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第33話 閑話休題:そういう話

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 あれからしばらく経ったが、大商人バッカスからの圧力は特に受けていない。
 とりあえず、レベッカは元気に今も居候している。
 特に出て行く理由がないというのもあるだろうが、不動産屋との確執も原因の一つだった。
 不動産屋を首になるときに、ひどい追い出され方をしたそうだ。
 だから不動産屋には、もう戻りたくないという。

 俺も、レベッカの悲しむ顔なんて見たくない。
 新しく家を借りるにしても、また不動産屋の世話にならなくちゃいけないしな……。
 とりあえず、俺もなにも困ってないので、レベッカはしばらくうちいる。
 まるねこ食堂での仕事は今も続けているので、生活にも困らない。

 まあ、俺のベーシックインカムがあるから、節制すれば二人でもなんら問題なく暮らせるのだが……。
 シロのエサ代とかも考えると、確かに少しでも収入があると助かる。
 俺はいらないといったのだが、レベッカは収入の何割かを俺に家賃として渡してくれる。
 そんな感じで、毎日だらだらのんびりと、何不自由なく楽しく暮らしている。

 別に一緒にくらしていても、恋人というわけではない。
 お互いなににも縛られない、カジュアルな関係だ。
 ただお互いに好きではあるので、夜はともに寝るというだけ。
 その関係に名前を付ける必要もなかったし、ただそれでよかった。

 まるねこ食堂の連中には、一緒に暮らしていることはまだバレていない。
 もしバレたら、殺される。
 レベッカのまるいお饅頭は、きっとみんなが喉から手が出るほど欲しがっているからな。
 ついこの前まで童貞だった俺が、こんな心配ごとを抱えるようになるなんて、こっちに来るまでは思ってもみなかった。

 ちなみにだが、ミーナさんともたまに食事をしたりしている。
 それもレベッカに話してあるが、特に気にしてはいないそうだ。
 まあ、恋人じゃないのだから、嫉妬してほしいというのは身勝手な話だろう。
 ミーナさんも俺とレベッカの関係を喜ばしく思っているようだ。

「ショウキチは私が育てた。二人も女を侍らすようになるなんてさすがだね!」

 とまで言ってたからな……。
 まあ、実際ミーナさんには感謝してるんだけど。
 俺は俺で、たまにクエストを受けて金をまた溜めている。
 レベッカの一件でかなり出費したからな。

 ベーシックインカムだけだと遊んだりするのには心もとないのは前にも感じていたことだ。
 今は冒険者ランクも上がったし、シロがかなり強いおかげで、難なくクエストをクリアできている。
 それに、難易度の高いクエストを受けられるようになったので、単価もそれなりに高い。
 今は週に一度クエストを受けるだけで、かなり贅沢に暮らせている。

 まるねこ食堂で飲んだり、
 ミーナさんの書店に入り浸って、夜はそのまま食事したり、
 休日は家でレベッカと二人で一日中汗だくになったり、
 庭で家庭菜園をしたりと、まさに理想のスローライフ生活を送っていた。


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