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俺、ここから始まる物語?!
しおりを挟むん~何となく似てるなー。この燃えるような赤髪…あの人を思い起こさせるような…。まぁ…そう思ったから部屋の中で介抱してるんですけどね。
実は稀にだが、こんな森の奥深くにまで入り込んでくる人が居る。大概は冒険者と呼ばれる人達で、大方、討伐依頼かなんかだ。だが、この森の魔物は強い。俺からしたら赤子の手をひねる程度だけどね!!この世界の人にしたら脅威ってもんよ。で、討伐に来た結果、返り討ちに合い死にかけてるってパターン。
ここら一帯は俺の庭みたいなもんだし?死なれたら嫌じゃん?彷徨う無念の魂が…アンデッドに…有り得る!!ファンタジーな世界だし!!まだアンデッド見た事ないけどね!!なので、死にかけの人に対してはヒールをかけ、更に街の近くまで運び、傍にポーションお裾分けプレゼントをしてあげる施しをしてます。
ここで問題なのが俺の存在がバレる事。森の奥に珍しい生き物が?!よし、見世物にしよう!!奴隷として売り飛ばそう!!ペットに!!なーんて不埒な輩に森に押し寄せられても困るので…残念仮面を装備している。この残念仮面はクリスマスイブに限定イベントをクリアすると貰える名誉あるアイテムなのだ!!なんせ恋人たちの愛を育むクリスマスイブにログインしてしまう勇者の証だからな!!効果はまさに意識阻害認識作用。クラスの中の目立たない地味な人。存在の薄い人。えっ?そんな奴居たかなー?ぐらいの認識にしてくれる素晴らしい仮面なのだ!!
人助けをする時は常に装備している。たまに忘れちゃうけど、元々死にかけな訳だし?意識朦朧としてるでしょ?大丈夫っしょ?まぼろしーみたいな感じて思ってるはず。
この森には貴重な素材でもあるらしく、やたらと軽装備な人も迷い込んでくる。え?その格好はただの街人Aとかでしょ?と思う程だ。せめて冒険者でも雇えばいいものを…結局、魔物に殺されかけた所を助けて、ポーションプレゼントのコースになる。何が欲しいの教えてくれたら俺が代わりに採取してあげるよ!!だから俺の庭で死なないでー!!
あまりにも迷い人が多い時期、まさか自ら命を…?と心配になり、助けた人に森の中に入った理由を聞いてみた。が、俺が話しかけると泣き出し嗚咽が酷く何言ってるか意味不明だった…。残念仮面つけずに聞いたのに…怖がらないように聞いたのに…泣き出すなんであんまりよ!!酷いわ!!ってな感じで、毎度の事ながら街まで運び、ポーションプレゼントしてサヨナラした。
しかし、この人は騎士団だろ?まさかこの森…自○の名所とかになってないだろうな?!でも…血塗れだったし…傷の具合から魔物にやられたのだろう…。単身で森の奥深くに何用で?謎は深まるばがりだ。
本当はいつも通りお決まりのコースで、ポーションプレゼントしてグッバイした方が良かったんだろうな…。懐かしい事を思い出したせいかな?人恋しくなっちゃったのかな?家のベットに寝かせてあげるなんてね。
少しだけ…目が覚めたら…直ぐに街まで送る。少し声が聞きたいだけ。フラグが立たない程度に…イベントが起こらない程度に会話するぐらい許されるよね?結構独りぼっちは寂しいもんよ。誰とも関わらないって決めたのは俺なんですけどね!!でも…似てるんだ…イシスさんが若かったらこんな感じだったのかな?少しだけ顔を覗き込む。
「んっ…ここは…」
寝ている彼の瞼がゆっくりと持ち上がり、真上から覗き込んでいる俺の姿が瞳に映る。
「もりの…妖精さま?」
そう小さく呟き、彼は勢いよく体を起こした。思った以上に近くなった顔。ひぃ────────!!久しぶりのイケメンのご尊顔がこんなにも至近距離に!! やめて!!俺の心臓が…!!
「妖精様!!あぁ…なんて事だッ!!お噂通りお美しい…」
いかん!!情報が多すぎて処理しきれん!!キャパオーバーだ!!妖精様?!噂って何?!俺の顔知ってんの?!あぁ…面倒臭い事になる予感をヒシヒシと感じちゃう…。いつも通り街送りパターンにしとけばよかった…。後悔先に立たず。満面の笑みを浮かべる彼とは対称的に、俺の顔は表情を何処かに置き忘れて来たように無だ。
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