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俺、戸惑う
しおりを挟む「んっ…」
ゆっくりと瞼を持ち上げる。頭がぼんやりとして、体は疲労感が半端ない。だるい。起きたくない。
「カーラ様!!」
焦点の合わない目を彷徨わせ、声がした方に向ける。クルトさんとジンさんの泣きそうな顔が飛び込んできた。
ガバッ!!っと勢いよく身を起こす。何事?!どうした?!何かあったのか?!驚いた顔で二人を見る。
「急に起きてはダメです!!」
「あんな…あんな酷い目にあって…ぐっ」
どんな?!どんな酷い目に合わされたんだ?!俺がやり返してやる!!フラグが立たない程度にだけど…。
「何かされたんですか?あの…お力になれるかわかりませんが…俺で良ければ…」
「そんなッ!!カーラ様…なんとお優しい…お辛い目に合ったのに…俺達の心配を…」
「安心してください!!カーラ様を汚した輩は捕らえています!!何もやっていないなど…白々しい嘘を言ってますが…」
もっ、もしかして新しい護衛さん達の事かな…?そんな!!何もしてない!!大変だ!!
「俺はッ!!何もッ!!ぐふっ」
またこのパターンか────い!!欧米か?!獣人はどうしてスキンシップが激しいんだ!すぐに抱き着くんじゃない!!
「いいんです!!無理に話さなくても!!俺達はわかってますから…大丈夫ですから…」
クルトさんが苦虫を噛み潰したような顔をして、俺の事をさとしてくれる。ジンさんの手が俺の髪を何度も優しく梳く。
「あんな…あんな悲惨なベッドを見たら…誰でも…ぐっ!!」
そう言葉を投げ捨て、ボスンッ!!と力なく拳をベッドに叩きつける。
すみません…ベッドは俺がやったんですとは、とてもじゃないが言い出せる雰囲気ではない…。しかし冤罪はダメ!
「あの、護衛の方は…」
「団長から聞きました…」
何を?!何を聞いたんだ────?!まさかお風呂場の出来事か?!結局、俺は純潔を散らさずに済んだ…。選択行動を誤った後、エロ団長様と兜合わせなるものをしたんですよ…。まぁ気持ちいいですよね。泡のせいで滑りもよく、やわらかい尿道が触れ合う感覚、ビジュアル的にもエロい。あまりの興奮にすぐ射精しちゃいましたよ。そのまま意識もブラックアウトしましたよ。だから、その後、何故このベッドに寝ているのかわからないんだよ!!
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「はい。怖かったですね…二階から…飛び降りるなんて…」
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「二階から飛び降りたカーラ様を受け止め…泣きながらも襲われた事を話してくれたと…体はお風呂で清めたと団長から聞きました」
「あの護衛二人は団長とシヴァ様で尋問してくれました。頼まれて神子様を襲うつもりだったと…でも二人召喚されたので、どちらが神子様かがわからなかったそうです…タイミングが悪かったです。まさか神子様に呼び出されてる間にカーラ様が…襲われるなんてッ…」
つまり…新しい護衛さんは本当に俺をモブレするつもりだったとー?!なんたる事だ…。神子様を狙ったって…本当なら…ゆう君危ないんじゃないの?!大丈夫?!俺は強いからいいけど…ほんと
「神子様が襲われなくて良かった…」
俺も襲われたくないけどさぁー。ゆう君とか襲われたら抵抗できないじゃん!!いくら性格に難があろうとダメ。傷付ける事はダメです!!しっかし…これからどうしようかなー。
「カーラ様ッ!!」
「なんと寛大な心…」
恍惚とした表情で俺を見る二人…。なんだ…フラグか…?!
ベッドの傍に改めて並び俺を見る二人。右胸に拳を捧げる。
「俺の命はあなたの為に」
「俺の命をかけて守ります」
止めろ────!!忠誠を誓う相手は俺じゃない!!フラグを立てるんじゃな────い!!!!
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