俺と蛙さんの異世界放浪記~八百万ってたくさんって意味らしい~

くずもち

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本当は怖い魔法使いの話~ダイジェスト~

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かつて世界には沢山の神々が住んでいました。

その中でもとりわけ大きな力を持っていた二柱の神。

女神レイナと神リベルと言いました。



二柱の神は数々の魔法を作り出した二柱の神はしかし意見を違えました。

二柱の神のうち神リベルは魔の者に魔法を与え闇の世界を望み、女神レイナは人に魔法を与えて、光の世界を望みました。



女神レイナが最初に魔法を与えた人間が神聖ヴァナリアの礎を築いたと言われています。


そんな神聖な場所ではしばしば不思議な出来事が起こることがありました。

神が人間に魔法を渡したというその日の出来事です。

その男は突然現れました。



蛙を連れたみすぼらしい男は大聖堂で祈りを捧げる教皇様に尋ねました。

「お願いがあるのですがよろしいですか?」

魔法使いはとてもみすぼらしい格好をしていましたが、教皇様は快く答えました。



「なんでしょう? 私でよければお話を聞かせていただけますか?」

すると手を差し伸べた教皇様に男は言いました。

「あなたの大切なものを私にいただきたいのです」



本性を現した男は、魔法を使って教皇様の大事な兵士を取り上げてしまいました。

「なぜこのような事をなさるのですか?」

悲しむ教皇様に男はさらに言いました。

「それはお前の悲しむ顔が見たからだよ!」

今度は教皇様が祈りを捧げていた大正堂を魔法で消してしまいます。

教皇様は悲しみましたが大聖堂がなくなってしまっても、教皇様は祈りを捧げました。



それを聞いた男は怒り出して、今度は街を丸ごと消してしまったのです。

教皇様は祈るのをやめません。

教皇様は大切なモノを全て奪われても、みんなのために祈り続けました。

「祈るふりなど辞めろ、どれ? お前の心を見てやろうどうせ憎しみで真っ黒に違いない」

魔法使いは教皇様の心を覗き込みました。

そして教皇様の祈りの中に自分のことが含まれていると知ると、男は驚き言いました。

「なんと美しい心だろう。祈る貴女はまるで女神のようだ」

魔法使いは教皇様から奪ったものをみんな返して、その上硬貨と薬草が次々に出てくる宝箱を置いて姿を消したのです。

魔法使いがなに者であったのか、誰にもわかりません。

しかしひょっとすると神が人間を試すために遣わしたのではないかと、みんなそう思いました。

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