32 / 41
俺、全うする
しおりを挟む「ンぐッ…ゲホッ!ゲホッ!」
勢い良く口の中に放たれた白い液体を飲む事など出来るはずもなく、ダラダラと口から零れ落ち地面に小さな水溜まりを作る。いまだに放出され続ける白い液体を顔で受け止めながら、ジンさんの顔を見つめた。
「カーラ、上手だった」
先程まではもう限界だと心の中で叫んでいたが、甘い言葉に微笑みを添えられ、更には俺の頭をよしよしと撫でるというオプション付き。俺の心はぐらつき、もう一回ぐらい気持ちよくしてあげたいという気持ちが生まれてしまう…。いやー行為中の言葉を信じてはいけないとは本当の事だな!!ついつい乗せられてしまう。ジンさんはヤリ手に違いない!!この人は危険人物に認定だ!!
「カーラ、次は俺の番だよ?俺の方を向いて座って」
クルトさんによって足首まで下ろされたズボンはかろうじて引っ掛かっているだけだ。剥き出しの白い太ももに剥き出しの俺の息子…。座った状態のクルトさんの上に対面になるように跨る。
「ほら…好きなように動いてごらん」
ふぁ?!好きなようにだと?!無理難題を俺に押し付けやがって!!自分では動きませんってか?!これだからイケメンは!!キャラ変してから二人とも呼び捨てになるし敬語じゃなくなるし…くっそー!!ギャップ萌に俺でさえ二人に陥落しそうだよ!!しないけどね!!この行為は罪悪感からくる罪滅ぼし!!心の葛藤に眉間に皺を寄せ考えていると、クルトさんが、大丈夫、エスコートしてあげるから怖くないよと優しい言葉を掛けてくれた。ムカつくなー。イケメン優男とか最強やん。見てろよ!!エスコートなど俺には不要!!
腰を動かしながらペニスの裏筋にそって自分のモノも一緒に擦りつける。二つ一緒にずれないよう手で持ち自分の方に少し引き寄せる。手で包み込んで同時に動かす。めちゃくちゃ気持ちいい…。あまりの気持ちよさに夢中になり、ついつい自分の気持ちいい場所を擦ってしまう。
「んッ…気持ちいぃ…ぁッ…もっと…」
あまりの強い快感に二人の目なん忘れて痴態を晒す。目を瞑り擦る速度を早くし集中する。
「カーラ、口を開けろ」
頬っぺたを硬いものでペチペチと叩かれた。薄く目を開くとジンさんの元気なモノが俺のすぐ目の前で存在を主張していた。えっ?!無理…さっきイッてたよね?!俺には一度に二人も相手するなんて…そんな芸当無理だよ!!
「いゃッ…」
「カーラ、口を開けろ」
くっ、悔しい────!!こんな獲物を狙う様な目で見られたら、食べられる側の俺なんて逆らえるわけないだろう!!躊躇いがちに少しだけ口を開ける。
「もう咥えるのは嫌か?」
へっ?悲しそうな顔に笑いを浮かべて俺を見下ろすジンさん。いや…普通に嫌ですけど。だって男のモノを咥えるって…相当勇気がいるからね?!俺だって同じモノ付いてるからね?!そもそも俺フェラされた事ないのに、貴方に御奉仕してるんだよ?!脳内でAV再生しながらしてるんだよ!!はぁ────。止めてくれ。そんな寂しい顔するなよ…。弱いんだよ…。捨て犬タイプには…。
ジンさんのモノに自分から顔を近づけペロリと舐めた。いいよ!いいよ!!元をたどれば俺のせいだしな!!ドーンと来い!!
顎が辛い…まだか…まだイカないのか?!御奉仕しながらジンさんの顔を確認する。
「カーラは本当に上手だな」
俺の頭をと耳を触りながらジンさんがボソリと呟く。そう?いやー俺の妄想力も大したもんだな!!ぶっつけ本番で出来ちゃうとか俺凄くない?!エヘっ。ふにゃけた笑顔をジンさんに向ける。
「それは…たくさん…」
たくさんAV鑑賞してますから!!なんて言えるはずがない。言ったところでAVとは?って絶対なるしね!!説明したらエロフ公認なっちゃうじゃん。続きの言葉が見つからなくて言い淀む。
「そうか…」
目を細め優しく俺の行為を眺めている。耳のピアスをイジるのやめて欲しいな…。イッた勢いでうっかりブチッって引きちぎったりしないでね…。そのフープピアスお気に入りなんだよ。
はぁー顎がダルい…。顔も体もあちこちベタベタする…。恐るべし精力。おまけに獣人さんって射精が長い上に量も凄い…。もう無理…。色んな意味でお腹いっぱいです。俺…全てのAV出演者の方を尊敬します…。特に複数人をお相手している方!!舐めてました…。妄想だけで充分です…。薄れる意識の中でAVの素晴らしさを再認識し、俺はクルトさんの胸に倒れ込むようにして目を閉じた。
▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣
俺の胸で幸せそうに眠るカーラ様。可愛いなー。先程までの行為を思い出すだけで体が熱くなり、あらぬ所まで熱が集中してくる。
あの日、カーラ様が襲われた日。俺は自分自身の不甲斐なさを憎んだ。何故離れてしまったのか…どうして…そんな後悔が頭の中をグルグルと渦巻く。二度とこの様な事が起こらないように、俺のこの先、全ての人生を賭けて…貴方を守ると誓う。そう心に決めた。
その後も話しかける度に震え怯える姿を見て、心に負った傷の深さを思い知らされた。神子様に呼び出された時も、以前のように罵声を浴びせられ、また心の傷を抉られるのではと心配したが、何故か森に行きたいと…俺達の強さを間近で見たいと笑顔でお願いされた。そんな可愛いお強請り…断れるはずがない!!
森に到着するが、なんだかいつもより静かだ…。冷りとした空気が流れ薄ら寒い。嫌な感じがする。遭遇したファイアアントンの炎の威力が異変を物語っていた。あれ程までの威力…やはり瘴気の影響か?ジンと調査隊を派遣すべきか話し合っているうちに…まさかカーラ様を危険に晒してしまうとは…。
ふと周りを見回し、カーラ様の姿がない事に気付いた。ヒュッ、息を呑む。焦る気持ちを落ち着かせ、僅かに残る匂いをたどり、駆け足で足場の悪い森の中を進む。聞こえる俺達に助けを求める声。カーラ様!!
辿り着いた先には触手に絡まれ身動きの取れないカーラ様がいた。くっそ!!また間に合わなかった!!近づきたいのに触手に行く手を遮られ思うように前に進まない!!もどかしい!! 焦燥感が募る。早く!!一刻も早く助け出さなければ!!
「ぁッ…んッ…そこッ…」
えっ?!今の可愛らしい声は…?触手を睨んでいた目を動かす。なっ?!喘ぎ声の先には厭らしく腰を揺らすカーラ様のお姿が…。ついつい手を止め瞬きする事も忘れて見入ってしまった。触手に拘束され為す術もなく犯されている光景に、あろう事か体が反応してしまった…。何かを訴えかけるような視線…。おそらくカーラ様は触手の体液を摂取してしまったのだろう…。触手に強請るだなんて…。触手に…触手ごときに────!!なんで俺より先にはカーラ様の体を堪能しているんだッ?!触手のくせに!!忌々しい!!牙を剥き殺さんばかりの視線を向ける!!だが、内心悪態をつき油断している隙に俺まで触手に囚われてしまった…。
26
お気に入りに追加
1,986
あなたにおすすめの小説

