俺と蛙さんの異世界放浪記~八百万ってたくさんって意味らしい~

くずもち

文字の大きさ
表紙へ
上 下
3 / 197
1巻

1-3

しおりを挟む
「……わしの五百年って一体」
「いやー、そんなに褒められても?」
「褒めとらんわ! ええ性格しとるのう! ってええい! 動きにくい! なんか体がおかしいんじゃが!? 失敗したんじゃあるまいな!」
「そう? やっぱり?」
「……やっぱり?」

 俺の言葉の意味するところが分からなかったのだろう。聞き返した爺さんはそのまま黙り込んで目を点にする。
 俺は自分のかつな台詞に顔をしかめ、それとなく視線をそらして、明後日の方を向いた。
 こう言ってしまうのはアレだが、動きにくいのは当たり前だ。
 俺からしたら、体に不具合がない方がおかしいと思うくらいなのだから。
 どうしようか? 先延ばしにしたって仕方がないし……。
 意を決した俺は、爺さんの方に向き直り、正直に言ってみた。

「あー……どう言ったらいいかな? 死者蘇生の魔法には生贄がいるっていうからさ。適当につくろったんだけど……」
「……おぬしやはり殺人を? なんて奴じゃ! 血も涙もない!」
「だからそのノリはもういいって……それに人聞きが悪い。もう一回言うけど、そのへんで捕まえてきたんだよ……かわいそうな事をしたとは思うけどさ」
「……捕まえてきたじゃと?」
「うん。予想外の結果にはなったけど……でもあれだ、俺を拉致した件でチャラにしてくれたらうれしい……んだけど」

 歯切れの悪い俺を、爺さんはいぶかしむ。

「どういう事じゃ?」
「ほら鏡! ……あんまり怒らないでね?」

 俺はあらかじめ用意していた鏡を差し出す。それを覗き込んだ爺さんは、驚愕のあまり元々丸くてクリクリした目をさらに丸くした。
 鏡に映っていたのは、鮮やかなエメラルドグリーンにテカテカの光沢をまとった肌。
 ゲコゲコとふくらむ頬は風船のようだ。
 そして顎からはしっかり白い髭が生えている。


「んな……!」

 どこをどう見ても巨大な蛙だった。
 ただし二足歩行だが。
 二人共黙り込む。あまりの気まずさに俺の方から口を開いた。

「いやーさすがに悪いと思ってさ! 寝ている間に肉体改造の魔法をダウンロードして? なんとか直せないもんかと色々頑張ってみたんだけど……どうにもやっぱり蛙でさ! ああ! 髭も生やしたんだよ! 手足も自由に動くだろ? 二足歩行にも頑張ってしてみたんだ! 良かったよね、手足のある動物で……」

 あっはっはと笑ってはみたものの、体中に嫌な汗が流れているのを感じる。
 良かれと思ってやった結果がこれである。
 爺さんは鏡を持ったまま固まっていた。
 さすがにまずかったかと、もう少しだけ気休めの一つも言ってみようとしたのだが……。

「おがん!」

 大きな蛙は盛大にひっくり返って、俺は慌てた。

「ああ、これが本当のひっくりカエルか……」
「やかましいわ!」

 世界最高の魔法使いと称された爺さんはその日、蛙として生まれ変わった。


「まったく、いい加減な事をしおって……バカ。お前ホントバカ」

 机で向かい合った大きな蛙は、完全にふてくされて頬を膨らませていた。ゲコゲコと。
 しかし、改めてこうやって見てみるとやっぱり蛙である。
 ちなみに、目覚める前に爺さんには家の中にあったローブの様な服を着せ、腰布を巻いて留めておいた。
 服を着ると心持ち不気味さは緩和されるので、事前にそうしておいたのはいい判断だっただろう。

「だからごめんって。まさかまんま生贄の体になるとは思わなかったんだってば。でもそっちだって俺を無理やりさらってきたんだし、あいこじゃない?」
「なにがあいこじゃ! こっちは命まで懸けて贈り物をしてやったというのに……」

 俺としてはやらかしちゃったわけだからしたに出ているというのに、爺さんは当然のように不機嫌だった。
 あまりにも粘着質な愚痴ぐちに、俺のにこやかな笑顔にも青筋が浮かぶ。

「……それを言うなら俺だって。あの世で交渉して爺さんが魔法を使えるようにしてもらったんだし」

 それはそれで誘拐犯相手にびっくりの細やかな気遣いだと思うのだが。
 渡したはずの魔力がちゃんと備わっている事に気が付いたんだろう。爺さんもそれなりに驚いた顔をしていた。

