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もふもふ衝撃
しおりを挟むレイモンドが朝帰りをしました。お母さんはそんな不埒な子に育てた覚えはありません!!思春期なのでしょうか?そっとして置くべきでしょうか?悩みます。クロノたん情報によると、ユーリちゃんと一夜を過ごしたらしいです。お赤飯は必要ですか?そんな質問は絶対にしないです。
だって!!また壁ドォーンってされたくないもん!!机壊されたくない!!クロノたんに謝って、金額聞いて、耳が遠くなったよ!!手持ちじゃ足りなくて、テンパり過ぎて、体で稼ぎます!!って宣言しちゃって…何を勘違いしたのか、クロノたんが、体を売ると思ったらしい…。俺は掃除とか皿洗いのつもりだったんだけど…。
怒りくるったクロノたんが怖すぎて…でもね、悲しいかな、俺のもふもふへの愛は本物だから…こんな時でも観察しちゃって…唸りながら見える犬歯とか、鼻に皺が寄っちゃってるとか…可愛くてさ…。怒る姿のクロノたんにニマニマしてたら呆れられた…。ってか元々弁償なんてしなくて良かったらしい。レイモンドが罪に問われなくて良かった!!
「机も壁紙も新しくなったよ」
コンコン
「ほんとですねー。この机はちょっとやそっとじゃ壊れないですね」
ひぇっ!!強度の確認をしてるのか?!ダメだ!!二回も壊したら今度こそ庇えないよ?!壊すなら違う物にして!!
「今日の予定は、婚儀で着る衣装の打ち合わせ。終わり次第、婚儀で出される料理の確認となります」
「衣装のデザインは考えてるんだ」
「レイ様がですか?」
「そうだよ。ただ、実現出来るかどうか…」
俺の衣装をデザインしてくれる人は…美丈夫オネエでした…。オネエって存在したんだ…。大きな体がクネクネしてる…。珍しい人種なのでガン見してしまう。
「あら、やだぁ!!」
バチコンっとウィンクと共に投げキッスされる。スーッと投げキッスをかわす。
「やだわぁ。照れちゃってぇ!!」
再度バチコンウィンクをされる。心にダメージを受けた。どうやらこれは精神攻撃の一種らしい。恐ろしい…。
「あの…私の考えたデザインがあるのですが、見ていただいてもよろしいですか?」
そっと、なんちゃってデッサンを見せる。
ドォーン!!!!!
ひぃ────!!!!!つ、つ、机が────!!!!!新しくしたばっかりなんですけど?!どうして?!何故?!どいつもこいつも机に恨みでもあるのか?!被害はひび割れ程度だな?よし、バレないようにクロスを掛けよう!!レイモンドに後で用意させよう。クロノたんにバレたらシラを切り通す!!!!!チラッと何処かに意識が飛んでいる美丈夫オネエもといハルワさんを見る。おーい。戻ってこーい。ぼんやりとした瞳が俺を捉える。おっ、復活した?
「凄いわ!!!!!凄い!凄い!凄すぎるわ…。何なのコレ?見たことないわ…。」
そう。俺が描いたデッサン。それはウエディングドレス。この世界にはスカートという物が存在しない。ショーパン、ハーフパンツ、ロングパンツとにかくパンツスタイルしかないのだ。しかし…しかしだな!!!!!
┈┈ 男なら 一度はしたい 女装かな
レイちゃん心の一句。
ん~字余り?いやね、この顔と体つきには絶対にウエディングドレスが似合うんだよ!!!!!とりあえず透け感のあるレースをふんだんに使ってくださいとだけ要望する。あとはプロのハルワさんに任せておけば大丈夫でしょ。これは絶対に売れる、私も着たい、ぶつぶつ呟くハルワさんを見る。へぇ~好きな人居るんだ。サプライズでドレス着るの?成功すればいいね!素直にそう思う。
だって、あなた凄く素敵な人だし。例え精神攻撃が得意としてもね!!俺の観察眼は何も、もふもふだけが対象じゃない。王族たるもの人を見極める事も大切。だから、初めて会う人の事は必ず観察する。ハルワさんはどうすれば俺の美しさが引き立つか、長時間着ても負担がないか、動きやすいか、頼んでもないのに色々考えてくれている。デザイン担当が、あなたで良かった。よろしくねと伝えて、ハルワさんを部屋の外まで見送る。
「任せてちょうだいっ!!」
ルンルンとスキップをして遠のくハルワさん。足が着地する度に、ドスッ!!ドスッ!!と聞こえてきそうだ…。
「嵐の様な人だったなー」
「そうですね。ウエディングドレスでしたか?ハルワ様が着たら、死人は目を覚ますでしょうね」
「…美し過ぎてって事かな……?」
「ご想像にお任せします。次は料理ですね」
「それなんだけど…厨房に行ってもいいかな?」
ここの料理は本当に美味しい!!でもね!!このオリーブオイルをかけるともっと美味しくなるんだよ!!そう!!俺はオリーブオイルを宣伝したいのだ!!婚儀には、色々な国のお偉いさんが来る!!宣伝するには持ってこいの場所!!オリーブオイルの素晴らしさが広がれば交易が盛んになり国も潤う!!俺も幸せ、国も幸せ!!ウィン・ウィンの関係!!
俺の交渉術をとくと見よ!!
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