主人公に「消えろ」と言われたので

えの

文字の大きさ
上 下
13 / 14

しおりを挟む


可愛い、かわいいユノ。この小さな体で俺の全てを受け容れてくれる。今だって、口から涎を垂らし喘ぎながら必死に俺を受け入れてくれている。ユノは後ろか突かれる体勢が一番気持ちよさそうに喘ぐ。更に背後からグッと腰を引き寄せピストンをすると、今度は喘ぎの中に無理だと訴える声が混ざる。



まだまだ、これからが本番でしょ。ユノはドMだからね。制止の言葉は気持ちいい、もっとしてって懇願の合図。ユノの柔らかいお尻の感触を堪能し、更に後ろから思いのままに責め立てる。あぁ…支配欲、独占欲が満たされていく。俺のユノ。俺だけのユノ。



こんな感情が自分の中にあるなんて知らなかった。愛おしい、ユノがそばに居てくれるだけで、灰色だった世界が色付いていく。


小さな頃から俺の周りには下心のある奴しか居なかった。腐った肉に集る蝿の様に、耳障りな羽音を立て、払っても払っても飛び廻る不愉快な存在。



隙を見せると群がってくる。俺に対する親切は無償ではない。それに気づいた時、俺から全ての感情が欠落した。誰かと関わることが煩わしい。


だが、周りの者が放っておくわけもなく、ある日、人間の奴隷を与えられた。初めは少し興味を持った。小さな体。耳も尻尾も生えていない。すぐに壊れてしまいそうだ。たが、こいつも結局は他の奴と一緒だった。最初こそ控え目な態度だったが、暫くするとまるで俺の恋人の様な振る舞い。自分は選ばれし特別な存在とでも思っているのか?勘違いするなお前は奴隷だ。何人かの奴隷を与えられたが、皆、顔が麗しいだけで中身は張りぼてだった。人間も獣人も不愉快な存在だと思い知った。



自分でも自分が嫌になる。もしかしたら誰も俺の事を知らない場所に行けば何かが変わるかもしれない。そんな淡い期待を持ちケレス大陸を離れた。



しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

悪役令息に転生したので、断罪後の生活のために研究を頑張ったら、旦那様に溺愛されました

犬派だんぜん
BL
【完結】  私は、7歳の時に前世の理系女子として生きた記憶を取り戻した。その時気付いたのだ。ここが姉が好きだったBLゲーム『きみこい』の舞台で、自分が主人公をいじめたと断罪される悪役令息だということに。  話の内容を知らないので、断罪を回避する方法が分からない。ならば、断罪後に平穏な生活が送れるように、追放された時に誰か領地にこっそり住まわせてくれるように、得意分野で領に貢献しよう。  そしてストーリーの通り、卒業パーティーで王子から「婚約を破棄する!」と宣言された。さあ、ここからが勝負だ。  元理系が理屈っぽく頑張ります。ハッピーエンドです。(※全26話。視点が入れ代わります)  他サイトにも掲載。

悪役令息に転生しけど楽しまない選択肢はない!

みりん
BL
ユーリは前世の記憶を思い出した! そして自分がBL小説の悪役令息だということに気づく。 こんな美形に生まれたのに楽しまないなんてありえない! 主人公受けです。

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり
BL
貴族の家に生まれたが、弟が生まれたことによって両親に売られた少年が、自分を溺愛している人と出会う話です

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

勘弁してください、僕はあなたの婚約者ではありません

りまり
BL
 公爵家の5人いる兄弟の末っ子に生まれた私は、優秀で見目麗しい兄弟がいるので自由だった。  自由とは名ばかりの放置子だ。  兄弟たちのように見目が良ければいいがこれまた普通以下で高位貴族とは思えないような容姿だったためさらに放置に繋がったのだが……両親は兎も角兄弟たちは口が悪いだけでなんだかんだとかまってくれる。  色々あったが学園に通うようになるとやった覚えのないことで悪役呼ばわりされ孤立してしまった。  それでも勉強できるからと学園に通っていたが、上級生の卒業パーティーでいきなり断罪され婚約破棄されてしまい挙句に学園を退学させられるが、後から知ったのだけど僕には弟がいたんだってそれも僕そっくりな、その子は両親からも兄弟からもかわいがられ甘やかされて育ったので色々な所でやらかしたので顔がそっくりな僕にすべての罪をきせ追放したって、優しいと思っていた兄たちが笑いながら言っていたっけ、国外追放なので二度と合わない僕に最後の追い打ちをかけて去っていった。  隣国でも噂を聞いたと言っていわれのないことで暴行を受けるが頑張って生き抜く話です

処理中です...