「……むむ、確かに魔力を感じる。いったいどんな手を使ったんじゃ?」
「まぁそれは……秘密で」

 あの世でついでみたいに頼んだらうまくいってしまったという事は黙っておくとしよう。

「そんな事より派手に魔力使っちゃったけど、俺も寿命が縮んだりするのかな?」

 爺さんが干からびて死ぬとか言っていたので、今更少し心配になって尋ねてみたのだが、爺さんはふてくされたまま首を振っていた。

「……安心せい、魔法で使った魔力は一晩休めば回復するわい。わしが渡したのは、もっと根本的な……そうじゃのぅ、容器のようなものじゃよ。一度にすべての魔力を使い切らなければ問題はない」

 超根本的な情報を知らなかった俺は、青くなった。
 調子に乗って使いまくる前で助かった。
 気が付いたらミイラ、なんてのはまっぴら御免である。

「なるほど……気をつけよう」
「ふん! 800万など使いきれる魔法は存在せんわ!」
「あー。そりゃそうか」

 その言葉に納得してうなずく。爺さんはハンカチがあったら噛み千切りそうな表情を浮かべて叫ぶ。

「ぐうううう。なぜじゃ! ものすごく理不尽じゃろ!」
「そんな事言われたって……あんたが連れてきたんだろ?」
「むぅ。だからじゃよぉ! だいたいなんじゃそのバカ魔力! いくらなんでも反則すぎるじゃろ! 人を蛙にするとかどこの悪魔じゃ!」
「それを言うなら人を神隠しにした上、改造するってどこの悪の組織だよ! ビックリするわ!」

 いよいよキレる俺。
 俺だって言いたい事は沢山あるんだ。というかそもそも文句を言うために生き返らせたようなものだし。
 それからしばらく、まぁしょうもない言い合いは続いたわけだ。


「はぁ……」
「ふむ……」

 しかし、握手をしてお茶を飲むまでに一時間も使うとは思わなかった。
 お互い一口、自分のカップのお茶を飲み、机に置く。
 しばらく嫌な沈黙が続いたが、どちらともなくため息をつくと肩を落とした。

「……ともかくお互い思うところはあるが、ここらで手打ちにするのが妥当じゃろ」
「……そだね。確かにお互いに後ろめたい事は多々あるけど、このままけんし続けるのは不毛だし」
「うむ。それでこれからじゃが……おぬし、どうするつもりなんじゃ?」

 突然そういう風に聞かれて、俺は考える間もなくあっさり答えた。

「まぁ、元の世界に帰ってみてもいいけどね」
「む?」

 俺の答えは予想外だったらしいが、むしろそれは当然だと思う。

「魔法、使えばやれるんじゃないのか?」
「……確かにそうじゃの」

 おそらく俺の魔力は、この爺さんすらも想定外のバカげた量なのだろう。
 つまり俺は、とんでもない魔法を湯水のごとく使用可能なのだ。
 多少の問題はあったものの、死者蘇生すら成し遂げた俺からしてみたら、元の世界への帰還など朝飯前に思える。
 爺さんも蛙顔でため息をつきつつも、納得したらしい。

「……そうじゃな。そんなバカ魔力があれば不可能などあるまいよ」
「だろ? じゃあ帰るかどうかはともかく、いちおう検索してみるよ」

 さっそく魔法創造を起動させて、検索してみた。
 検索ワードは……『異世界 送還』などだろうか?
 探してみると、すぐさま頭の中に情報が送られてくる。
 なるほど、確かにその魔法はあった。

「……どうじゃ?」
「……マジでか?」

 ただしその検索結果に、俺は絶句してしまった。

「……どうしたんじゃ?」

 爺さんの質問に返事をする余裕もない。俺だってわけがわからないのだ。
 すぐさま別の魔法を探すが、結局は同じ結果である。
 流石に不審顔になってきた爺さんに、俺はとりあえず結果を伝えた。

「やば……俺、帰れないわ」
「なんでじゃ?」

 爺さんもこの答えは意外だったらしい。驚いている爺さんに俺は半笑いで、魔法に必要な魔力を口にする。

「この魔法、引き出すだけで1000万だってさ……実際使うとなるともっとかも」
「い……」

 途方もない数字に、蛙も完全に硬直している。
 死者の蘇生が可能なのに、元の世界に帰る事が出来ない?
 どうして……?
 そんなものだと言ってしまえばそれまでなのだが、なんとも納得がいかなかった。
 しかしどう言ったところで結果は変わるものではなく、こうなると、眉間に皺を寄せて唸るしかない。

「はぁ……どうやら俺は帰れないらしい」
「……ふむ、鍛練で伸ばすにも少々多すぎるか?」
「……魔力って増えたりするものなの?」
「ああ、もちろんじゃ。訓練すれば増えるぞい。限度というものはあるがな。わしも元々は100ほどじゃったが、五百年かけて1000まで伸ばしたのじゃよ」

