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仲直り

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俺も意地悪言ってごめんね、もう眠たいかな…と書いた紙をゼロに見せると頷いてくれた。
ああするしか助ける方法がなかったのは分かっている、でも…自分を大切にしてほしいのは俺もだよと伝えたかった。

お互いどちらが欠けてもダメなんだから…

ゼロに頭が痛いと紙に書いたら風邪薬を持ってきてもらった。
粉の薬で、飲むと即効性があるのかだいぶ楽になった。

ゼロが横でずっと見てくれて、安心して寝る事が出来た。

「おやすみエル、エルの悪夢は俺が全部取り除くから」






※ゼロ視点※

エルが寝息を立てて、眠った事を確認してエルの額に口付けた。

スッと表情をなくして、エルの部屋から出た。
エルがノアというあの黒猫と話し合いたいと言っていた。

エルの気持ちを無視する事は出来ない、今の今まで隠していたという事は俺や他の奴に話したら黒猫を捕まえに行くと思ったからだろう。
捕まったら、そう簡単に会う事は出来ない。

でも、俺はあの時黒猫を見つけて捕まえる気なんてなかった。

俺はあの時確かに殺そうとした、エルになにかしようとしているのが見えたからだ。
俺のエルに触れた事で、頭に血が上った。

ヤマトが止めなかったら、確実に仕留めていたのに…

エルに秘密を与えるなんて、許せなかった。
エルの中に居座る奴は俺が全て取り除いてやる。

でも、エルが嫌だと言うなら我慢しよう。

決して許したわけではない、話し合いがしたいならその後でいくらでも消す事は出来る。

屋敷を出ると、いつもと違う景色がそこにはあった。
ウロウロと騎士の数が増えている、鬱陶しい。

他にやる事があるだろ、まだ義賊の重要人物を一人も捕まえていないというのに…
雑魚で満足しているなら、おめでたい頭だな。

「あっ、ゼロ!」

「…なんだ?」

「弟くんを探しているんだけど、さっきは酷い事を言って…謝りたいんだ」

「知らない」

「そうか、もし見つけたら知らせてくれ」

ヤマトはそう言って、騎士達と情報を交換している。
ヤマトはエルが喋れないのをまだ気付いていないみたいだ。
だけど、謝りたいと思っているのは本当だろうと分かる。

ヤマトは考えている事を顔に出やすい、付き合いが長いからこそ断言出来る。

でも、ヤマトのところにエルを連れて行ったらヤマトは謝りたいだけかと思うが周りは違う。
エルを寒い牢獄の中に閉じ込めて、俺との仲を引き裂く…そんな事分かっている。

それが分かっていて、渡すわけがないだろ。
エルはもう、誰にも渡さない…俺のものだ。

俺が守る中で、笑っていてくれたらそれでいい。

今度は絶対に拒絶しない…エルの魂まるごと逃しはしない。
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