神子召喚に巻き込まれた俺はイベントクラッシャーでした

えの

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俺、勘繰る

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結局、シヴァさんに押し切られて晩餐会に参加する事になってしまった…NOとは言えない日本人。辛い…。


晩餐会までの間、これから過ごす部屋に案内して貰った。美術館かな?と思うほどの装飾品の数々。絶対にむやみやたらに触りません。もし万が一壊したら…想像するだけで恐ろしい未来が…。牢獄は嫌!!見ろ!!あんな天屋根付きのベッドなんか本でしか見た事ない。絶対に触らない事を心に誓います!!



更に…俺に何故が護衛が二人も。つまりは見張りですね。俺が何をするか監視するんですね。いや…大丈夫だよ。この世界の知識を身につけたら出て行くし!!とは面と向かって言えない俺です。



高校生君もとい、ゆう君とは離れ離れになった。まぁ神子様だし?色々とお役目があるんだろう。それに、ゲーム攻略してハーレムエンドする気満々だったから、関係ない俺は好きにしていーでしょ。



しっかし暇だなー。この部屋ざっと見たけど本がない。字が読めるか確かめたいし、なんならこの世界の知識も得たい。あっ、そっか!!護衛の人聞こう!!そして俺は人畜無害だと説明しよう!!勇気を…勇気を出せ俺!!


「あっ、あの…」


後ろを振り返り、一生懸命に話し掛けようと頑張る。が、二人がイケメン過ぎて無理。外見は確かに俺も美形だけど、中身は俺だから。普通だから。イケメンに話しかけるとかハードル高い!!高すぎる!!無口キャラで通すって決めたけど、俺、素で無口なってるわ。


「どうかなさいましたか?カーラ様」


止めてー!!おまけなぞに様付けダメー!!フラグが…何かのフラグが立ちそうで怖い!!二人の視線が見えない矢のように俺の体に何本も突き刺さる。イケメン恐るべし。


「様は…いりません」



プイと顔を横に向け、イケメン達を視界に入れないようにする。大丈夫!!顔を見なければ話せる!!



「申し訳ありません。カーラ様の願いを聞き入れる事が出来ず。お許しを…」


片膝を床につき、謝罪の言葉を述べるイケメン。その突然の行動に震え上がり沈黙してしまう。えっ?何?フラグか?これは俺が無体を働くのを待っているの?牢獄に入れる為に?怖ッ!!その手には乗らないからな!!


「止めろ!カーラ様が困ってるだろ!!」


イケメンその二が止めに入ってくれた。ありがとー!!助かったわ。あんな謝罪受けたことないから、対応に困っちゃうよ。お礼を言おうと思い、気付いた。俺、二人の名前を知らない…


「あっ、すみません。なっ、名前を聞いても…?」


失礼な事をしてしまった。第一印象は大切なのに…。まさか名前を聞いていないとは…。なんたる失態。人畜無害アピール失敗だ。大失敗だ!!俺の印象はマイナスになっていないだろうか…。


「名前を聞いていただけるとは…!!私はクルトです」


「カーラ様。私はジンです」


クルトの隣に同じ様に片膝をつき名乗ってくれた。止めろ!フラグを立てるな!!お前もなのか?!嫌な予感に背筋が凍る。絶対にその策には乗らないからな!!満面の笑みでよろしくと嫌味を言ってやる。


均整がとれた顔立ちに麦藁色の髪がジンさん。甘い顔立ちに桃色の髪がクルトさん。二人とも背は高く、その立ち振る舞いからは品格がにじみ出ている。さすが獣人。俺よりも頭の二つ分は高いかな?しかし、ゲームだけあって、人間離れしたイケメンだ事で…。


今だに面を食らったまま動かない二人。俺が嫌味でも言うと思ったんだろ?甘いな!!イケメンに悪口など言えるはずがない!!仕返しが怖いわ!!



「クルトさん、ジンさん、お願いが…あります」


ゆっくりと優しい口調で語りかける。


ちょっと俺にこの世界の常識教えてくださいな!!




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