 笑う爺さんに対して、俺は期待薄だなぁとこっそりため息をついた。
 そりゃそうだ。五百年でたった900しか伸びないんじゃ、ちょっとどころかまったく期待出来ない。
 俺はもう面倒臭くなって、やれやれと笑った。

「帰還の可能性はゼロじゃないけど、限りなく低いか……ひどい話だ」
「ふむ、こちらの世界で暮らすと割りきるのが妥当じゃろうな。だが心配するな、おぬしの存在自体がわしの悲願でもある。こうなったら出来る限りの面倒は見てやるわい。ところで、おぬしの名前を教えてもらえるかのう? あの時は聞きそびれてしもうたんじゃ」
「諸悪の根源がよく言うよ。……そういえば俺もあんたの名前を聞いていないかな?」

 なんだかものすごく長い時間を過ごした気分だが、名前すら聞いていなかった。これから長い付き合いになりそうだから、自己紹介くらいはしておくべきだろう。

「そうかの? ではわしの名前は***じゃよ、魔法使い***じゃ」
「俺の名前は紅野太郎」
「……」
「……」
「「今なんて言った?」」

 俺達はさっそく自己紹介でつまずいたらしい。


「あーなるほどのぅ! あれじゃな! 翻訳魔法のミスじゃな!」

 一人で納得している爺さんは、謎が解けてうれしいのか、ご満悦まんえつでした。

「……なんだよそれ」

 俺が呆れ顔でそう言うと、爺さんは慌てて弁解する。

「仕方ないじゃろ! 翻訳魔法は専門外なんじゃ! これでも結構頑張ったんじゃぞ? それに不具合の原因は、お前さんが異世界人だという事も関係しとるじゃろうし!」
「あー。責任転嫁もはなはだしいな。そういうもんなの?」

 なんとなく翻訳の方が異世界旅行よりは簡単そうだというイメージがあったのだが、どうにもそうではないのか、爺さんは難しい顔をしながら、いかにも無理なんです、といったポーズをとっている。

「いやなに、言語というやつは天然であるもんじゃないじゃろ? 意思疎通を図るために誰かが作ったもんなわけじゃ。だから翻訳魔法の調整は難しいし、とことん繊細せんさいで複雑なものなんじゃよ。わしも辞書や言語パターンをかなり収集して頑張ったつもりじゃったが、名前となると話が違ったという事かのぅ」
「またなんだか厄介やっかいそうだなそれ……」

 どうにも言い訳臭いけど、翻訳ソフトを使ったら名前のところだけそのまま出てきちゃったみたいな? しかもあえて原文の方の音声はカットされているっぽい。
 二重音声にならないようにする工夫だろうが、これでは名前を特定する事すら出来そうにないのだから最悪である。

「それなら……俺がちゃんとした翻訳の魔法落とすよ」
「いや、それはやめておけ。その手の魔法は重ねるとわけのわからん事になるから、下手したらパーになるぞ?」
「……じゃあ魔法解けよ」
「無理。ぎりぎりでとっかん調整したから解き方がわからん」

 俺は無言で蛙の頭部にアイアンクローをかましていた。

「いたたたた! なにすんじゃお前は!」
「なにすんだじゃないよ! どこまで人様の体にいい加減な事してくれてんだ! このカエル!」
「……えへ♪」
「えへじゃないだろう!」
「仕方ないじゃろ! 死にかけの割にはよくやったと褒めてほしいくらいじゃわい! ええい、放さんか!」

 ぺいっと俺の手を振り払い、爺さんは頭を撫でながら脱出すると、面倒臭そうに言った。

「仕方がないのぅ……ちょっと待っておれよ」

 そして爺さんは俺の頭に手を置き、なにやらぶつぶつと言い始める。

「……」

 しばらく黙って見ていたら、爺さんは俺のおでこを軽くつついた。
 すると小さな魔法陣が一瞬浮かび、パッと目の前で散った。

「……よし。ちょっとおぬし、もう一回名前を言ってみぃ」
「……紅野太郎」
「よし! 成功じゃ! コーノタローじゃな!」
「おお!!」

 ちゃんと返ってきた自分の名前に感動するとは思わなかった。
 それがお気に召したのだろう、爺さんは得意げに胸を張る。

「ふふーん! すごいじゃろ! ……とはいっても、場当たり的に対応しただけじゃがのぅ。お前の名前がこちらの人間に問題なく翻訳されるようにしたんじゃ。欠陥の原因はまた長い事研究せんと……ちょっと無理じゃな」
「そこは頑張ってくれよ。するとなんだ……俺は人の名前を決して覚えられないかわいそうな子になったわけだな?」

