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しおりを挟む荒く口内を犯される行為に最初は抵抗していたものの、結局は敵わないと体の力を抜いた。肉厚な舌が逃げる私の舌を追いかけ絡み付く。
「ふぁっ…んッ…」
角度を変え何度も攻められ、執拗なまでの口内愛撫に私のあらぬ所がジンジンと響くように熱を持ち出した。こんな戦場で死ぬ間際だと言うのになんてざまだ。確かに私はこの男の尊厳を踏み躙るような真似をした。その報いというわけか…。
男のもう片方の手が服の中に侵入し、ゆっくりと胸の辺りまで這ってくる。ゴツゴツした自分よりも大きい手は私の体を何度も確かめるように、腹や背を撫でまわした。そして満足したのか、最後に胸の中心に触れた。
大きな手に似つかぬ優しい手つきで捏ねるように、押し潰し、抓り、弄り倒してくる。誰にも触られた事のない場所に強い刺激を受ける度に私の体はビクビクと跳ねた。その様子が気に入ったのか、男は口を離しニヤついた顔で私を見下ろした。
「いいな、その顔」
短いセリフの後、男は一旦私を解放すると、今度は後ろから覆いかぶさってきた。がっちりとした男に腹の前に腕を回され、何をされるのか分からない不安から逃れるように男の腕を掴んだ。
「何故殺さないんですか?仕返しのつもりですか?」
弄び殺されるぐらいなら、いっそ自分の手で終わらせたい。腕を掴んだ手に力を込め、先程男が突き刺した剣を見た。
「気になるか?」
男は私の首筋に口付け、そして捕らえた獲物を逃がさないとばかりにガッと歯を立てた。
「くっ…」
痛みのあまり顔が歪んだ。このまま薄い皮膚を貫通するのでは無いかと思う程だ。
「こんなことをしてっ…!!満足ですか?」
「足りないな。もっとだ」
耳ともで囁き男はガチャガチャと私のベルトを片手で器用に外し始めた。まさか?!今から何をしようとしているのかがわかり、背筋に冷たいものが走る。手を握りしめ、男の腕に拳を何度も叩きつけるが、男は気にすることも無く、ズボンとパンツをズラしてしまった。
急に肌が外気に晒されブルりと身震いが起こる。必死に隠そうと脚を捩るが、足と足の間に男は自分の膝を割り込ませてきた。男が私のペニスに手を伸ばす。あぁ、もうダメだ。
元から強靭な肉体を持つこの男に勝てる訳などなかったのだ。私は全ての抵抗を諦め男に身を預けた。
「くっ…んっ…」
声を押し殺そう頑張っているが、自分とは全然違う男の大きな手で扱かれるとどうにも気持ち良くて自然と漏れ出てしまう。
それに加え、乱暴に扱えばいいものを男が気持ちいいか?どうされるのが好きだ?と聞いてくるものだから堪らない。快楽に負けてしまいそうだ。駄々っ子のように頭を振り邪念を払う。
「そろそろか」
探りながらの行為を終わらせるべく、男の扱きが早くなる。くちゅくちゅと卑猥な音が部屋に響く。
「はっ…はぁ…ふーっ……ッく…」
粘着質な音が段々と大きくなる。
「あぁッ…..もぅ…」
絶頂を迎え身体が大きくビクンと反り、ペニスから白濁が流れていく。誰かに触られてイく感覚が気持ちよすぎて、しばらく腰がビクビクしているのが分かった。
「良かったか?」
声の主の方を見れば、満足そうな顔をしていた。うるさい、黙れと言いたいが、疲労感でそれどころではない。緊張、不安、快感、様々な感情が入り乱れたせいか、瞼が開けれていられないぐらい重くなってきた。あぁ、このまま目閉じてしまえば、この男は私を殺してくれるだろうか。それともまだ行為を続けるつもりなのだろうか。そんな事を考えながら私の意識は暗転した。
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はじめまして、コメント失礼します。
作品を読みまして、癖に刺さりまくりまして、更新がないかと何度も覗いてしまいます。
いつか作品が完結するのを見届けたい想いで一杯です。
ご無理の無い範囲で、何卒よろしくお願いします!!
初めまして!コメント失礼します!
作品読ませていただいたのですが、すごく好きです‼️
是非、作者さんの書かれた続きが読みたいです!
続き待ってます‼️
初めまして、コメント失礼致します☺️
気になる設定で読ませて頂いたら性癖ドンピシャでした!出だし素晴らしいです!
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ありがとうございます♡
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