上 下
30 / 48

もふもふ逆鱗に触れる

しおりを挟む




やだ…ドロドロする…んっ、鼻を突く独特なにおい…。黒い…ほんと黒い…そっと手をあてる……












なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ────?!





厨房に着くと、そこは…もふもふに埋め尽くされていました。もっもっもふもふの宝石箱や~!!これは俺を殺しにかかっている。そうに違いない。誰の仕業だ?!出てこいやー!!褒め殺してやるよ!!俺は料理長にいきなり訪問した非礼を詫びた。料理長は滅相もないとブンブン首を振っていた。もふもふの頭に乗ったコック帽。くぅー可愛い!!とりあえず用件を話してみる。




「オリーブオイルですか?それならありますよ!!」




「へぇ?!あるんですか…」




「えぇ。陛下が是非に使うようにとご命令で、ヨルム様がお持ちになりました。貴重な物だから、婚儀では陛下とレイ様の料理だけに使うようにと。これですよね?」




コトンッ




置かれたオリーブオイルを見る。ええぇぇぇぇ?!こっ、これがオリーブオイル?!確かにクロノたんにオリーブオイル見せたことないけどさぁ…ガセ物掴まされてるじゃん!!瓶を傾けてみる。ドロドロしてる…。そっと蓋を開けて匂いを嗅ぐ。うっ、鼻に突く…。瓶を手にしてみる。黒い液体だ。ラベルも何も無い。ふざけんなよ…。ふざけんな…。これがオリーブオイルだと?俺の国をバカにするのもいい加減にしろ!!





「これ借りてもいいですか?」






「えっ、あぁ、どうぞ!どうぞ!」



おっと、忘れる所だった。


「これ、私の国のオリーブオイルです。是非使ってくださいね?」




急ぎ足で厨房を出る。当然向かう先は決まっている!!クロノたんが居る執務室!!迷うことなく進む。踏み出す一歩一歩に力が籠る。





「レイ様。瓶お待ちしますよ?」




「結構です!!!!!」




「皇帝陛下の話も聞いてくださいね」








ドン!!





ノックもせずにドアを開ける。さぁ!言い訳を聞いてやろうじゃないか!!





アデルさんと話をしていたクロノたんに近づく。





ドンッ!!





机にオリーブオイルの瓶を置く。





「陛下、説明を求めます」




名前なんて呼んでやるもんか!!




「なっ?!」





「これをオリーブオイルだと?この黒くてドロドロの液体を?!私の国を馬鹿にしないでください!!!!!」






「すっ、すまんが…。全然話が見えない」





クロノたんでも許さないよ?いくら好きでも、自国を馬鹿にされたら黙っていないよ?





「我国のオリーブオイルだと言って家臣に託し、料理長に渡しましたね?これがそのオリーブオイルです。陛下ともあろうお方が…物の真偽も確かめずに…。私の国を愚弄するなんて…!!」






さぁ!その口できっちりと説明して貰おうか!!!!!






しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

隣人、イケメン俳優につき

タタミ
BL
イラストレーターの清永一太はある日、隣部屋の怒鳴り合いに気付く。清永が隣部屋を訪ねると、そこでは人気俳優の杉崎久遠が男に暴行されていて──?

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!

棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

上司と俺のSM関係

雫@3日更新予定あり
BL
タイトルの通りです。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

俺の義兄弟が凄いんだが

kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・ 初投稿です。感想などお待ちしています。

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

処理中です...