神子召喚に巻き込まれた俺はイベントクラッシャーでした

えの

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俺、全うする

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「ンぐッ…ゲホッ!ゲホッ!」


勢い良く口の中に放たれた白い液体を飲む事など出来るはずもなく、ダラダラと口から零れ落ち地面に小さな水溜まりを作る。いまだに放出され続ける白い液体を顔で受け止めながら、ジンさんの顔を見つめた。


「カーラ、上手だった」


先程まではもう限界だと心の中で叫んでいたが、甘い言葉に微笑みを添えられ、更には俺の頭をよしよしと撫でるというオプション付き。俺の心はぐらつき、もう一回ぐらい気持ちよくしてあげたいという気持ちが生まれてしまう…。いやー行為中の言葉を信じてはいけないとは本当の事だな!!ついつい乗せられてしまう。ジンさんはヤリ手に違いない!!この人は危険人物に認定だ!!



「カーラ、次は俺の番だよ?俺の方を向いて座って」


クルトさんによって足首まで下ろされたズボンはかろうじて引っ掛かっているだけだ。剥き出しの白い太ももに剥き出しの俺の息子…。座った状態のクルトさんの上に対面になるように跨る。



「ほら…好きなように動いてごらん」



ふぁ?!好きなようにだと?!無理難題を俺に押し付けやがって!!自分では動きませんってか?!これだからイケメンは!!キャラ変してから二人とも呼び捨てになるし敬語じゃなくなるし…くっそー!!ギャップ萌に俺でさえ二人に陥落しそうだよ!!しないけどね!!この行為は罪悪感からくる罪滅ぼし!!心の葛藤に眉間に皺を寄せ考えていると、クルトさんが、大丈夫、エスコートしてあげるから怖くないよと優しい言葉を掛けてくれた。ムカつくなー。イケメン優男とか最強やん。見てろよ!!エスコートなど俺には不要!!



腰を動かしながらペニスの裏筋にそって自分のモノも一緒に擦りつける。二つ一緒にずれないよう手で持ち自分の方に少し引き寄せる。手で包み込んで同時に動かす。めちゃくちゃ気持ちいい…。あまりの気持ちよさに夢中になり、ついつい自分の気持ちいい場所を擦ってしまう。


「んッ…気持ちいぃ…ぁッ…もっと…」


あまりの強い快感に二人の目なん忘れて痴態を晒す。目を瞑り擦る速度を早くし集中する。


「カーラ、口を開けろ」


頬っぺたを硬いものでペチペチと叩かれた。薄く目を開くとジンさんの元気なモノが俺のすぐ目の前で存在を主張していた。えっ?!無理…さっきイッてたよね?!俺には一度に二人も相手するなんて…そんな芸当無理だよ!!


「いゃッ…」


「カーラ、口を開けろ」


くっ、悔しい────!!こんな獲物を狙う様な目で見られたら、食べられる側の俺なんて逆らえるわけないだろう!!躊躇いがちに少しだけ口を開ける。


「もう咥えるのは嫌か?」


へっ?悲しそうな顔に笑いを浮かべて俺を見下ろすジンさん。いや…普通に嫌ですけど。だって男のモノを咥えるって…相当勇気がいるからね?!俺だって同じモノ付いてるからね?!そもそも俺フェラされた事ないのに、貴方に御奉仕してるんだよ?!脳内でAV再生しながらしてるんだよ!!はぁ────。止めてくれ。そんな寂しい顔するなよ…。弱いんだよ…。捨て犬タイプには…。



ジンさんのモノに自分から顔を近づけペロリと舐めた。いいよ!いいよ!!元をたどれば俺のせいだしな!!ドーンと来い!!



顎が辛い…まだか…まだイカないのか?!御奉仕しながらジンさんの顔を確認する。


「カーラは本当に上手だな」


俺の頭をと耳を触りながらジンさんがボソリと呟く。そう?いやー俺の妄想力も大したもんだな!!ぶっつけ本番で出来ちゃうとか俺凄くない?!エヘっ。ふにゃけた笑顔をジンさんに向ける。



「それは…たくさん…」



たくさんAV鑑賞してますから!!なんて言えるはずがない。言ったところでAVとは?って絶対なるしね!!説明したらエロフ公認なっちゃうじゃん。続きの言葉が見つからなくて言い淀む。


「そうか…」


目を細め優しく俺の行為を眺めている。耳のピアスをイジるのやめて欲しいな…。イッた勢いでうっかりブチッって引きちぎったりしないでね…。そのフープピアスお気に入りなんだよ。



はぁー顎がダルい…。顔も体もあちこちベタベタする…。恐るべし精力。おまけに獣人さんって射精が長い上に量も凄い…。もう無理…。色んな意味でお腹いっぱいです。俺…全てのAV出演者の方を尊敬します…。特に複数人をお相手している方!!舐めてました…。妄想だけで充分です…。薄れる意識の中でAVの素晴らしさを再認識し、俺はクルトさんの胸に倒れ込むようにして目を閉じた。




▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣







俺の胸で幸せそうに眠るカーラ様。可愛いなー。先程までの行為を思い出すだけで体が熱くなり、あらぬ所まで熱が集中してくる。


あの日、カーラ様が襲われた日。俺は自分自身の不甲斐なさを憎んだ。何故離れてしまったのか…どうして…そんな後悔が頭の中をグルグルと渦巻く。二度とこの様な事が起こらないように、俺のこの先、全ての人生を賭けて…貴方を守ると誓う。そう心に決めた。


その後も話しかける度に震え怯える姿を見て、心に負った傷の深さを思い知らされた。神子様に呼び出された時も、以前のように罵声を浴びせられ、また心の傷を抉られるのではと心配したが、何故か森に行きたいと…俺達の強さを間近で見たいと笑顔でお願いされた。そんな可愛いお強請り…断れるはずがない!!


森に到着するが、なんだかいつもより静かだ…。冷りとした空気が流れ薄ら寒い。嫌な感じがする。遭遇したファイアアントンの炎の威力が異変を物語っていた。あれ程までの威力…やはり瘴気の影響か?ジンと調査隊を派遣すべきか話し合っているうちに…まさかカーラ様を危険に晒してしまうとは…。



ふと周りを見回し、カーラ様の姿がない事に気付いた。ヒュッ、息を呑む。焦る気持ちを落ち着かせ、僅かに残る匂いをたどり、駆け足で足場の悪い森の中を進む。聞こえる俺達に助けを求める声。カーラ様!!


辿り着いた先には触手に絡まれ身動きの取れないカーラ様がいた。くっそ!!また間に合わなかった!!近づきたいのに触手に行く手を遮られ思うように前に進まない!!もどかしい!! 焦燥感が募る。早く!!一刻も早く助け出さなければ!!



「ぁッ…んッ…そこッ…」



えっ?!今の可愛らしい声は…?触手を睨んでいた目を動かす。なっ?!喘ぎ声の先には厭らしく腰を揺らすカーラ様のお姿が…。ついつい手を止め瞬きする事も忘れて見入ってしまった。触手に拘束され為す術もなく犯されている光景に、あろう事か体が反応してしまった…。何かを訴えかけるような視線…。おそらくカーラ様は触手の体液を摂取してしまったのだろう…。触手に強請るだなんて…。触手に…触手ごときに────!!なんで俺より先にはカーラ様の体を堪能しているんだッ?!触手のくせに!!忌々しい!!牙を剥き殺さんばかりの視線を向ける!!だが、内心悪態をつき油断している隙に俺まで触手に囚われてしまった…。







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