俺の可愛い皇帝陛下〜けしからんモフらせろ!〜

えの

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もふもふ離れ《番外編》

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「浮気ですか?なんの事をおっしゃってるのか…わかりかねます」


浮気なんかしてない!!いつだってクロノたん一筋よ!!


「では、先程からの言葉…誰を思っての事だ?」


えっ、さっき?さっきはデールちゃんに主人公を重ねてたから…デールちゃん?でもクロノたんに同じ事して欲しい!!って思ってたから、やっぱりクロノたんかな?


「言えないのか…やはり浮気か?」


クロノたん…あなた俺の愛が信じられないんですか
?!この溢れんばかりの愛が!!


「最近、デールと仲がいいそうだな」


「デールですか?えぇ、そうですね」


クロノたんに会えない時の癒しだからね!!あと主人公だし!!クマさんだし!!


「頻繁にお茶会に誘っていると聞いた」


はぁ?それが浮気?お茶会に誘った程度で浮気認定されたら、クロノたんはゼダ様と浮気してるでしょ!!あっ、側室候補だから浮気じゃないのか…。むむむむむ、考えたらムカついてきた!!なんで俺が責められるんだよ!!ご飯だってお茶会だって、全部ゼダ様に譲ってるじゃん!!俺だってクロノたんと一緒に居たいのに…。


「デールはお茶会を断ったりしませんので」


嫌味の一つや二つ言ったって許されるはず!!


「だから浮気か?」


「話になりません。お引き取りください」


悪いけど今はクロノたんを視界に入れたくない。ぷいと顔を逸らす。せっかく小説の余韻に浸っていたのに台無しだよ!!まったく!!


「レイッ!!」


咎めるように名前を呼ばれるが、俺の知った事ではない。そうだろ?一緒に居ないと選択したのはクロノたんだよ?今、ゼダ様と一緒に過ごすことを選んだのは、他でもない…クロノたんだよ…。


「どうぞお引き取りを」


俺はもう話はないとばかりに背を向ける。後ろでグルッっと唸り声が聞こえているが知らない!!俺の気持ちを思い知れ!!クロノたんのバーカ。


ドゴォン!!


クロノたんが勢いよく部屋のドアを閉める。ゆっくりと、扉に近づく。扉にそっと手を当てる…。だっ、だ、大丈夫かな?扉壊れてない?!凄い音したよ?!あっ、ちょっと取手が緩んでる…。後で修理してもらわないと…。



▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ 



「今日は、顔色がすぐれませんね」


「わかりますか?実はクロノと喧嘩をしてしまって…はぁ…すみません。こんな話…」


「いえ、私で良ければ…」


「デールにはついつい心が甘えてしまいます。聞いていただけますか?」


俺は心の悩みをデールちゃんに聞いてもらった。誰かに聞いてもらうと、気持ちが楽になるって本当なんだね。


「色恋は難しいですね…私もからっきしです…」


実は…ポツリ、ポツリとデールちゃんが自分の事を話してくれる。うぅぅぅ…涙が…涙が止まらないよぉー!!小説の主人公とも話が重なってるし…余計に感情移入しちゃう…


「デールッ…ぐすっ…デールも…」


「おいッ!!俺のレイに何をしたッ?!」


はっ?まさかッ?!涙でぼやける視界の端で捉えたクロノたんの姿。何で…なんでゼダ様を一緒に連れてるんだよー!!嫌がらせなのか?!俺がデールちゃんとお茶会で楽しそうにしているから邪魔しにきたの?!わざわざゼダ様を連れて?!


「言えッ!!レイに何をしたッ?!」


何かしたとしたら、クロノたんだよ!!そのデールちゃんの胸ぐら掴んでいる手を離しなさい!!






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