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8日目/岡崎静子【対応】
しおりを挟む「あらあら、どうしましょう?」
私は気づいてしまいました。
5日前に隣の虎太郎から身元不明の優輝君の事を聞き、直感的に夢の子だと思い引き取りたいと願いました。
それから私は鈴鳴家の家長の方々に連絡を入れ、お願いしてみました。
「ちょっと強くお願いしてしまったかしら?」
そして私が引き取る事はすぐに決まりました。
面会も昨日済ませ、夢に出てきた優輝君だと確証も取れました。
年甲斐もなく浮かれていたのでしょうね……
「この家では優輝君のプライベートを守れるような部屋が無いわね。」
我が家は古くからある古民家、防音設備も鍵の掛かる扉は玄関と裏口ぐらい……大きな家ですから、部屋の数はありますが……若い男性が住むには問題があるのではないでしょうか。
優輝君が退院するまで3日しかありませんね。
「あらあら、どうしましょう?」
ここの保護区には、さまざまな職業を営んでいる方が沢山いますし相談してみましょう。
確か2丁目の南みなみちゃんが、建築のお仕事ではなかったかしら?
「もしもし?南ちゃんのお宅かしら?」
「はい……し、静子先生ですか?」
「あらあら、もしかして東子とうこちゃん?おはようございます。」
「は、はい!ご無沙汰しており…おはようございます。う、うちの南が何かしでかしましたでしょうか?」
「あらあら、違うのよ。ちょっと……相談かしら?お願いになるのかしら?ちょっとお話ししたくて連絡取れるかしら?」
「は、はい!い、今すぐに呼んできますので少々お待ちください。」
あらあら急いで走って行ったようね、足音が聞こえましたよ?
それに大きな声で呼んでいるわね……昔から落ち着きがなかった子だったわね。
また一度お話し必要かしら?
あらあら何やら受話器から会話が聞こえてきましたわね
「早く!早く!」
「お、お母さん!私何かしたのかな?どうしよう?怖いんだけど……ねぇ?」
「お母さんだって怖いわよ!助けてあげれないかもしれないけど骨は拾ってあげるから。」
「えぇ~~」
あらあら、二人ともお話し必要かしらね?
「も、もしもし南ですけど……」
「おはよう、南ちゃん。急に電話してビックリさせてしまったかしら?」
「い、いえいえ大丈夫です……おはようございます。そ、それで私何かしてしまったでしょうか?」
「あらあら、何か悪い事してるの?」
「え?い、いえ、し、してません…………たぶん」
「あらあら、電話の受話器の近くで大きな声で会話したら聞こえるから気をつけなさいね?お母さんにも教えてあげてね?」
「ふぁい、す、すみませんでした。」
「あらあら。気をつけるのよ?……あら用件を伝えるの忘れていたわ歳かしらね、ちょっと聞きたいのだけど確か建築関係のお仕事してるのよね?」
「は、はい!え~とリフォームとか設計をしています。」
「あらやっぱり電話して良かったわ、我が家をリフォームしたいのだけど出来るかしら?」
「え?」
「急いでして欲しいの……三日後までに……無理かしら?」
「え?三日でですか?」
「そうなの急に必要になってしまって……一部屋だけ防音と部屋に鍵を掛けれるようにしたいのだけど、やっぱり三日では無理かしら?」
リフォームするとなるとどのくらい時間かかるのかしら?
費用しだいでは早く出来るのかしら?やっぱり無理かしらね?
「一部屋だけですか……ちゃっと待ってくださいね。」
あらあら、また電話の受話器の近くで呟つぶやいているのかしら聞こえますよ?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「え~と部屋を今日中に採寸して資材を注文して、明日納品して貰って作業員をいつもの倍でやれば…のりが乾くまで一日必要として……後は社長がOKだしてくれれば可能?いやいや無理無理!社長がこんな急な仕事受ける訳ないし、いつも段取り次第で仕事の良し悪し決まるって言ってるし……でも静子先生の頼みだし……え?私、先生に頼られてる?と、とりあえず社長を説得しないと、よし!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
あらあら、教え子が前向きに頑張ろうとしてくれているのは感激しますね、社長さんて誰だったかしら?
あら電話に戻ってきたみたいね。
「あっ!静子先生お待たせしました。出来ると思うんですが、会社の方と相談してからでいいですか?私1人で決められないので。」
「ありがとう、無理しなくても大丈夫よ。出来ればの話だから……それで社長さんって誰だったかしら?」
「え?しゃ、社長ですか?え~と5丁目の辰子たつこ社長ですけど……」
「あらあら、あの子が社長してるの?そう……ありがとう。ではリフォームの件お願いね。」
「はい!わかりました。」
「ごめんなさいね、朝早くから無理を言って……では怪我とか気をつけてお仕事頑張るのよ?あっ!それとお母さんに近いうちに会ってお話ししたいからって伝えてね。」
そうして私はリフォームの件と東子ちゃんへの伝言をお願いして電話を切ると、電話帳から辰子ちゃんの番号を調べて電話しました。
辰子ちゃんは私からのお願いをすぐに聞いてくれて安心しました。
これで大丈夫かしら?
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