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もふもふそれぞれの道《番外編》
しおりを挟む後日談だけど…久しぶりにクロノたんと愛し合えたのは嬉しかった。が、箍が外れたのか如何せん激しすぎた…。いや…俺のせいでもあるんだけどね…。翌日、目覚めると腰が痛み、太ももは筋肉痛みたいになっていた…。歩きづらいのなんのって…。これからは身体を柔らかくする為、寝る前に柔軟体操をしよう決意させるほどに辛かった。
ゼダ様は…ユーリちゃんに尋問されているらしい。詳しい事は聞いてないけど…まぁ騎士団団長の婚約者に手を挙げたんだもんなー。それだけじゃなく、俺にした事も…タダでは済まないよね。ってか国に攻め入るとか噂も聞いたけど…。でも周辺国家に国交断絶されてるとも聞いたし…。とりあえず俺は関わらなくていいと言われてるから大人しく成り行きを見守るしかない。
そーいや、デールちゃんに関して衝撃の事実が発覚致しました!!なんと…!!俺がレイモンドに薦められて読んでいた恋愛小説、実はデールが執筆した書物だったのです!!おまけにノンフィクション!!ノンフィクションですよ!!つ、ま、り!!デールちゃんの幼馴染が実在するわけです!!
この事は、前回のお茶会での謝罪も込めて、デールちゃんをもう一度お茶会に誘った時に教えて貰ったのだ!!驚きすぎて目ん玉落としそうになったよ!!けどね、次の話聞いて、驚きが一周したせいか逆に冷静になった。デールちゃんが恋心を寄せている幼馴染とは…なんと…宰相アデルさんだったのですッ!!うひょー!!あの恋愛小説だってアデルさんへの想いを形にしたくて執筆してたらしいよ!!春が咲き乱れてるねー!!俺に協力出来ることがあれば何でも言ってねと伝えてお茶会を解散した。恋が実りますように!!
さてさて、今日はレイモンドの待ちに待った結婚式ですよ!!自分の事のように嬉しくて仕方がない!!俺のデザインしたウエディングドレス姿で歩くバージンロード…。想像しただけで泣けちゃうわ…。これが娘を送り出す親の気持ちというやつか…。寂しいような嬉しいような…。まっ、結婚しても俺に仕えてくれる事には変わりないんだけどね!!
▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣
「レイ様ありがとうございます。似合ってますか?」
そんな自信満々に聞いてくる辺り、いつものレイモンドと変わりないね!!似合ってるよ!!こんちくしょー!!綺麗過ぎて直視不可!!
「綺麗、可愛い、綺麗、可愛い、綺麗…」
「レイ様、いつも以上に語彙力死んでますよ」
くぅー!!憎たらしい!!だが許す!!今日は無礼講だ!!俺の隣に立つユーリちゃんに近づき、くるりと一周して見せた。天使だ!!天使が降臨した!!
「レ、レ、レ、レイモンドッ!!きょっもッ…!」
「ブハッ!!こんな日まで安定の吃りとかッ…」
お腹を抱えて目に涙を浮かべ笑うレイモンドとは反対に、バツが悪そうな顔で俯くユーリちゃん。傍から見れば、大丈夫か?と思うだろうがそんな事はない。例の一件はユーリちゃんとレイモンドの絆を揺るぎないものとした。障害は愛を燃え上がらせるってね!!これは俺とクロノたんで実証済みです!!
「新郎新婦様、ご準備は整いましたか?」
声を掛けられ、二人は別室に移動して行った。今から親族にお披露目するんだろうな。
「やっぱり…ちょっと寂しい…」
「レイ…」
「クロノ…」
「そんなに寂しいのか…?そうだな…。そろそろ俺達の愛を目に見える形としてだな…その…」
いやに歯切れが悪いな…愛を目に見える形?えっ、それって、つまりは…クロノたんジュニアって事?!えぇー!!もしかしたらスモールもふもふを…?!
「クロノッ?!それはつまり…子を…」
「無理にとは言わん…二人の気持ちが大切だ」
そんな!!子供が生まれたら俺溺愛する自信しかないよ!!乳母に任せる?無理無理無理!!成長過程の初めては全部一番最初に見たい!!初めて笑う顔も、ハイハイ、お座り、つかまり立ち…全部目に焼き付けたい!!
「子が生まれたら忙しくなりますね!!二人の時間は少なくなりますが…赤ちゃんは手がかかるものですし…」
「二人の時間が…?」
「えぇ、赤ちゃんは自分の手で育てると決めておりますから!!勿論、クロノにも子育てには参加して欲しいですが、公務もありますし…。あぁ、夜泣きも心配ですから、別々に寝た方が…」
「別々に…?」
「勿論ずっとではありませんが、そうですね…1年ぐらいかな?いえ、もっと長く…」
「レッ、レイ!!俺達はまだお互いの事を全て理解していない!!だからだな…」
会話を遮り柄にもなく必死な姿に思わず笑みが浮かぶ。クロノたんの事だ、まだ見ぬ自分の子に嫉妬でもしてるんだろう。可愛いなー。焦っちゃって!!
「クロノ、ありがとうございます。私が寂しいと思って言ってくれたのでしょう?でも、私もまだ二人の時間を楽しみたいです」
笑いそうになるのを堪え、クロノたんの身体に寄り添う。ンンッ、咳払をし、レイがそう言うのならば…とごにょごにょと誤魔化してるけど…無駄だよ!!尻尾がクロノたんの感情を代弁してるからね!!
あぁーほんとにもう…
俺の皇帝陛下は今日も可愛い!!
[完]
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