俺の可愛い皇帝陛下〜けしからんモフらせろ!〜

えの

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もふもふは甘酸っぱい

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「レイ様にお休みを頂いたんだ。ユーリを誘いたかったが、また今度な」




「ま、ま、ま、待ってくれ!!すぐに終わる!!」




ユーリは手に持っていた書類にペンを走らせている。さっきまでの悪態とは大違いだ。




「レイモンド君!毎日でも遊びに来ていいからね!!」




「嫌ですよ」




絶対無理。俺よりデカい奴がうじゃうじゃ居るし圧迫感が半端ない。何より纒わり付く視線が嫌。




「レイモンド!!さぁ行こう!!」




早っっ!!ほんとにちゃんと終わったのかよ。後でガイさんに怒られても庇ってやらないからな。









ハーデ帝国は、本当に差別がない。ユーリと歩いていてもジロジロ見られるわけでもない。逆にユーリが屋台で買い物をすると、いつもありがとうと感謝の声が掛けられる。


ほんとに国によって全然違うんだなー。バルロはそもそも獣姿を見かける事がなかった。こちらでは当たり前のように生活をしている。いい国だな。全ての獣人が幸せになんて到底無理だと思う。だが、少なくとも俺の周りの人は幸せであって欲しい。ユーリも例外ではない。




「何か食べるか?」




ユーリがズラリと並んだ屋台を指さしている。




「アレがいい。前に食べたホットドッグとかいう食べ物」




「待ってろ」




そう言って、ユーリは人混みの中に姿を消した。みろよ?恋人同士みたいだろ?俺は街に降りた時の会計を払った事がない。ユーリがさっさと会計を済ましてしまうからだ。何回もお金を押し付けようとして、次はお願いすると言うが、全然払わせてくれない。なので、最近は諦めて大人しく奢られている。





「これだけあれば足りるか?」




はぁ~ほんと限度を考えろよ。作るお店の人の事も考えろ!袋の中には10個以上ホットドッグが入っていた。




「ありがとう。毎回言うが買ってくる量が多すぎる。もっと少なくても大丈夫だから」




「レイモンドの為なら店ごと買っても構わない」




これ、これだよ!こんな発言を連発されたら好意持ってるなと思うだろ!でもな…全く手を出してこない。手を繋いだ事も無い。俺を悩ませる一因だ。




食べながらブラブラと歩く。たわいもない会話をして、たまに興味の惹かれた店に入って。またブラブラとする。なんでもない時間が凄く心地いい。




「ユーリ!!」



あれ?ガイさん?



「見つけたよー!さっきの警備配置の件、今日中に片付けるようにと連絡が入った!帰るよー!」



「嫌だ」



おい!何わがままいってるんだよ…ちょっと嬉しいけどさ。



「ユーリ。仕事だろ。また街を案内してくれ。俺はまだ時間があるし、適当に見てまわる」



「レイモンド君ごめんね~!」



大きな背中が小さくなっていくのを見つめる。袋に入った大量のホットドッグ。レイ様にあげようか?







適当に足を進めブラブラと歩く。気づくと日は傾き、俺は喧騒から離れた路地裏にいた。ここは…春を売る通りか…。


そういえば、ハーデ帝国に来てからシてないな。性欲は並にあるが、最近は忙しすぎた。俺は決して特定の相手は作らない。相手をするのも一夜限りと決めている。


俺の顔に惹かれる者、俺の家柄に惹かれる者、そして、俺を通してレイ様に近づこうとする者。俺がレイ様の弱みになってはいけない。優しいレイ様の事だ必ず手を差し伸べてくれる。枷にはなりたくない。だから一線を引く。好きにならないように。俺はレイ様の盾だ。でも、今、レイ様は俺の盾が要らない程、大きな大きな盾に大切に護られている…。












ねぇ、レイ様…









俺…











恋をしてもいいですか?








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