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俺、危機迫る
しおりを挟む正妃様は絶世の美女もとい、絶世の美男子でした。儚い…儚いけど美しい。病のせいで消えそうだけど…。
エレの顔は正妃様譲りなのね。大きくなったらモテモテだなー。将来有望!!羨ましい!!まぁ男しか居ないけど。
「初めまして、カーラと言います」
「ごほっ、ごほっ。ご丁寧にありがとうございます。こんな体勢で申し訳ありません。ニコと申します。碌におもてなしも出来ず…重ねてお詫び致します」
なんて…なんて腰の低い人なんだ!!日本人として親しみが湧く!!俺に出来ることがあるなら助けてあげたい…。
「エレから事情は伺いました…俺に出来ることがあれば…その…」
「ありがとうございます。でも原因もわからず…ただただ体調が悪くなるのを待つばかりで…もう…」
「お母様ッ…ぐっ…」
「エレ、人前で涙は見せるものではありません」
「はぃ…」
「エレ、強くありなさい。弱さを見せてはいけません」
あっ、泣きそう。止めてー。俺が泣かしたと思われたら…ってか俺が泣かしたのか?!すっ、直ぐに!!直ぐに治しますので!!
「キュア」
ニコ様に向い手をかざし、小さく詠唱する。緑色の光に包まれたニコ様から黒いモヤッとしたモノが出て、空中で消え去った。どうでしょう…
「…これはッ…」
長い沈黙が流れる…辛い!!誰か何か話しかけてあげてよ!!ってか俺か?!俺が話しかけるべきなのか?!
「お母様ッ!!どうですか?!」
我慢出来なくなったエレがせっつく様に聞く。
「エレ…落ち着きなさい。カーラ様…なんと、なんとお礼を申したら良いのか…先程までの体のダルさが嘘のようです…ほんとうに…ほんとうにッ…」
そう言ってニコ様は静かに泣き崩れた。おぅ…結局泣かせてしまった…。ってか様付け止めてー。とりあえず俺はいい事したよアピールしとこう!!
「体調が良くなられて…喜ばしい事です。あの、食べ物や飲み物には…気を付けることをお勧めします」
やんわりと、あんた毒盛られてまっせー!と助言しておく。何度も同じ目に遭ったら可哀想だしね。
「それは…どういう…はっ!!」
まさか?!と部屋に動揺が走る。俺はこれ以上は関わりませんと空気と化す。だって、万が一に犯人を…とか言われてみろ!!そんなに関わるつもりはない。逃げにくくなっちゃうでしょ。何事も助けすぎは良くない。あとは自分達で頑張って!!
「俺はこれで…」
せっかくの親子水入らずの時間だし、邪魔者は退散するに限る。ジンさんは何処か行く所があると消えてしまった。今はクルトさんと二人だ。そんな時に限って会ってしまう…神子様…。ついてない…。
「ちょっとぉ!!聞いてるのぉ?!」
あーヤダヤダ。何度も言うけど、俺は、部外者だから──────!!
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