魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中

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学園編

10.【間話】圧力【サイド:キール教頭】

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 教頭――キール・ニクモエルはアルの入学を快く思っていなかった。

 魔力ゼロの忌み子を受け入れるなど、名門の学校としてはとうてい許されることではないと考えていた。

 そしてそれは校長――モンド・グリモエルとて同じことだった。

「校長……あのアル・バーナモントとかいう生徒……どうやらAクラスに昇進したようです……」

「おいおい、それはおかしいじゃないかキール教頭。彼は魔力を持たない落ちこぼれなんだろう? それなのになんでそんな芸当が可能なんだ?」

「どうやら報告によると、彼はたいそう剣の腕がたつようで」

「ふーむ……それならまあいいんじゃないかな?」

 校長は沢山蓄えた髭を触りながらこたえる。

「それがそうもいかないんです。彼がAクラスに上がった経緯をご存じですか?」

「いや」

「あなたの甥っ子が関係しています……モンド・グリモエル校長」

「なに!? グリシャがか!」

 グリシャ・グリモエルは理事長の孫で校長の甥っ子だった。

 教頭は事の顛末を校長に説明した。

「うーむ、まあグリシャにはいい薬になったかもしれんな……。しかし理事長がなんというか……」

 校長としてはグリシャを特別視するつもりはなかったが、しかし理事長はグリシャを溺愛しているのだ。

「ええ、ですから……あのアル・バーナモントにはこちらから圧力をかけます。彼は魔法を学びたいらしいですが、それを邪魔してやりますよ……。反対にグリシャ・グリモエルにはなるべく早くAクラスに復帰できるように取り計らおうかと……」

「うむ、それがいいだろう。あとは教頭にまかせる……」

「かしこまりました……」
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