 口に出すと、かなり間抜けな状況である。

「……まぁ要約するとそういう事じゃな。だが、わしの名前だけでも教えておこうかの……どれ」

 そう言って、もう一度爺さんは俺の頭に手をかざすと、先ほどと同じような光が散る。

「わしの名前は***じゃ。覚えたか?」
「……悪い、聞こえない」
「なに? ふむ、やはりちぃと厄介そうじゃの」

 どうやらこの欠陥魔法、単純に解決できるものじゃないらしい。
 うわぁ、もどかしすぎる。
 だが日常会話が問題なく出来るのは素直に助かったのだし、これくらいなら目をつむってもいいのかもしれない。俺は寛容かんような心で受け入れる事にした。

「……まぁいいか。俺の名前が通じるようになっただけでも儲けものだと思っとくよ。元々人の名前とか覚えるの得意じゃなかったし……となると、毎度キャラ付けして、ニックネームで呼ぶようにしてみるとか?」
「ニックネーム?」

 苦肉の策だが、この際仕方ないだろう。

「そう。俺が勝手に名前をつけてそう呼ぶ。早速練習してみようかな? それじゃあ……爺さんの事、これからカワズさんって呼ぶから」
「カワズさん? なんだかそこはかとなくむかつく響きじゃのぅ」
「そんな事ないだろ。わりとチャーミングだろうがよ」
「そうか?」
「うん」

 ウムと力強く頷く俺は、割と本気である。

「うむぅ……まぁええか。して、どういう意味なんじゃ?」
「蛙」
「よしわかった、表に出ろ」

 第二ラウンドが始まった。



   3


 俺達は山道を馬車で進んでいた。
 馬車は、一般的なそれよりも速いペースで走らせているとカワズさんは言っているが、がたがたと揺れる車内は、お世辞にも快適とは言いがたい。
 なんでこんな目に遭っているかと言うと……こっそり国を抜け出すためである。
 俺としても仕方がないと思うし、文句もない。
 そもそものきっかけは俺の提案なのだし。
 そして残念ながら、行かなければならなくなった原因もまた、俺にあったりするわけだ。
 しかし、まさかあんな事になるとは……。いや、今更反省してももう手遅れだ。
 原因は数時間前にさかのぼる。


「これからどうするかねぇ。このままここに住んでたら捕まっちゃうかな?」
「ほっほ、ならばとりあえず捕まればよかろう?」

 喧嘩も一段落して開かれた、作戦会議と銘打たれた話し合いで、俺達は今後の方針を決めようとしたのだが……。

「嫌だよ。こちとら自慢じゃないが、身分証明すら出来ない完全無欠の不審者だぞ? 逃亡一択だろ」
「いやいや、国の保護下に入るのが得策じゃ」

 肝心の方針がさっそく真っ二つに割れたのだ。
 この爺さんとは、とことん意見が合わないらしい。
 俺から言わせれば、捕まるという響きがよろしくなかった。捕まったら最後、相当まずい気がする。
 カワズさんはこれでも国の有力者だったらしいのだが、そんな人物の家に見ず知らずの俺が住み着いて、そこに知り合いなんかが訪ねてきた日にはどうなるのだろう?
 少なくとも笑顔で歓迎されたりはすまい。
 むしろ不審人物として、地下牢一直線な気がするし。
 だというのに、カワズさんはこれ以上ないほどの蛙ヅラでにっこりと笑みを浮かべた。

「冷静になって考えてみぃ。いくら蛙の姿になったと言えど、わしは正真正銘本人なわけじゃろ? それにお前さんとて優秀な魔法使いじゃ。この上ないほどのな」
「ああ、そういう設定だったなぁ、そういえば……」
「自覚しておかんかい」

 カワズさんの指摘に、俺はあまり実感がわかずに曖昧あいまいに頷いた。
 だが言われてみれば、そりゃぁこんな反則技、確かにかなり優遇されるかもしれない。

「ならば、一度王と接触すればどうにかなろう」

 どや顔で言うカワズさんはすでにやる気になっている様子である。
 今は蛙の姿のカワズさんだが、きっと時間をかければ本人だと証明できるだろう。
 しかしそれが成功したとしても、そのままいけばある結果に結びつく。

「んん? つまり、俺にカワズさんの国で魔法使いしろって事だよね?」
「まぁそうなるじゃろうな。この国に誠心誠意仕え、国の発展のために尽力する。素晴らしいじゃろ?」

 さも当然と主張するカワズさんなのだが、俺としてはいまいちしゃくぜんとしなかった。
 学生から国のお抱え魔法使いにジョブチェンジ。それはなんとも聞こえのいい魅力的な提案だったが、俺はあえて言った。

「……なるほど。まぁ確かにそれが一番現実的だろうけど、却下で」
「なんでじゃ?」

 不思議そうな顔のカワズさんを押しとどめ、俺はおお袈裟げさに腕を組んで目を瞑る。
しおりを挟む
表紙へ
感想 3

あなたにおすすめの小説

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。