好きだと伝えたい!!

えの

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ここ、蜜月の館にきて二週間…俺は本当にお疲れだ…。はぁー。今日は誰が来るんだったかな?毎回、朝までコースだ。寝かせてもらえない時もある…。はぁー。休みはいつだったかな…。




「ルイちゃん!!お客さんよ!!」



雇い人から威勢の良い声がかかる。客ー?!まだお店開店してないじゃん!!あの人来るのが早いよ!!



「まだ準備してません!開店まで待ってもらって下さい!!」



ガチャ


言ってる側からドアが開く音がした。



「何の準備だ?」
  



えっ、えっ、えぇぇええ──────?!
オッ、オーランド様──────?! 
まさかのオーランド様ご登場…えっ何で…驚きと会えた嬉しさでしっぽが少し震える。やばい!!バレたかな…。


「どっ、どうして…ここにぃ…?」



「街の者に聞いた…俺が身請けする」



「えっ…身請け?」


やめてよー!!今度はしっぽがピーンっと立ってしまう。俺のしっぽの馬鹿野郎!!



「そうだ。もう一度、食堂を開けばいい」

 

あぁ…ほんとにオーランド様は…だから好きなんですよ。格好良すぎる!!自分のしっぽを握り、気持ちを悟られないようにする。



 
「ありがとうございます。ですが、その話…お断りさせていただきます」



俺は深々と頭を下げた。



「騎士団長ともあろうお方が、俺の様な者を身請けしたとあっては、名に傷がつきます。お気持ちだけいただきます。俺の事は…忘れてください」



俺はオーランド様に背を向け、もう話すことは無いと無言を貫く。勿論しっぽも見えないように胸に抱く。もう会える事はないと思ってた。でも俺なんかの為に来てくれて…身請けの話まで…それだけで充分だ。



「ここを出れるんだぞ?!何故断る?!」



オーランド様が珍しく声を荒らげている。チラッと顔を盗み見る。顔中に毛が立ち、鼻に皺も出来ている。怖ッ!!けど、俺の為にそんな顔をしてくれていると思うと嬉しい!!でもね…ダメなんだ…ダメなんだよ…



「オーランド様…。俺には借金があります。たとえ身請けして下さっても、借金は残ります。普通の仕事では返せる額ではありません。ご理解いただけましたか?」



「では、借金も俺が引き受ける」



えっ、即答ですか?!結構な金額だよ?!



「オーランド様は何故そこまで俺に?誰にでもそんなに優しくしていたら無一文になっちゃいますよ?ふふっ。オーランド様…俺の体は汚いです…。意味わかりますよね?」



コンコンッ



「ルイちゃん!!お客様よー!!」



時間通りに来たな…



「仕事の時間ですので…お引き取りいただけますか?」



それとなくお帰りをお願いする。が、オーランド様は部屋から動こうとはしない。一体どうしろと…この重い空気に耐えられないんですけど…



「今日はお迎えもないのかい?」



部屋の空気を打ち破る様に、呑気な声が外から掛けられる。あっ、鉢合わせだ…最悪だ…怒られる…



「おや?今日は私がルイの相手のはずだが?」



「メンル様!!申し訳ございません。俺の知人なのです。お客ではありませんので…」



俺は青ざめた顔で必死に言い訳をする。



「そうかい?では、ご退室いただけるかな?」



「オーランド様。今日はありがとうございました」



オーランド様は、しばらく俺を見つめていたが、渋々と部屋から出て行った。すれ違いざまにメンル様を殺さんばかりに睨んで…。



「ルイ」



「はい」


平然と応えるが、全身から血の気が引いていくのがわかる。


「わかっているな?」



メンル様の怒気を含んだ声。はぁ──────。最悪のタイミング…。今日は朝まで寝れないな…。




しかし、オーランド様の私服似合ってたなー。初めて見たけど素敵だった!!かっこいいー!!さすが俺が惚れただけあるな!!



はぁ──────。痛い。心が苦しい。






さよなら
 


┈┈┈┈オーランド様…




さよなら





┈┈┈┈┈俺の恋心…





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