主人公に「消えろ」と言われたので

えの

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話し合いの結果分かった事。それは獣人の王族は婚約者に対して首飾りを渡す習慣があるって事だ。あなたを離したくない、生涯を共に添い遂げたい、そんな想いを込めて贈るらしい。


はぁ…もっと早く教えて欲しかったなー。まぁ、これから関係を再構築していけばいいか。


「お嫁さんって本当だったんだな。じゃあ、フレイが俺の旦那さんになるのか?ふふっ」


「はぁ…ユノー?勃っちゃった。可愛すぎるユノがいけない。今からは言葉じゃなくて、体を繋げて会話をしようね!!」


「おいッ!!」


俺の制止も虚しく柔らかい絨毯の上に押し倒された。せめてベッドがいい!!こんな扉の傍だと声が外に漏れちゃうだろ!!


「フレイ!!せめてベッ…」


「さっきも思ったけど、俺以外の匂いがする。ユノは俺を嫉妬させるのが本当に上手だね…ダメだよ?イケない子。俺のユノなのにね…大丈夫、何度でも体に教えてあげるから」


ギリッ


「いッ…!!」


あろう事か鋭く尖った歯を俺の唇に立て力を込めた。顎に向かって何かが伝う感覚。何度も執拗なぐらいに舐め取る行為に少しづつ自分のモノが反応していく。フレイに与えられる全てを受け入れてしまう自分が怖い。でも…嫉妬してもらえる事が嬉しい。もっともっと俺を求めて欲しい。足りない、足りないよフレイ。


「フレイ…俺も嫉妬した。あの少年に嫉妬したんだ。俺以外にも関係を持っている人が居るんだって…フレイは…俺のフレイなのに…」


「ユノッ!!」


喜びで打ち震えてるのか、振動が俺にまで伝わってくる。はち切れんばかりの尻尾。くぅー、モフりたい。俺しか触れないその立派な尻尾を堪能したい。


「嫉妬してくれたなんて嬉しい!!そうだよ!!俺の全てはユノの物。この体も、この心臓もみーんな、ユノだけの物だよ…ユノが欲しいと言えばいつだって全てあげる」


あぁ、心が満たされていく。胸が苦しいほど痛い。今すぐ欲しい、たまらなく欲しい。フレイの全てが欲しい。俺の体を満たして、溺れる程いっぱいにして。うっそりと微笑み、フレイの腰に足を絡みつけた。







フレイと俺との関係は少しづつだか前進している。以前は部屋の外に出ることは叶わなかったが、今はフレイと一緒ならば中庭を散歩したり、ランチバッグを持ってピクニックをしたりと外出する様になった。もちろん俺一人で外に出る事はこの先、まぁ一生ないだろうが。


「ユノ!!街に行こー!!一緒に見たいショーがあるんだー。すっごく人気があってねチケットも買えないぐらいなんだよ?お願いしたら特等席用意してくれるって!!」


珍しい事もあるもんだ。いつもなら俺がお願いして外出許可を貰っているのに、フレイから誘ってくるなんて…。余程、面白いショーなのか?ショーって云うとアレだよな?サーカスとかドッグショーぐらいしか思いつかないんだが…。ってかコレって初めてのデートなんじゃ…?!なんか変に緊張するー!!


だが、期待と不安の入り乱れた初デートは俺の予想の斜め上を行く結果となった。これがショーだと?!ふざけんな─!!どこの世界に初デートで凌辱ショーに誘う奴がいるんだ!!フレイの馬ッ鹿野郎────!!



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