辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中

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第52話 深層へ14

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 俺たちはドラゴンのよもぎを仲間にして、順調に深層をクリアしていった。
 そして、ようやく深層の深部に到達する。
 そこは、神々しい部屋になっていた。
 まるで、人工物のように綺麗な部屋だ。
 ダンジョンって、いったいなんなのだろうか。

 約15年ほど前に、突如として世界に現れたダンジョン。
 その多くは、まだ謎に包まれている。
 ダンジョンは自然に出来たものという説が多いが、どうやらこの部屋はあきらかに人工物のような感じだ。
 壁には模様などがあしらわれている。
 まるでなにかの遺跡のような……。

 いったいここはなんなんだろうか。
 そして部屋の中央には、水晶玉が台に置かれていた。
 てか、あきらかにこれ人工物だよなぁ……。
 遺跡にしか思えない。

「これ、なんだろうか……」
「さぁ、とりあえず、とってみますか?」
「そうだな……」

 俺はおそるおそる、台の上の水晶玉に手を伸ばす。
 まさかこれが深層のクリア報酬とか……?
 それか、これがダンジョンコアとかいうやつなのだろうか。
 とにかく、俺はそれを手に取った。
 すると――。

 ――ゴゴゴゴゴゴゴ。

 ダンジョンが揺れている。
 まさか、クリア報酬どころか、罠……!?

「ひかるん……!」

 俺はとっさにひかるんを抱き寄せる。

 揺れが収まったとおもったら、今度は部屋の四方の壁が開いた。
 そして壁の向こうにはまた部屋になっていて、そこからモンスターたちがぞろぞろと出てくる。
 四方をモンスターに囲まれてしまった。
 全部で30体ほどだろうか。

「そういうわけね……」

 モンスターハウスてやつだろうか。
 俺たちは罠にはめられてしまったわけだ。
 しかし、こんな罠とかはってあって、ますます人工物って感じがしてくる。
 ダンジョンを生成する神でもいるのだろうか。

『やあああああやっぱり罠か……』
『みえみえの罠にはまってて草』
『あーあこれは詰んだな』

 四方をモンスターに囲まれて、これはどう戦えばいいかなぁ……。
 さすがにピンチか……。
 そう思っていたときだった。

「ぐるぅ……!」

 いつもは泣き虫だったドラゴンのよもぎが、いつもとちがう凛々しい目つきをしている。
 俺たちがピンチだとわかっているのか、助けようとしている?
 するとよもぎは進化して、巨大なドラゴンになった。
 今までのよもぎは子供のドラゴンと言う感じで、せいぜい俺の身長ほどしかなかった。
 しかし今の進化したよもぎは、数メートルはある巨体で、威圧感がすごい。
 すごい……あの弱虫だったよもぎが……こんな強そうに見える……!

『うおおおおおおおおよもぎいけえええええ!』
『ドラゴンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』

 俺はよもぎに命令する。

「よもぎ、火炎放射だああああああ!!!!」

「ぐるぅ……! ぐおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 そしてよもぎは口から炎を吐いた。
 そして俺たちを囲んでいたモンスターたちは、一斉に火炎で焼かれて灰になる。

「すげえええええ……! よもぎ、お前すごいな……!」
「よもぎちゃん! すごいです!」

『ドラゴンつえええええええ』
『汚物は消毒だあああああああ!!!!』

 俺はよもぎをよしよしする。
 するとよもぎはうれしそうに胸をはる。

「ぐるぅ♪」

 よもぎのおかげで、なんとかモンスターハウスを切り抜けた。
 モンスターハウスからさらに別の部屋に道が続いている。
 まだまだ深層の底は遠そうだ。
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