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4日目/岡崎優輝【集団】

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俺はこれから脳の検査に向かいます。

右手に警棒、左手にはスタンガン、頭にヘルメット

装備はOK!

アイテムは薬草をって………

やってられるか~!

なんで病院で下の階に行くのに、こんな格好しなきゃなんないんだよ。

そこのあなた!警棒使った事あります?スンガン使った事あります?

俺は恥ずかしながら使った事ありません。

俺の隣には同じくヘルメットを被った武ちゃん、腰の格好いいベルトに警棒を差して、無線機で連絡をしている。


「2階エレベータ前どうぞ?…………今から降ります警戒よろしく」


警護婦二人のうち一人が先行して、2階エレベータ前に待機している。

6階のエレベータ前には俺と武ちゃんと警護婦一人が、エレベータが来るのを待っている。

扉が開き中を警護婦が確認後、中に乗り2階へ

2階に到着、特に問題なく検査する部屋に向かう。

廊下では誰ともすれ違う事なく部屋に到着。

逆に呆気なさすぎて、肩透かしくらったみたいな感じだ。

武ちゃんは緊張してたみたいで


「ふ~無事に着けて良かった。誰にも気付かれないで着けるなんて、今日は運がいいわ」


そんな毎回大変なの?気づかれたらどうなるのか、逆に知りたくなった。


「武ちゃん!気づかれたらどうなるの?」


武ちゃんはやれやれみたいな表情をして


「とりあえず囲まれるわね。逃げないようにしてから抱き締められて服を脱がされてありとあらゆる所を触られて……」


「囲まれるって、一人二人なら逃げれると思うけど」


「あまいわ、1人いたら10人いると思って」


「それはあんまりじゃない?」


「いいえ甘いわ、かなり甘い考えよ。いい?叫ぶのよ女 性は[男がいた~]って、すると集まってくるのよ。恐ろしい早さで!」


説明がリアリすぎて怖い!

そんな会話をしていたら、部屋の奥から鈴鳴さんが出てきた。


「おっ!無事に来れたな。延期になる時もあるから、心配してたんだ。」


延期?ここまで来れなくて?

普通に来れましたけど?


「では、今日の検査は神経超音波検査と脳波検査をするつもりだ。ちょっと時間は掛かるが痛みとかないから安心してくれ」


検査は順調に進み無事終わった。


「これで検査は終わりだ。私は検査結果を纏めてから行くから一緒に行けないが、無事に病室まで戻れるように頑張ってくれ」


いやいや、何を頑張れと?

とりあえず検査は終わったのだし、さて帰りますか。

俺は検査した部屋を出て武ちゃんと警護婦二人が待つ隣の部屋に移動した。

俺が来ると三人は帰る為の準備を始めた。

武ちゃんと警護婦二人は緊張した様子で


「みんないい?扉を開けたら一気にエレベータまで行くわよ」


俺は一人緊張もせずに、逆に三人の戦場にでも行くかのような態度に若干引いていた。

武ちゃんが、覚悟を決めたのか


「じゃ 行くわよ。3、2、1、Go!」


勢いよく扉を開けた、すぐに左右確認!武ちゃんは親指を立てOKと合図。

すぐに俺達は廊下に出て、エレベータ前に早歩きで移動した。

やはり何事も無くエレベータ前に到着、すぐに上ボタンを押した。後は乗るのを待つだけだ。

俺は安心して


「やっぱり大丈夫でしたね」


「まだ油断しちゃ駄目よ!」


「油断も何も後は乗るだけでしょ?大丈夫ですよ」


ほら今5階までエレベータが降りてきてるし

大丈夫 大丈夫!

と思って上の標示を見ていたら、急にガヤガヤと大勢の人の声が聞こえてきた。

ん?


「ま、不味いわ」


武ちゃんが慌て始めた、右の通路の方からおばちゃん軍団が……左の通路からおばあちゃん軍団が……

え?え?

エレベータの階数標示は4

エレベータが先か軍団が来るのが先か微妙な所だ。

武ちゃんの顔色が悪くなっている。


「さ、最悪だわ。多分、町の健康診断と介護施設の健康診断で来ている人達だと思うけど、あの人数は……」


俺も後から知ったのだが、おばちゃん軍団は健康診断が終わって帰る所で、おばあちゃん軍団はこれから健康診断だったらしい。

ちょうどすれ違う所に俺達は挟まれた状態になっていたと……


武ちゃんが顔色を悪くしていた時、おばちゃん軍団の何人かがこちらの様子に気づいたみたく指をさして何やら騒ぎ始めた。

距離的に15㍍あるかないかの距離だ。

警護婦も俺と武ちゃんの前に来て臨戦態勢をとった。

おばちゃん軍団は10㍍程の所で止まり、先頭にいた人が何やら集団に向かって話ているみたいだ。

エレベータの階数標示を見る……3、あと少しだ。

おばちゃん軍団はこちらに向かって進み始めた、来るのか?

俺達とおばちゃん軍団のちょうど中間に非常階段の入口がある。

今ならまだ間に合うかも

武ちゃんどうする?俺は何も言わず武ちゃんを見た。

見事にフリーズしてました。

俺は急いで武ちゃんを揺すった、おばちゃん軍団はもうすぐそこまで来ている

「どうする?武ちゃん!」


するとおばちゃん軍団の先頭の人が

「お疲れ様です」

え?

おばちゃん軍団は壁際に1列になり横を通って行く、ジロジロとは見られたが秩序を守り、一人また一人と横を過ぎて行く。


後から知った事だが、町の消防団の団体で先頭の方が団長で厳しい人らしい。


エレベータの扉が開き、武ちゃんも意識が戻ったみたいで

「一時はどうなる事になるのかと思ったわよ」


俺も焦った。まっエレベータも来たし乗ろうとしたその時

後ろから腕を掴まれた!ん?誰?

後ろを振り向くと……おばあちゃんが沢山!

「おぉ~若い男じゃ、長生きするもんじゃな~」

「冥土の土産に抱きついてもいいじゃろ?」

「なんかいい匂いがするの~」とか色々言いながら迫ってきた。

え?え?いや……嘘……うぉ、結構力強くないか……って 俺はなすすべもなく、おばあちゃん軍団の中に引きずりこまれた


「痛い!ちょっと引っ張んなって、あっ服破けるって……あっ誰だ今尻揉んだの……やめて……助けて~」


俺の悲鳴で武ちゃんが気付き、警護婦二人と一緒に助けて貰ってエレベータに乗りこんだ。

服は破れ、髪型はメチャクチャ、腕には歯形まで付いていた。


おばあちゃん軍団……怖い!

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