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。

名前のない脇役で異世界召喚~頼む、脇役の僕を巻き込まないでくれ~
沖田さくら
BL
仕事帰り、ラノベでよく見る異世界召喚に遭遇。
巻き込まれない様、召喚される予定?らしき青年とそんな青年の救出を試みる高校生を傍観していた八乙女昌斗だが。
予想だにしない事態が起きてしまう
巻き込まれ召喚に巻き込まれ、ラノベでも登場しないポジションで異世界転移。
”召喚された美青年リーマン”
”人助けをしようとして召喚に巻き込まれた高校生”
じゃあ、何もせず巻き込まれた僕は”なに”?
名前のない脇役にも居場所はあるのか。
捻くれ主人公が異世界転移をきっかけに様々な”経験”と”感情”を知っていく物語。
「頼むから脇役の僕を巻き込まないでくれ!」
ーーーーーー・ーーーーーー
小説家になろう!でも更新中!
早めにお話を読みたい方は、是非其方に見に来て下さい!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神は眷属からの溺愛に気付かない
グランラババー
BL
【ラントの眷属たち×神となる主人公ラント】
「聖女様が降臨されたぞ!!」
から始まる異世界生活。
夢にまでみたファンタジー生活を送れると思いきや、一緒に召喚された母であり聖女である母から不要な存在として捨てられる。
ラントは、せめて聖女の思い通りになることを妨ぐため、必死に生きることに。
彼はもう人と交流するのはこりごりだと思い、聖女に捨てられた山の中で生き残ることにする。
そして、必死に生き残って3年。
人に合わないと生活を送れているものの、流石に度が過ぎる生活は寂しい。
今更ながら、人肌が恋しくなってきた。
よし!眷属を作ろう!!
この物語は、のちに神になるラントが偶然森で出会った青年やラントが助けた子たちも共に世界を巻き込んで、なんやかんやあってラントが愛される物語である。
神になったラントがラントの仲間たちに愛され生活を送ります。ラントの立ち位置は、作者がこの小説を書いている時にハマっている漫画や小説に左右されます。
ファンタジー要素にBLを織り込んでいきます。
のんびりとした物語です。
現在二章更新中。
現在三章作成中。(登場人物も増えて、やっとファンタジー小説感がでてきます。)

異世界へ下宿屋と共にトリップしたようで。
やの有麻
BL
山に囲まれた小さな村で下宿屋を営んでる倉科 静。29歳で独身。
昨日泊めた外国人を玄関の前で見送り家の中へ入ると、疲労が溜まってたのか急に眠くなり玄関の前で倒れてしまった。そして気付いたら住み慣れた下宿屋と共に異世界へとトリップしてしまったらしい!・・・え?どーゆうこと?
前編・後編・あとがきの3話です。1話7~8千文字。0時に更新。
*ご都合主義で適当に書きました。実際にこんな村はありません。
*フィクションです。感想は受付ますが、法律が~国が~など現実を突き詰めないでください。あくまで私が描いた空想世界です。
*男性出産関連の表現がちょっと入ってます。苦手な方はオススメしません。

迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。

俺がイケメン皇子に溺愛されるまでの物語 ~ただし勘違い中~
空兎
BL
大国の第一皇子と結婚する予定だった姉ちゃんが失踪したせいで俺が身代わりに嫁ぐ羽目になった。ええええっ、俺自国でハーレム作るつもりだったのに何でこんな目に!?しかもなんかよくわからんが皇子にめっちゃ嫌われているんですけど!?このままだと自国の存続が危なそうなので仕方なしにチートスキル使いながらラザール帝国で自分の有用性アピールして人間関係を築いているんだけどその度に皇子が不機嫌になります。なにこれめんどい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる