新・俺と蛙さんの異世界放浪記

くずもち

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1巻

1-3

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「私これ全然悪くないと思うんです……。むしろこういうのこそラッキースケベとして大きな心で許されるべきではないかと。私は選ばれたのですよ、エロの神に」

 私の平手が、ろくなことを言わない竜に炸裂する。
 太郎は友人の顔にできた平手跡を見て呟くように言った。

「そういうこと言うから怒られるんだろうに」
「ですか。まぁそうなんでしょうね。次がんばります」

 全然反省していないスケさんに、太郎も呆れていた。
 だけど私は、セクハラはよくないと思うから太郎に厳しいことを言っておく。

「太郎も、欠陥があるってわかっている道具は処分しようよ」

 火照ほてった顔をごまかし、若干怒っているふうにしていると、太郎は妙に熱を込めて言いだす。

「モノづくりに失敗はつきものさー。だけど失敗したものだって作り手の思いは十分こもっているものなのさー」
「……言い方が胡散臭うさんくさい」
「ですな、卑猥ひわいな企みがあったとしか思えません」

 私がじとっとした視線を向け、スケさんが確信をもって頷くと、太郎は心底慌てていた。

「そんなことないし! 俺ってば元々ものとか捨てられない人だし!」

 太郎は必死に言い訳を始めたけど、言えば言うほど、その慌て方が怪しかった。
 でも、今回のことで一番悪いのは、どう考えても私だった。
 そもそも太郎の視線が気になるなんて言いださなければよかったのだ。
 スケさんにはどんな格好を見られたかわからないし、実は赤いドレスを気に入っていたこともばれてしまった。
 そこまで考えていたら、頭に引っかかっていたことを思い出した。
 そこでひとまず私は最初の目的に立ち戻る。
 そういえば、私は女王様の狙い通り、太郎の動揺を誘うことには成功していた。
 私の服を見たときに太郎が言っていた台詞を思い出し、私はまさかと思って太郎を見る。

「ねぇ、ちょっといい? 太郎?」
「……あの。やっぱり僕もお仕置きでしょうか?」

 なぜかおびえている太郎だが、それは別にいい。
 そんなことよりも、さっきの真意を確かめたい。

「違うから。ところで最近の太郎ってさ、いつもあんなこと考えてない? あのセーラー戦士がどうとかって」

 私がズバリ尋ねると、太郎の視線はサッとそらされた。

「いや、……まぁ。せっかくセーラー戦士ってあだ名を付けたのにとか、セーラー戦士はキャラが立ってていいなぁとか、そんなことは割と頻繁に……」
「……」

 これは間違いなさそうだ。
 どうやら地球に戻ってからの太郎は、私の格好にずっと不満があったらしい。
 ちょっと方向性は違うが、女王様のアドバイスがニアピンだったみたいだ。
 私は事の真相にたどり着いたものの、思いっきり脱力していた。

「なんだ、そんなことだったのか。心配して損した」
「え? 何が?」
「なんでもないよ」
「え? なんかホントゴメンね? 怒った?」

 謝られても、私はそっけなくしてそっぽを向く。
 得心とくしんいってしまったが、安心したような、がっかりしたような、複雑な心境だ。

「でも、……一応、似合ってるとは思っててくれたんだ」

 だけど私は、しょんぼりする太郎を見てそんなことを呟いた。


 そして後日。

「どうしたの! やっぱりセーラー戦士にしたのか! ……ん? でも微妙にいつもと違う?」
「まぁね。制服ふうファッションってやつかな?」

 太郎が驚くのを見て満足しつつ、私は新調した服を見せる。
 それは、私服をセーラー服ふうに改造したものだった。
 それに鎧を付けて、動き回ることを考慮してスパッツを穿かせていただくことにした。
 これで、せっかく本名で呼んでもらえることになっていた私の呼び名は、元のセーラー戦士に戻ってしまうかもしれない。でもそれについては粘り強く訂正していこう。私はそう覚悟を決めていた。


