俺の可愛い皇帝陛下〜けしからんモフらせろ!〜

えの

文字の大きさ
上 下
25 / 48

もふもふはお疲れ

しおりを挟む





まぁ、その机、立派な彫刻が彫ってあるのね。さぞお高いんでしょう?おいくらするのかしら?私、あまり手持ちがありませんの…弁償出来るかしら?





ほんと……いくらするんでしょうかねー?!これは…クロノたんに相談して弁償代金を値切らないと…。





机をぼんやりと見つめアレコレ考える。レイモンドが無表情でこちらに近づいてくるのが目に入った。えっ…何…怖いんですけど…。ズルズルと後ずさり壁際まで追いやられる。ドォン!!ひぃ─────!!!!レイモンドさん!!それは壁ドン所ではありません!!ほら見て!!壁がパラパラッて…。顔怖っっ!!






「ねぇ、レイ様。指南役の事誰かに話しましたか?」






ひぃっっ!!ドス黒い!!背中にゴォゴゴゴゴって効果音背負ってますよ!!もちろん誰にも話していません!!全力で首がちぎれんばかりに横に振る。レイモンドの綺麗な顔が近づいてくる。胸がドキドキする…。これは…動悸だな。緊張し過ぎて口から心臓が飛び出そう…。レイモンドの顔が更に近づき耳元で囁く。











「誰にもいうんじゃねぇーぞ」







きゃぁぁぁぁ────────!!!!!イケボ!!なんたるイケメンボイス!!俺じゃなかったらホーリンラブだわ!!絶対に誰にも言いません!!今度は全力で首を縦に振る。美人が怒ると怖いというのは本当だ…。レイモンド恐ろしい子…。きっとお疲れなんだ!!頭が上手く働いてないんだ!!そうに違いない!!よし、レイモンド!!俺に任せておけ!!











▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ 






はぁー。何を思ったのかレイ様が突然休みを下さった。いきなり休みになっても困る。ほんとに何を考えてるのか…。急に閨の指南役の話を持ち出したり…。皇帝陛下の耳に入ったらどうするつもりだ?!俺がこの世から存在を消されるだろ!!皇帝陛下が番にみせる執着。レイ様自身の魅力も伴ってか異常な程だ。


王族は成人を迎えると閨の指導を受ける。レイ様の指南役は揉めに揉めた。あの美しさだしな。閨中にどんな風に乱れるか見たい、あわよくば、レイ様に気に入られたい。そんな輩が多くいた。


結局、指南役には、第一皇子かほぼ家族的な俺しか残らなかった。二択になれば血の繋がりのない俺が指名されるのは自然の流れだった。レイ様はレイモンド以外に触られたくなかったと喜んでいたが。あんた、俺以外にそのセリフ言ったら勘違いしますからね。


一応、指南役の務めはきちんと果たした。まぁ…指南したと言っても本番まではしてない…。何か色々と疲れたわ。街に降りてみようか。まだ見ていない所も沢山ある。ユーリをご飯にでも誘ってみるか…。









騎士団の詰所がある場所に足を向け歩き出す。ユーリとは何回か食事を共にし、町にも連れて行ってもらった。今では、砕けた話し方で話せる程の仲になったのに、未だに吃るので面白い。少なからずユーリは俺に好意を持っていると思う。


目の前の詰所を見上げる。相変わらずご立派な外観で。俺がここに来ることはあまりない。いつもユーリから訪ねて来てくれる事もあるが。


さて…団長様の部屋は何処だったかな?詰所の中を歩く速度が徐々に速くなる。ほんと、何なんだよ?街に降りた時でも視線は感じるがこれ程多くない。そう…ここに来ると尋常じゃなく視線を感じる。苦手だ。はぁー。心の中で何回目かのため息をつく。




「あれ?!レイモンドくーん!!」



「んぁ?あっ、ガイさん。こんにちは」



「はは、眉間に皺が寄ってるよ?綺麗な顔が台無しだ!!」




「…」




「今日はユーリに会いに来たのかな?」




「えぇ。部屋の場所覚えてなくて」




「じゃぁ、俺と一緒に行こう!!用事もあるしね」




ガイさんは俺の隣に並び一緒に歩き出した。この来る者拒まず、去るもの追わず下半身バカの副団長にはあまり近づくなとユーリに言われている。




コンコン




「入れ」




「失礼しまーす」



ガイさんに続き一緒に部屋に入る。机に向かって書類に目を通しているユーリが居た。




「もう書類仕事はしないぞ。頭がおかしくなりそうだ」





「さすが脳筋!!でも、この書類は重要だよー。なんたって陛下とレイ様の婚儀の警備配置を考えろって内容だし」





「はぁー今日はこの書類だけで手がいっぱいだ!」




じゃぁ、忙しいって事か?誘うのは無理か…。



「ユーリ。ご飯に誘いに来たが、忙しそうだし、日を改める」





バンッ!!!!!




ユーリが驚愕した顔でこちらを向く。机大丈夫か?どうやら俺の存在に気づいてなかったみたいだな。






「レ、レ、レ、レ、レイモンド!!」







ぶはっ!!安定の吃り具合だ。










しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

隣人、イケメン俳優につき

タタミ
BL
イラストレーターの清永一太はある日、隣部屋の怒鳴り合いに気付く。清永が隣部屋を訪ねると、そこでは人気俳優の杉崎久遠が男に暴行されていて──?

麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る

黒木  鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。完結しました!

訳ありな家庭教師と公爵の執着

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝名門ブライアン公爵家の美貌の当主ギルバートに雇われることになった一人の家庭教師(ガヴァネス)リディア。きっちりと衣装を着こなし、隙のない身形の家庭教師リディアは素顔を隠し、秘密にしたい過去をも隠す。おまけに美貌の公爵ギルバートには目もくれず、五歳になる公爵令嬢エヴリンの家庭教師としての態度を崩さない。過去に悲惨なめに遭った今の家庭教師リディアは、愛など求めない。そんなリディアに公爵ギルバートの方が興味を抱き……。 ※設定などは独自の世界観でご都合主義。ハピエン🩷  ※稚拙ながらも投稿初日(2025.1.26)から、HOTランキングに入れて頂き、ありがとうございます🙂 最高で26位(2025.2.4)。 ※只今、不定期更新📝となります。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

処理中です...