かれたらどんな目でみられるかわかったもんじゃない………ん?
あっ!彩の後ろで顔を赤らめてる彩芽さんが………いた。
経験は無いのだろうが、話の内容は想像出来たらしい。
何か呟いているみたいだ………よく見てみると………多分口の動きでわかったが繰り返し「11回」を呟いている。
やっぱりソコ気になりますよね?元気で若かったで流せませんか?
とりあえずこの気まずい空気を作った本人に問いたださないと………
「それで、彩と認めるけど俺のこの状況の説明をしてくれるのか?」
どんな説明をしてくれるんだろうと彩を見ていると
「状況?」
首を傾けて頭の上に???を載せている様な顔をしていた。
オイオイ!
「だ・か・ら!未来の変な世界に若返った状態で公園に放置されてた件だよ!」
俺が感情を込めて指摘するとやっと理解したらしく
「えへへ♪凄いでしょ?私と私のお父さんお母さんとゆう君のお義父さんお義母さんと朋子さんの6人の魂の力を合わせて移動させたんだよ。どう?この世界なら子供バンバン作ってもOKなんだよ!若返りと移動に力全部使っちゃったから場所とかは適当だったけどね。凄いでしょ?」
聞いてる途中から俺は脱力感に襲われた………オヤジに母さん………朋子おばさんまで………何やらかしてくれてるんだよ!
子供バンバンとか………頭痛くなってきたわ!
ちょっと待てよ!場所適当とか運悪ければ海の上とか山の上とかの可能性もあった?
オイオイ!
そうだよ、彩は目的の為には手段を択ばない………そして思いついたら即行動………綿密な計画は立てない、ちょっと下調べするぐらいだ。
結果目的は達成するもその後の事は成り行きまかせ、何度大変な目にあった事か………
唯一果たせなかったのは俺との間に子供を作れなかった事ぐらいか………
子供?
もしかして目的は子供?
「なあ、彩。もしかして子供の為に俺をか?だとしても彩と俺の子供はもう無理なんだろ?」
「うん!私死んでるし無理だね。だ・か・ら妥協して、彩芽ちゃんとその他大勢にゆう君の子供を作って見せて欲しいの!1人とか面白くないから目指せ1万人ぐらい希望かな♪頑張ってね。」
「い、一万ってアホか!養える訳ないだろうが!」
「大丈夫なんとかなるって♪あっ!そろそろ時間みたい、私行くけどもし目標達成しなかったらあの世でお仕置きだからね。わかってるわよね?あっ時間だ!またね~~♪」
「ってオイオイ!!!」
そう言って彩は行ってしまった。
そして憑依されていた彩芽さんのお母さんは白目で倒れた。
だ・か・ら!倒れるとか危ないから!ちゃんとイスに座らせるとかしてから行けよ!
幸い後ろにいた彩芽さんが何とか床に頭を打たないように受け止めたけど………全く相変わらずだな。
ってこれからどうすればいいんだ?マジで1万人?
ん?彩は最後に「またね~~♪」って………オイオイ
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