     ◇◆◇◆◇


 彼女は異世界での戦いを終えた。
 だが、戦いを強いられる異世界人は彼女で終わりではない。
 異世界人が大きな魔力を持つ限り、苦悩の連鎖は尽きないのだ。
 個人の扱える魔力には差がある。
 操れる魔力差は戦力差となり、もちろんできることにも差が生まれる。
 魔法使いといえどこの現実からは逃れられない。
 優秀な魔法使いほど自分の限界に思い悩む。
 だからこそ、異世界人召喚のような悲劇が生まれる。
 それは魔法に隠れた、闇の部分だ。
 魔法使いは、生まれながらの資質に思い悩み、時に道を踏み外す。
 本当にそういうこともあるのだ。



   2


 とある魔法使いは、己の限界に直面していた。
 そんなとき、その女は現れた。
 自らの顔を黒い布で覆い隠した、得体えたいの知れない女。
 彼女が魔法使いに手渡したのは、見たこともない古文書だった。
 魔法使いは、その古文書に何が書かれているのか、今まで蓄えてきた知識によって理解できた。

「どうかしら? 貴方なら読み解けると思って持って来たのだけれど? 興味はある?」

 女は魔法使いを試すようにささやく。
 机の上に広げられた古文書に目を通した魔法使いは、震えを抑えられずに自分の手首をきつく掴んだ。

「……本当に、そんなものが存在するのか?」

 そこに書かれていたことに驚き、思わず問う。
 すると女は頷き、テーブルの上で両手の指を絡める。

「ええ、わかるんでしょう? 貴方なら? 信じるも信じないも貴方しだいだけど。……これはチャンスよ?」
「チャンス……」

 怪しい声で、女は魔法使いの心を揺さぶる。
 どうあがいても抗えない魅力を前にして、曖昧あいまいな態度のままの魔法使いに、女は人差し指を突きつけて彼の額をなぞった。
 魔法使いの息が荒くなっていく。彼女の指先に得体の知れない恐怖を感じていた。
 女の顔を隠す真っ黒な布。そこから見える目は、まるで地獄の穴でも覗き見ているかのようだった。

「そう。チャンス。絶大な力を手に入れられるの。貴方を馬鹿にしてきた連中を見返したくはない?」

 女の言葉に、思い出したくもない光景が次々によみがえった。
 魔法をよくしようと心血を注ぐ自分に、魔力が少ないというだけで向けられる侮蔑ぶべつ眼差まなざし。
 それは、彼のすべてを否定した視線だった。

「う、……ううっ」

 その記憶は、全身の血が凍りつくような感覚を呼び覚ます。
 この暗い感情は、憎悪だ。
 どす黒い憎悪が魔法使いを支配し、消そうとしても抗おうとしても、押し潰されそうになる。
 それは、消えない傷のように魔法使いの中に存在していた。
 魔法使いは女を見る。
 布の奥にわずかに見えた彼女の口元が、魔法使いが取るべき道を知っていると言わんばかりに弧を描く。

「僕は……」
「欲しいんでしょう? 力が?」
「……それは」
「いいのよ。無理する必要はない。力は持つべき人間が持ったほうがいいの」
「……持つべき人間」
「そう、貴方のことよ。欲しいでしょう。貴方をしいたげた人間を凌駕りょうがする力を」
「……ああ、欲しい」
「それでいいわ。腹の底に憎しみを抱えている者でなければ、不可能を可能にはできないのだと教えてあげなさい。貴方の憎悪を育てた愚かな者どもに」

