40 / 86
第40話 深層へ2
しおりを挟む「ひかるん……!」
俺は急いでひかるんに駆け寄る。
俺はだいふくに乗って、ひかるんを救い出す。
ひかるんをお姫様抱っこで、なんとか救い出した。
「大丈夫か……?」
「辻風さん……ありがとうございます」
そう言ったひかるんの身体は震えていた。
やはり、あのグレートオーガが怖いのだろう。
「大丈夫かひかるん。下がってるか?」
「いえ、大丈夫です。戦えます……!」
しかし、ひかるんはトラウマを払拭しようとしている。
強い子だ。
「俺とだいふくたちでオーガの気をひきます。そのうちにひかるんはとどめを……!」
「はい……!」
俺はだいふくといなりとおもちに命令を出す。
だいふくといなり、それからだいふく化したおもちの三匹で、オーガを取り囲む。
オーガはきょろきょろと、ターゲットを決めあぐねているようだ。
そこに俺が、火炎魔法を叩き込む。
「うおおおおお! 火炎……!!!!」
――ゴオオオオオオオオオオオオオオ。
オーガに火炎がおそいかかる。
しかしさすがは下層の魔物だ。
火炎程度はガードされてしまう。
オーガは腕をクロスさせ、火炎をガード。
そのすきを狙う。
「いけえええええ! おもちたち!」
オーガの腕をだいふくとおもちが、足をいなりがガブリと噛んで、動きを止めた。
「ひかるん、今だ……!」
ひかるんはなおも震えていた。
しかし、勇気を振り絞る。
「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ……! うおおおおおおおおおお!!!!」
ひかるんはグレートオーガを一刀両断。
みごとトラウマを払拭し、オーガを倒すことができた。
俺たちはハイタッチ。
「やったねひかるん、オーガを倒せた……!」
「ありがとうございます。これも辻風さんのおかげです……!」
コメント欄も盛り上がりを見せる。
『うおおおおおおお! グレートオーガ倒したああああ!』
『すげええええええ! 下層クリアみたいなもんじゃん』
『さすがはひかるんだ!』
『トラウマ払拭!』
『ひかるん復活だね!』
『ナイスおじさん!』
『ペットたちもナイスだ!』
グレートオーガを倒したことに安心したのか、ひかるんはふっと気を抜いて、そのまま倒れてしまった。
「おっと……ひかるん……!?」
俺はとっさにひかるんを抱きかかえる。
きっと疲れが出たんだろう。
俺はここで配信を切り上げることにした。
「ひかるん倒れちゃったので、配信はここで終わります。これから帰ってひかるんを病院に連れていきます。安心してください。それでは……!」
『ひかるん大丈夫……!?』
『おじさん優しい』
『おじさん頼んだぞ』
俺は配信を切り上げて、ひかるんをだいふくの背中に載せた。
そして俺はいなりの背中に乗って、急いでダンジョンを出た。
65
お気に入りに追加
2,640
あなたにおすすめの小説

俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話
猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。
バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。
『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか?
※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です
※カクヨム・小説家になろうでも公開しています
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

辻ダンジョン掃除が趣味の底辺社畜、迷惑配信者が汚したダンジョンを掃除していたらうっかり美少女アイドルの配信に映り込み神バズりしてしまう
なっくる
ファンタジー
ダンジョン攻略配信が定着した日本、迷惑配信者が世間を騒がせていた。主人公タクミはダンジョン配信視聴とダンジョン掃除が趣味の社畜。
だが美少女アイドルダンジョン配信者の生配信に映り込んだことで、彼の運命は大きく変わる。実はレアだったお掃除スキルと人間性をダンジョン庁に評価され、美少女アイドルと共にダンジョンのイメージキャラクターに抜擢される。自身を慕ってくれる美少女JKとの楽しい毎日。そして超進化したお掃除スキルで迷惑配信者を懲らしめたことで、彼女と共にダンジョン界屈指の人気者になっていく。
バラ色人生を送るタクミだが……迷惑配信者の背後に潜む陰謀がタクミたちに襲い掛かるのだった。
※他サイトでも掲載しています

【完結】小さなフェンリルを拾ったので、脱サラして配信者になります~強さも可愛さも無双するモフモフがバズりまくってます。目指せスローライフ!〜
むらくも航
ファンタジー
ブラック企業で働き、心身が疲労している『低目野やすひろ』。彼は苦痛の日々に、とにかく“癒し”を求めていた。
そんな時、やすひろは深夜の夜道で小犬のような魔物を見つける。これが求めていた癒しだと思った彼は、小犬を飼うことを決めたのだが、実は小犬の正体は伝説の魔物『フェンリル』だったらしい。
それをきっかけに、エリートの友達に誘われ配信者を始めるやすひろ。結果、強さでも無双、可愛さでも無双するフェンリルは瞬く間にバズっていき、やすひろはある決断をして……?
のんびりほのぼのとした現代スローライフです。
他サイトにも掲載中。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。

パークラ認定されてパーティーから追放されたから田舎でスローライフを送ろうと思う
ユースケ
ファンタジー
俺ことソーマ=イグベルトはとある特殊なスキルを持っている。
そのスキルはある特殊な条件下でのみ発動するパッシブスキルで、パーティーメンバーはもちろん、自分自身の身体能力やスキル効果を倍増させる優れもの。
だけどその条件がなかなか厄介だった。
何故ならその条件というのが────
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる