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第5話 はじめての……

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 エルフ奴隷を家に連れて帰り、俺は自室で二人きりになる。

「えーっと、まずは名前をきこうか?」
「…………」
「なんだ、しゃべれないのか?」

 俺がそう聞くと、エルフはこくんとうなずいた。
 そして、「アー……」とかすれた声ともつかないうめきをあげた。
 おそらく、喉まで顔といっしょに焼けただれてしまっているのだろう。

「まずはここに寝ろ」

 俺が自分のベッドを指さすと、エルフは怯えた感じでしぶしぶ従った。

「よし、今からお前に回復魔法をかける。これだけの傷だ。かなり時間はかかるが、じっとしていてくれよ?」

 そしてエルフに向かって、回復魔法をかけはじめる。
 最初は喉、それから顔。
 まず喉を完全に治すのに、2時間かかった。
 その間、俺は汗ひとつ拭わずに、集中。

 次にエルフに水を飲ませ、名前を聞く。
 エルフはアーデという名前だそうだ。
 次はアーデの顔を治療していく。
 顔を元通りキレイにするのには、5時間ほどかかった。

「す、すごい……! 本当に治りました……! ご主人様はすごいお人です……! ありがとうございます! 感謝してもしきれません!」
「まあな……って、おお……なんだ……めっちゃ美人じゃん」
「はわ……わ、私が美人ですか……!? ありがとうございます……」

 アーデは言われなれてないのか、顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
 だが、俺は素直にそう思ったから、言っただけだ。
 客観的にみても、アーデの顔はかなりレベル高いと思う。
 そんなアーデの顔を、元通りにできてよかったなと思う。
 アーデのこの幸せそうな笑顔を見れば、なおさらだ。

「じゃあ次、右手から生やしていくぞ」
「は、生やす……!? そんなことまでできるのですか……!?」
「待ってろよ……」

 それからも、俺の治療は続いた。
 もうすでに魔力をかなり使って、体力も限界だ。
 あとは気力の勝負。

 あ、ちなみに、人間の手足を回復魔法で生やすのはかなりの上位術者でも難しいレベルなんだそうだ。
 俺に回復魔法を教えてくれた奴隷のばあさん、ああ見えてかなりすごい優秀な指導者だったんだな……って、今にして思う。
 この数年で、俺もだいぶ成長したけど……。

 すべての手足を元通りにするのに、15時間ほどかかった。

「はぁ……はぁ……これで、なんとか完治かな」

 俺はそのまま、ベッドに倒れた。
 ふと、アーデの泣きじゃくる声がきこえる。

「どうしたんだ? まだ痛むのか?」
「ぐすんぐすん、うぇっうぇっ。違うんです。私なんかのために、ご主人様がここまでしてくださったのがうれしくて……! またこうやって歩ける日が来るなんて、夢見たいです! 私、ご主人様に飼われて本当に幸せです。一生お仕えします!」
「それはよかった。俺も、アーデとずっといられたらって思うよ」

 奴隷に裏切られるのだけはごめんだからな。
 いざというときのために、もし奴隷紋がきかなくなっても大丈夫なほど、信頼関係を築き上げておきたい。

 すっかり疲れて動けなくなっている俺に、急にアーデが馬乗りになる。
 なんだ……!?
 背中に柔らかい、女の子の身体の感触が伝わる。

「ご主人様、お疲れですよね? 私がマッサージで癒してさしあげます」
「ああそういうことか……じゃあ、頼むよ」

 アーデは俺の身体をいたわって、隅々までマッサージしてくれた。
 本当に体の隅々までやるもんだから、当然、俺も反応してしまうわけで……。

「あ……」
「ああ、スマン」
「いえ……もしご主人様がお嫌でなければですが……、こちらの方も、ご奉仕させていただいてよろしいですか?」
「俺はもちろん、かまわないけど……アーデは嫌じゃないのか? いくら奴隷でも、俺はそこまで無理強いはしないぞ?」
「いえ、嫌なんてとんでもないです! ご主人様にご奉仕できるのであれば! うれしいです!」

 そう言って、アーデはおもむろに俺の分身を咥えはじめた。

「う……いいぞ……その調子だ。ありがとうな」
「はう……きもちいですか……?」

 上目づかいでエルフ美少女にそう尋ねられると、正直たまりません。
 アーデは正直言って、めちゃくちゃ美人だった。
 こんな女の子が、俺の専属奴隷で……なんでもいうことをきいてくれるのか……。

「アーデ……その、いいか……?」
「もちろんです、ご主人様なら……。来てください……」

 俺はアーデをベッドに押し倒していた。
 アーデは腕を広げて、俺をすべて受け入れてくれる。
 
「アーデ! アーデ! アーデ!」

 俺はアーデの胸を揉みしだいた。
 アーデの胸は小ぶりだが、十分に手のひらに収まるサイズで、非常に心地いい感触をもたらしてくれた。





「ふぅ……」

 事が終わり、二人でベッドに横になる。
 アーデは俺の腕を枕にして、腕の中だ。

「ご主人様……私、今本当に幸せです。あのまま奴隷市場の片隅で、誰にも買われずに死んでいくのかとおもっていましたから……。ご主人様が見つけてくださって、本当に……ご主人様は神様のような存在です!」

 アーデは潤んだ目で俺を見つめ、キスをしてきた。
 ここまで好かれると、俺も悪い気はしないな。

「なあアーデ。なぜ俺にそこまで感謝なんかするんだ? 俺はお前を奴隷として飼ような立場の奴だぞ? 本当は、嫌なんじゃないのか? 憎みこそすれど、なんでそこまで俺に尽くしてくれるんだ」
「そんな……! ご主人様は命の恩人です。私にまたこの大地を歩かせてくれた。私にまたこの景色を見せてくれた。私にまた言葉を話す機会をあたえてくれた……。感謝こそすれど、憎むなんて飛んでもないです! 私は、ご主人様のもとで奴隷として働けて、本当に幸せなんです!」
「そうか……それはよかった。だが勘違いするな。俺はただお前を奴隷としてこきつかうために治療しただけだ」
「いえ、それでも……私はご主人様が大好きです……!」

 よし、落ちたな。
 これでアーデは完璧に俺に忠誠を誓ってくれるだろう。
 安心安心。
 これからも、いろんな奴隷を味方につけて、破滅フラグに備えよう。
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