 すでに魔法使いの中に迷いは消えていた。
 代わりに魔法使いの心にあったのは、重く激しい感情だった。

「力が欲しい。誰にも負けない強大な魔力が」

 魔法使いの顔を見た女は、布の下でわらう。
 そして古文書に手を添えると、魔法使いのほうに差し出した。

「なら、これは貴方のもの。中の言葉は私にはすべてわからないけれど、貴方になら解析できるのよね?」

 女の念を押す質問に、魔法使いは力強く頷く。

「ああ、問題ない。明日にでもすべて解析できるはずだ……。だが、中の内容は僕の好きにしていいんだな?」

 魔法使いは女に問う。
 今にも襲いかかりそうな魔法使いに、女は深く頷いた。

「もちろん、この中の成果はすべて貴方のもの。私はそこに記されたものが何なのか知りたいだけですもの」
「ああ。任せておけ、この中にあるものは必ず蘇らせてやる。僕の魔法使いとしてのすべてを懸けて」

 魔法使いの言葉を聞き、女はもう質問を投げかけはしない。

「そう。よかったわ。貴方のような有望な魔法使いと知り合えて」

 女は微笑み、席を立つと、そのまま闇に消えていった。
 残された魔法使いはふらりとよろめき、自ら動きだす。
 その手には、女が置いていった古文書がしっかりと握られていた。


 魔法使いの魔法は、時として常識を超える。
 それは、人知を超えた力さえ示す。
 大きな魔力を持つ者は、その力の強大さゆえに使い方に悩み――
 ない者は力を求めて、やはり苦悩する。
 だが、彼らがやることは結局同じなのだ。
 魔法を解き明かし、魔法を使う。
 どんな性別でもどんな種族でも、同じことをして同じように苦悩する。
 それが、魔法使いと呼ばれる者の宿命なのだ。


     ◇◆◇◆◇


 思えばは、もうずいぶん遠い過去のこと。
 そう彼は感じていた。

「ようこそ。異世界の戦士よ。わたくしたちは貴方を歓迎いたします」

 目を覚ました彼に、真っ白に輝く女の子はそう言って微笑ほほえみかけた。
 とても立派なドレスのようでいて神聖ささえ感じさせる不思議な服に身を包んだ女の子。彼がこの世界で一番最初に見た光景だった。

「えっと……、その、貴女はいったい、誰ですか? それにここは?」

 ぼんやりとかすむ記憶では、確か彼は学校から家に帰る途中だったはずだった。
 彼がそう尋ねると彼女は彼の顔を覗き込み、納得したように声を上げる。

「まだ混乱していらっしゃるのね? ……ここは神聖ヴァナリアと呼ばれる国。そして私は巫女みこの一族に連なる者。この国では教皇と呼ばれております。貴方をここに呼んだのは私です。どうかお許しください、様」
「……勇者?」
「ええ、私は貴方を勇者としてこの国にお招きしたいと考えております。どうか……、力のない私たちを貴方のお力で助けていただけませんか?」
「ええ!?」

 雨野あまの隆星りゅうせいが、初めて「勇者」と呼ばれた日。
 すべてはここから始まった。
 実感も何もなかった。けれど、真剣な眼差しでこちらを見つめる女の子、そして湧き上がる妙な高揚感、それだけは妙に彼の記憶に残っていた。


「ううん……」

 勇者はうめく。
 普段からつんつんと跳ねている髪の毛が、重力によってさらにボリュームが増していた。
 小柄な身体に不釣合いに大きな白い鎧や剣がしっちゃかめっちゃかになっている。そんな状態で勇者は目を覚ましたのである。
 逆さまになった勇者の前には、ネコミミの女性がいる。
 明るい赤毛の髪の毛でその見た目はほとんど人と変わらないが、頭の上に生えている耳とお尻に生えた尻尾しっぽが、彼女が実は猫の獣人であると教えてくれる。
 動きやすそうな鎧に身を包んだそのネコミミは、勇者とともに旅をする戦士だ。
 そう、彼女は間違いなく勇者の仲間である。
 ネコミミは勇者に顔を近づけて、人懐ひとなつっこい顔でにんまり笑うが、こうやって勇者を地面に転がしたのは彼女の仕業しわざだった。
 しかし、ネコミミはやれやれといった様子で勇者に言う。

