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番外編⑼
しおりを挟む「誰と居た?何をしていた?」
ガイの咎める様な視線と棘のある声に俺は早口に声を震わせ、何もしてませんと顔を逸らし視界に入ったラブグッズを見ながら答えた。どうか罪の無いラブグッズは許してやってください…と祈りを込めて…。だが、俺の思考を読み取ったのか、
「俺に嘘は通じないと言わかなったか?」
そう言いながら、ぞっそするような凄みを利かせた目が俺を覗き込んだ。そうでした!完全獣人は歩く嘘発見器でした!ヒッ、恐ろしくて寒くなり一瞬にして全身に鳥肌が立つ。猛獣に追い詰められた小動物の気持ちがよく分かるわ。無傷で生還出来る方法を誰か教えてくれー!瞳が忙しなく揺れ、涙が目を潤わす。
「もう一度聞く、誰と何をしていた?」
あぁ…怒ってるガイが怖いのに格好良い…。吐息がかかる程の距離で凄まれてるし、このまま気を失いたい気もするが…。最高潮の怒りに達してるレア顔を見ていたい…。好きな人に何されても許しちゃうってのは、こーゆーことですな!
「…してました…」
「あぁっ?」
「ォ…ニ…してました…」
「あっ?」
「聞こえてんだろぉぉぉ!オナニーしてましたって言ってたんだよ!!」
ぜぇぜぇ、肩で息をして飛び掛るほどの勢で言えば、ガイは俺の答えに満足した様に目を細めた。こいつ絶対に聞こえてただろぉ!!オナニーは大好きですよ?非常に大切な事だと思います!でも、言葉にすると急に淫らなことしてるって恥ずかしくなるんだよー!自分が叫んだ言葉に耳がやたらと熱くなる。
「どうだかな~。本当にシオンが一人で?コレを使ってか?こりゃ、検証する必要がありそうだ」
ディルドを指差しおどけたように言うと、ガイはペロリと熱を持った俺の耳を舐め、拘束していた手を解き体を起こした。急に自由になった手を見つめ、えっ?なんで?とガイの顔と交互に見ていると、ガイがゆっくりと意地の悪い笑みを浮かべた。
俺は今に至るまで何度も死亡フラグを回避してきた。なんなら死神に嫌われちゃってるね~ルンルンぐらいに思っていた…が、今の状況はどうだ?俺に死ねというのか…羞恥心で死ねとっ!!ガイは検証だとかこつけて自分の目の前でオナニーをしろと言ってきたのだ!確かに過去の検証で気持ちよさで我を忘れてガイの目の前でしちゃった事あったよ?でもさ…自慰行為ってのは自分だけの密かな楽しみ、言わば秘め事じゃん…
ガイの方をちらりと見れば、早くしろと言わんばかりの目に勝ち誇ったような微笑みを作っていた。
くっ、ガイのドSっぷりがたまらん…俺は決してM男ではない…なのに興味本位で昔見た、M男が好きな子に嫌がりながらもオナニーを見せ、言葉責めと足攻めでアヘっている動画を思い出した。ガイに足攻めされたら俺のジュニアは間違いなくプチュと潰れるだろうが、言葉責めでオナニーはしてみたい…。頭の中のガイではなく、目の前の本物のガイに言葉責めをされたら…。いいね!それ最高!プレイした事のないエロに対してのチャレンジ精神は大切よ!
男は度胸とほんの少しの下心だ!ベッドの上に転がっている少し使いかけたローションを手に取り、俺は心を決めた。
足を開き、既に丸出しの下半身にトロリとローションを垂らす。液体の冷たさに少し腰が浮いたが、構わず自分のモノに手を延ばす。ガイさん愛のある言葉責めお願いしますよ!
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