「訓練といっても、気を抜いたら危ないにゃ? 打ちどころが悪かったら死ぬにゃよ?」

 そうだった……。勇者はようやくぼんやりした頭で思い出した。
 さっきまで訓練の真っ最中だった。
 昼食が終わったあとの腹ごなしとして、彼はネコミミに稽古けいこをつけてもらっていたのだ。
 その結果が、この情けない状況というわけだ。
 勇者は情けない笑みを浮かべながら、ネコミミに尋ねる。

「ゴメンナサイ……。でも、君って本当に強いよね? どうして初めて会ったときは捕まってたの?」

 勇者がネコミミと最初に出会ったとき、彼女は奴隷商人に捕まっていた。そのとき彼は、教皇様に頼まれ、奴隷商人の一味のアジトに乗り込んだのだった。
 恥ずかしい話を蒸し返されて、ネコミミはさっと目をそらす。

「あれはにゃーニャハハハ……。ちょーっとした大人の事情というか……。あの野郎、次会ったら目にもの見せてやるというかにゃあ……。とにかく、あのときは割とピンチだったから勇者には感謝してるにゃ?」

 結局ネコミミは、クシクシと耳の裏をなでながらそう言ってごまかした。
 こうやってとぼけようとしているとき、ネコミミはまったく話す気がないのだと勇者は知っていた。

「あんまり話したいことじゃなければ無理に話さなくてもいいよ……。っと」

 ようやく身体も回復してきたので、勇者は起き上がろうとする。
 ネコミミは手を差し出して勇者の手を掴むと、そのまま引き起こした。

「そうにゃ、乙女おとめには知られたくない秘密の一つや二つあるもんにゃ」
「うん、わかってる」

 愛想笑いをして空気を読んだ勇者は、それだけ言って追及しなかった。

「それにしても、勇者様らしくなかったですね。考え事ですか?」

 そう尋ねてきたのは、二人の訓練を見学していた白い少女だった。髪も肌も真っ白なその女の子は、同じく真っ白い法衣ほうえをまとい、杖を持っている。
 彼女の水晶のような青い瞳に見つめられると、吸い込まれてしまいそうだ、と勇者は感じた。
 彼女は不思議そうに勇者の顔を見ていたが、彼としてはそのあたりはあまり追及してほしくなかった。そう思って、勇者は決まり悪そうに頭を下げる。

「あ、ごめん……。ちょっとボーッとしてたかな?」

 実際、嘘ではない。本当にボーッとしてたのだ。
 頭を押さえて愛想笑いする勇者を、白い少女は心配そうに見つめた。

「そうですか……。でも、気をつけてくださいよ? 治療しますから怪我けがを見せてください」
「大丈夫だよ。これくらい、怪我のうちに入らないから」
「十分入ります! もう勇者様は! 貴女も頭を狙うのはやめてください!」
「にゃははは……。いんやー、申し訳にゃい」
「もう! 大体貴女はいつもやりすぎなんです!」

 白い少女はふくれっ面で怒っていたが、ネコミミも確かにちょっとやりすぎだったと感じているようだった。
 勇者がそんな二人を微笑ましく見ていると、二人の視線が勇者を捉える。

「勇者様、このところボーッとしていらっしゃることが多いです! 気を引き締めてください!」
「そ、そうかな?」
「多いにゃあ」

 もはや勇者に逃げ場はない。観念して彼は再び頭を下げた。

「うぅ……、気をつけるよ」
「まぁ。無理もないと私は思うにゃ?」

 そう言うとネコミミは頭の後ろで手を組んでにゃははと笑う。
 しかし白い少女のほうは、許してくれないようだった。

「そんなことを言っている場合ではありません! わたくしたちはこれから使命を果たさねばならないのですから!」

 確かにその通りだった。
 この先どうするのか。その重要な局面に、勇者たちは今立っている。
 それは、最近巻き込まれたとある大事件に関係していた。
 そこで勇者一行は、魔王と出会った。
 見せつけられた魔族の王の真の実力は、勇者たちに相当の衝撃を与えた。
 圧倒的な実力の差があった。
 勇者はもちろん、白い少女もネコミミも気にしていないわけがない。考え事が多くなるのは、何も勇者に限った話ではないのだ。
 ここのところ勇者一行の中には、以前にはなかった停滞感がある。しかしいくら思い悩んだところで、勇者としての使命がなくなるわけではない。
 パーティの中で一番前向きなのが、白い少女なのだろう。
 白い少女に鼓舞され、勇者はなんとなくうれしくなって笑いかけた。

「ごめん。僕がもっとしっかりしないといけないね」
「そうです。しっかりしてください。わたくしもお助けしますから」
「ありがとう……。僕、がんばるよ」
「わ、わかってくれればよろしいのです……。もう」

 白い少女はツンとそっぽを向いてしまう。相当怒らせてしまったと勇者は思った。
 そんなふうにして、ほんの少しだけ穏やかな時間が流れていく。
 しかしこの世界は、勇者にそんな時間を許してくれるほど甘くないようだった。

「ん?」

 まず最初に反応したのはネコミミだ。
 きょろきょろと周囲を警戒して、動きを止める。
 そして耳を動かすと、何かの音を聞き取ったらしくある方向に耳を向ける。そして鋭く言った。

「向こうのほう……。なんかおかしくないかにゃ?」

 こういうとき、獣人であるネコミミの聴覚は人間などまるで相手にならないほど鋭敏だ。
 彼女の指し示す方向には何かがあるのだろう。そう考えて勇者は警戒を強めたが、それは白い少女も同じ認識で、勇者に頷いた。

「こっちですね……。行きなさい」

 白い少女が得意の精霊魔法を使って、周囲に精霊たちを放つ。
 しばらくして精霊が戻ってくると、何事か察知した白い少女は、先ほどのネコミミと同じ方向を指差して緊張した声色で言った。

「……精霊が騒いでいます。この近くで人間の血の臭いがしていると」
「! 急ごう!」

 そう叫ぶと、勇者はすぐに走り出した。慌てて仲間二人も続く。

「はい!」
「にゃはは……、そういう判断は早いにゃあ。もう慣れたけどにゃ」
「それが勇者様のいいところです! ほら、行きましょう!」
「わかってるにゃ」

 危険なこの世界では、血の臭いはどこにでも漂っている。
 だから、勇者といえど、すべてを救えるわけではない。
 でも、だからといって傷ついている人を見捨てるなんてできない。
 勇者は迷いを晴らすように、いつも以上に剣を握る手に力を込める。
 そして全身を肉体強化の魔法で強化すると、地面を飛ぶように疾走した。
 今この瞬間、悩む必要はない。

「行かなきゃ……」

 目の前の命を救うことが、今勇者としてできる唯一の正義なのだ。


「うわあああ!」

 響き渡っていた悲鳴は、男のものだった。
 その男は、青い炎をまとった何かの群れに追われていた。
 すでにかなり追い詰められている。男性を囲んでいるその群れは少しずつ距離を詰めて、男の逃げ場をなくしていた。
 男は腕に怪我をしていて、抵抗できないようだ。
 勇者はその光景を見た瞬間に、男が絶体絶命の状態にあることを理解して、思考を戦闘用に切り替えた。
 おそらくは魔獣である。
 ためらう理由はない。

「あぶない!」

 青い炎の魔獣が反応したが、すでに勇者は攻撃動作に入っていた。
 勇者が聖剣を抜き放つと、ヒュオンと音を鳴らして魔力の刃が魔獣に向かっていく。
 刃によって両断された魔獣の一体は、青い火花になって崩れて消えていった。
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